【世界陸上・オレゴン】競歩チームが始動!メダル争い・入賞争いを目指しそれぞれの戦いに挑む:競歩日本代表公開練習レポ―ト&コメント

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【アフロスポーツ】

7月15日に開幕する「オレゴン2022世界陸上競技選手権大会」での活躍が期待される男女競歩の日本代表選手10名は、6月23日から例年通り北海道・千歳市を拠点とする事前調整合宿に入っています。合宿といっても、男女20kmはともに大会初日(7月15日)、女子35kmが8日目(7月22日)、男子35kmは最終日(7月24日)と、各種目で実施日に開きがあるため、合宿期間やトレーニング内容は、それぞれが自身の計画に沿って個別で進めていくスタイルをとっていますが、代表全10選手が揃った6月29日、メディアに向けて練習を公開するとともに、報道各社の合同インタビューに対応しました。
この日は、全国各地が6月とは思えない猛暑日となったなか、北海道地方のみ大雨に見舞われ、地域によっては警報も出る状況となりました。千歳市でも、練習開始直前の午前8時ごろから降りだした雨がだんだん強まる悪天候に。気温こそ24℃前後と、ほかの地域に比べると過ごしやすかったものの、トレーニングするうえではかなり蒸し暑さを感じる状況のなか、選手たちは集中した様子で、それぞれの練習メニューを消化しました。
トレーニング終了後には、全選手が揃ってフォトセッションに臨んだあと、1人1人順に報道各社の合同取材に臨み、現在の体調や心境、トレーニングの経過、世界選手権本番での目標や抱負などを話しました。
以下、各選手および日本陸連強化委員会で競歩の強化を統括する今村文男シニアディレクターのコメントをご紹介します。

【男子20km競歩】

山西利和(愛知製鋼)      

【アフロスポーツ】

現在は、(世界選手権に向けて)仕上げの段階。この千歳の合宿できちんと仕上げて、現地に入ってから最終調整をしていく。8割方準備が終わってきていて、ここまで順調に来ているので、今は、「楽しみだな」という気持ちが大きい。
(本番では)追われる立場としてのステップを上がっていく過程だったと思えるような、そういうレースにしたい。暑いなかでのレースになることが見込まれているので、どうなっていくかはわからないが、自分の良さを出せるような、(他選手と)しっかりと削り合って地力の比べ合いになるようなレースができたらなと思っている。
(前回優勝しているので、連覇に挑むことになるが)連覇している選手の数は少ないので、チャレンジできることはすごくありがたいこと。そこ(連覇)にこだわるわけではないが、そのチャンスをきちんとものできたらいいなと考えている。
チームジャパンとしては、複数のメダルと入賞を狙いたい。全員が入賞するくらいの気持ちで臨めたら…。池田(向希)選手、高橋(英輝)選手に関しては、いつものメンバーなので、そこに関してはあまりどうこうというのはないが、住所(大翔)くんのような若い、新しい世代が入ってきているので、今までの3人に、新しい刺激が入ると、なおいいのではないかと思う。
ここまでやってきたことを、最高のパフォーマンスという形で、レースで出したい。その結果として金メダルをきちんと取りきるということも目標に、頑張っていきたい。


池田向希(旭化成)

【アフロスポーツ】

今日は、トータル18kmを、3km、2km、1kmに分けて、スピードの感覚確認や歩型の修正を意識しながら行った。設定通り、予定通りの練習をこなせたので、手応えを感じることもできている。ここまで順調に練習が継続できているので、あとはベストコンディションで試合当日を迎えるだけかなと思っている。
この先、2024年のパリオリンピックを含めて、大きな国際大会が毎年のように続いていくが、自分は、その狙ったすべての大会で、上位争い、メダル争いに加われるような安定した成績を残せていくことをテーマにしている。今回のオレゴン世界陸上でも、上位争い、メダル争いに加わりたい。
前回のドーハ大会は6位で、私自身がやりたかったレースや自分の力を発揮することができずに終わってしまったという後悔が残った。そのぶんの悔しさも、今回のオレゴンでぶつけたい。(ドーハ以降)今まで薄く薄く上積みすることができたその部分を、(オレゴンで)体現できたらいいかなと思う。
(ライバルとなる)山西利和選手は前回の金メダリストで、今回も(チャンピオンに与えられる)ワイルドカードでの出場ということで、一つ上にいる存在。そういった先輩方の力を借りつつ、私も結果を残すことができたらなと思う。そして、チームジャパンとしては、競歩はメダルターゲット種目として注目していただいている種目。そういった意味でもいい結果を残して、他種目よりも良い成績を上げることを目指したい。


高橋英輝(富士通)

【アフロスポーツ】

これまでの国際大会では、勝負どころで歩型(の問題)の問題で前に出られないという場面があった。今回は本番で自分自身のプランに沿ったレースができるよう、自分の課題であるフォームの部分に力を入れて準備をしてきた。
世界陸上は、今回が4回目の出場となるが、今までの結果はどの大会も難しいもので、世界のレベルの高さ、自分の力の足りなさを実感するレースになっている。競技者である以上、もちろん結果を出したいし、それが一番大切なことであるとも思っているが、今はそれと同じくらいに、「自分の力を出しきって、応援してくれる方に、笑顔で結果を報告したい」という気持ちがある。そう考えるようになったのは、昨年まで、「東京(オリンピック)で結果を残したい」という思いでずっとやってきたなかで、結果は残すことができなかったものの、いろいろな人たちに本当に支えられて競技ができていることを実感することができたから。「応援してくれる方々に自分の頑張るところを見てもらいたい」「笑顔で結果を報告したい」という思いが、大きなモチベーションになっている。オレゴンでも、そんなレースをしたいなと思うし、そういう姿勢がパリ五輪にもつながっていくのではないかと考えている。
今村(文男)コーチからは、「(すでに結果を出せる十分な)力はある。それを(レースで)出せるかどうかが課題」と言われている。例えば、練習などにおいても、そのときそのときで判断せずに自分を俯瞰し、レースに向けてどういう準備をしていくかを考えていけるようにしようと指導されているのだが、そこが自分にはなかなか難しいところ。練習自体のレベルは高いのだが、それを国際大会で発揮するとなると、まだ一つピースが合っていないと感じている。そこを詰めきることができるよう、今、意識しながら取り組んでいるところである。
自分は、まだ入賞もしたことがないので、まずは入賞がターゲット。それを達成するためには、(レース)前半をどれだけ力を抜いて自分の歩きをして、終盤の準備をしていけるかだと感じている。男子20kmは、後半で絶対にペースが上がるので、そのペースアップに対応していくための土台が(前半で)つくれるかが重要になる。レースでは、そこを大事にしていきたい。


住所大翔(順天堂大学)

【アフロスポーツ】

今回が初出場となるので、緊張はしている。しかし、自分らしさを忘れず、先輩方の胸を借りるつもりで歩きたい。
日本代表合宿に参加するのも今回が初めてで、自分がシャイということもあり、合宿中から緊張はしている。ただ、暑熱対策などの話は、合宿に入る前からオンラインなどで話を聞く機会があったので、先輩方の経験を聞いたりアドバイスをいただいたりすることができている。また、練習にもしっかりと取り組めている状況なので、大会では結果は残せるかなと思っている。
自分のいいところは、地道にコツコツと取り組めることなのではないかと思っている。大学4年間をかけて(日本)代表をしっかりと勝ちとるプランで、森岡(紘一朗)コーチや今村(文男)コーチと一緒にやってきた。その目標が、しっかり達成できたということは自分の強みになる。ただ、(2種目で出場権を獲得していた松永大介選手が35kmに絞ったことによる)繰り上げでの選出ということで、自分の力で完全に勝ちとったわけではないところが反省点ではある。次は、選考会で代表を勝ちとれるようになりたい。
世界陸上というと、「憧れの選手が代表でメダルを取ったり入賞したりするイメージ」が強くある。自分がその一員になれたことを、とても嬉しく思う。そういう「代表」選手になったという自覚を持って、本番では、狙えるのであれば入賞圏内を視野に入れながらレースを進めたい。

【男子35km競歩】

川野将虎(旭化成)       

【アフロスポーツ】

今日は16kmと、ダウン(として)の8kmを歩く内容で、レースペースを想定した練習を行った。本番に向けては、まだまだ準備していけるところはたくさんある。しっかりと最後まで気を抜かずに取り組んでいければと思っている。
東京オリンピック(50km6位)、世界チーム競歩選手権(35km4位)の2大会を終えてみて感じたのは、自分がメダルに届かなかったのは、心の部分が未熟だったからだということだった。それが詰めの甘さだと思ったので、世界陸上に向けては、その心の部分をしっかりと見つめ直すことを意識して、ここまで取り組んできた。
世界選手権の出場は、これが初めてだが、東京オリンピックや過去に出場した海外の大会と特に大きく変わることなく、同様のスタンスで臨んでいければと思っている。自分のピークを、世界陸上のレース当日に持っていけるよう、フォーム面、フィジカル面、心の面も含めて、最後までしっかりと準備していきたい。
(これまでずっと実施されてきた)50km競歩が、昨年の東京オリンピックで終わりとなり、(それに代わる形で)今大会からは35km競歩という種目になる。本番では、ここまで50kmで歴代の方々がつないできてくださったバトンを自分がしっかりと受け継いで、35kmという新たな種目に臨むことができたら…という気持ち。自分の持てるベストパフォーマンスを発揮することができれば、自ずと結果もついてくると思う。レース当日まで、まだ少し時間があるので、まずは、しっかりとピーキングしていきたい。


松永大介(富士通)

【アフロスポーツ】

(代表入りを決めた)輪島が終わってから疲れが残っていて、(世界選手権本番までの)期間が残り3週間ちょっとということを考えると、多少の焦りはある。しかし、(自分の場合は)焦るくらいがちょうどいいので、ある意味ではいい感じできているかなというところである。ここに来るまでの練習は、20km(のための準備)とそんなに変わらない感じ。今言ったように疲れもあったので多少は距離を落としながらではあったものの、20kmの練習よりは少し長い距離(の練習を)中心に、元々それなりにあるスピードで準備してきた。
35kmという種目は、(これまでの)50kmから15km短くなったことで、「ぎりぎり逃げきりが可能」な距離。私にとってはすごくいい距離に変わったかなと思っている。今まで20kmで戦ってきたぶんの経験値が、ほかの35kmのメンバーに比べてあるので、前半からがつがつレースできれば、後半逃げきれるのではないかと思っている。
世界陸上は2017年のロンドン大会以来5年ぶり。(ケガなどで)うまく行かないことが多かった3年間を挟んでいるし、ましてやロンドンの世界陸上自体も苦しい思い出の残るレース(38位)だったので、正直言って苦しい5年間だった。ただ、うまくいかなかった部分も多かったが、人間として成長できた5年間でもあるかなとも思っていて、代表に戻れてよかったし、「また、あの場で戦えるのがすごく楽しみだな」という気持ちでいる。
ずっと目標にしてきた東京オリンピックへの挑戦を、選考の途中でやめる形になってからは、正直、(競技者としての)区切りをつけるべきなのかなと思った時期もあった。しかし、今は、「最後の1つの目標」に到達するために代表になっている。そこがクリアできるまでしっかりと勝負したいと思っている。
その目標というのは「メダル」。リオ(オリンピック、7位)もロンドン(世界選手権)もメダルを目標にしてうまく行かず、後輩たちに先を越されてしまった。リオで(20km競歩で)日本人最上位となって、いろいろな方に注目していただき、「メダルも取れる」と言われ続けてうまく行かなかったので、「メダルを取りたい」という思いはとても強い。メダル(獲得)が僕にとってのゴールシーンになるかなとも思っている。
(会場となる)ユージーンは、一度、頂点に立っている地(※2014年世界ジュニア選手権10000m競歩で金メダルを獲得)。なんか“呼ばれた”気がしている。(先行逃げ切りという)レースプランは最初から決めていて、隠すつもりもない。あとは、そこにどれだけ自分が合わせられるか。目標は金メダル。世界を驚かせるレースをしたい。(ケガ等で低迷が続いたこれまでの期間に)心配してくださっていた方が多くいたので、まずはしっかりと元気な姿を見せるのが大事だと思っているが、それに加えて、結果がついてきてくれればいいなと思う。


野田明宏(自衛隊体育学校)

【アフロスポーツ】

2回目となる世界選手権は、この数年でしっかりレベルアップした私自身の歩きをぜひ見ていただきたいと思っている。メダルを目標にして、しっかりとレースに挑み、勝ちきっていきたい。
選考競技会の輪島(日本選手権35km競歩)では、少し自分のペースを抑えつつ、前を狙っていくレースをした。35kmのレースも、50kmと同様に、ちょっとハイペースで行きすぎると後半でぐっと落ち込むような選手もいて、そこで自分に余裕があってペースを上げることができると一気に秒差を詰めていくことが可能ということがわかり、(35kmという新種目にも自分は)しっかり対応できるかなという感触があった。ただ、35kmのレース自体が少ないため、海外の選手や日本のライバルの選手が、どういうレースの組み立てをしてくるかは、まだまだ考えなければいけないなという面はある。
ここまでは、自分も輪島のレースで後半、内臓に来てしまったという反省を踏まえて、そこを改善できるよう給水量やエネルギーを摂るタイミングについては、意識して取り組んできた。また、動きの面でも修正しなければいけないところがあったので、それらのことも詰めてきた。練習自体は「やるべきことをやる」という感じ。すごい量をやったわけでも、すごいスピードをやったわけでもないが、コンスタントに外すことなく練習を積んでいくことを大切にして、ここまでやることができている。
前回のドーハ大会は途中棄権。かなり悔しい思いをした。(日本)代表としては非常に情けないレースをしてしまったが、逆に、本当に大きな一つの経験として、あの日があったからこそ、今の自分があるというか、自分の身体のことをよく知ることができて、かなりレベルアップして戻ってくることができたと思っている。オレゴンでは、あのときの悔しさを晴らすというよりは、しっかり勝ちにこだわっていきたい。

【女子20km競歩】

藤井菜々子(エディオン)※ダイヤモンドアスリート修了生

【アフロスポーツ】

世界選手権は、前回のドーハ大会(2019年)が初出場で、今回は2回目となる。前回とは違う気持ちで、また、違う準備をしてきた。具体的には、全体的に去年や一昨年よりも、練習の質を上げてきているので、今はすごくワクワクしている。
(戦い方の)イメージとしては、東京オリンピックと同じイメージを持っている。どれくらいの(レベルの)海外選手がエントリーしてくるかは、まだわからない部分もあるが、世界チーム競歩選手権(3月、オマーン、20km競歩5位)も経験してきたし、そういうところでは、ほかの選手よりも有利な部分があるのではないかと思っている。
前回のドーハ大会は、ただ出場するという感じだったが、今回は「しっかり勝負していきたい」という気持ちが強く、そのための準備もしっかりしてきた。この大会では、先頭集団でしっかり戦うことを一つの目標にしている。前回7位だったので、もちろん7位以上を目指しているが、もっとメダルに近い順位を狙って、確実にゴールしたい。
今回も岡田久美子選手と一緒に出場する。大先輩と一緒に歩けるのはすごく嬉しいし、何よりも心強いので、2人で出場できて、本当によかった。選手村に入ってからも2人(一緒の部屋)だと思うので、そういうところでも話をするなど楽しめたらいいなと思っている。


岡田久美子(富士通)

【アフロスポーツ】

世界選手権は4回目の出場ということで、初出場や2回目のころに比べると、精神的にもだいぶ落ち着いているように思う。前回のドーハ大会で入賞(6位)することができたので、今大会も入賞できるように頑張りたい。
(前回時と比較すると)今春から富士通に入社したこと、また(昨年秋に)結婚したこともあり、まず私自身の環境が大きく変わっている。そのなかで練習メニューも前職のビックカメラにいたときから大きく変わった。夏場は20km以上の距離の練習が多かったのだが、今は15km前後の練習が多くなり、そのぶんスピードを出す機会を増やしている。6月初旬に右大腿部を痛めて、1週間ほど練習を落とす時期もあったが、今は順調に状態を上げてきている。
(前回に続いて再び)一緒に出場する藤井(菜々子)さんは、初めて一緒に20kmのレースをしたときや、ドーハのときは、私が引っ張っていくような立場だったが、彼女の大きな成長を経て、ライバルという状況になっていて、(世界選手権出場を狙う最後のチャンスとなった)輪島の大会は、私の前をずっと歩いてくれた。とても心強く感じているし、彼女の成長に「私も頑張らなきゃ」という刺激をもらっている。
前回のドーハは、とても暑いなかで粘りのレースとなった。今回も、結局暑いと聞いている。前回入賞した意地を持って、しっかりと粘って入賞したい。大会自体が暑い夏のレースということもあり、ターゲットタイムは具体的には設けていないが、最後の10km以降の駆け引きを意識してスピードの練習も増やしてきたので、そこで対応できるようにしたいと思っている。

【女子35km競歩】

園田世玲奈(NTN)      

【アフロスポーツ】

ここまで練習は、自分のなかでもしっかり積むことができていると思っている。また、この合宿で、「世界」をたくさん経験されている皆さんやスタッフの方々から、いろいろな情報や現地での過ごし方などを教えていただき、(世界選手権の)イメージもつかみやすくなった。(本番が)徐々に近づいてきているなということを実感している。
私は、一定のペースを長く歩くことを得意としていて、そのなかでも動き(歩型違反)をあまりとられないことが自分の強みなのかなと考えている。海外のレースになると、やはり日本と違うところも出てくると思うので、歩型については、もう少しスタッフの皆さんからもいろいろとアドバイスをいただくつもりでいる。
35kmは、まだまだ読めない部分が多い種目。もしペースが上がるとしたら、後半の10kmから一気に変わるのではないかと考えていて、ポイントとなるのは、20kmまでをリラックスしたうえで、冷静さを保って歩くことだと思っている。20kmまでは、いつ(レースに)動きがあっても対応できるように、周りの状況をよく見て、冷静さをキープしてレースを進めたい。また、ラストの15km、もしくは10kmでは余力をすべて出しきって、後半で、しっかり勝負をしていけるようにしたいと思っている。
社会人になって4年目で、初めての(日本)代表をつかめたことは、自分のなかでも大きな一歩だなと感じている。パリ五輪が2年後に迫っていて、そこを見据えると、今年の経験は、すごく大きな自信となる。パリで力を発揮するためにも、今年、そして来年(ブダペスト世界選手権)でしっかり結果につなげていけるように頑張りたい。
また、私にとっては、今回が初めての国際レースでもあり、海外に行くこと自体も初めてとなる。不安や緊張はたくさんあるが、経験したことがないからこそ、挑戦できる部分もあると思っている。消極的にならず、8位入賞を目標に、やってきたことを信じて積極的にレースを進めたい。

【今村文男 シニアディレクターコメント】

【アフロスポーツ】

今年は、合同で(合宿やトレーニングを)できる機会が非常に少なく、代表が決定した5月以降で今回が初めての合同合宿となる。そういったなかで、柱になる選手…例えば、前回大会のドーハで金メダルを取った山西(利和)くんや、昨年のオリンピックで銀メダルを獲得した池田(向希)くんの成長が非常に楽しみな状況になっている。
また、50kmから種目が変更され、今回から実施される35kmについても、川野(将虎)くんは、昨年のオリンピック(50km6位)の結果からも、またスピード力やレースの対応力からも非常に期待ができる印象がある。それに加えて、新たに松永(大介)くんも20kmから距離を伸ばして35kmに挑むことになった。国際レースは今回が初めてとなるので、展開はまだ読めない面もあるが、彼のアグレッシブなレース展開に期待したい。このほか、35kmに出場する野田(明宏)くんに関しては、前回大会は50kmで出場した。今回は、距離が短くなったことでスピード力が求められるので、技術面に配慮しながら彼らしい後半の粘りを期待しながら、レースを見守っていける状況かなと考えている。
今回で4回目の世界選手権となる20kmの高橋(英輝)くんも、戦える力は十分に持っている。目標としている入賞を果たし、自分の思いをぶつけられるレースにしてほしい。また、20kmで初の代表入りとなった住所(大翔)くんに関しては、昨年、ワールドユニバーシティゲームズ(旧称:ユニバーシアード)の代表となったものの新型コロナウイルス感染症の影響で大会が1年延期となり、今年も再び延期になるという経緯があったなかで、世界選手権の代表に選出された選手。学生らしいフレッシュな気持ちで、挑戦することを忘れずに、オレゴンに向けて準備してほしいと思っている。
女子に関しては、ドーハ(20km)で先着した岡田(久美子)さんは、競技環境やチームが変わったが、そのなかで自分の取り組むべきことをやりつつ、しっかりと準備できている。世界チーム競歩選手権で結果を残している藤井(菜々子)さんと2人で、前回大会同様に入賞を目標としながら、記録やメダルを意識しながら入賞に近づいてくれればと思っている。
また、女子35kmで代表となった園田(世玲奈)さんは、初めての海外でのレースで、渡航自体も初めてと「初めて尽くし」となる。不安もあると思うが、国内での戦績を見ても、3月の能美大会における20kmの自己記録、そして4月の日本選手権を制した際の35kmでの国内最高記録、さらに5月の中部実業団においても10000mでも自己記録を更新するなど、今季は著しい成長を見せている。幅広い種目で自己記録を更新しているその勢いを、大事にしながら、入賞圏内で戦える準備ができているのではないかと受け止めている。
オレゴン世界選手権での目標成績としては、前回大会に出場している選手に関しては、それぞれに、そのときの成績を1つの最低ラインや目標にしているとみているし、我々としても前回大会のメダルの数や入賞数を踏まえながら準備をしている状態である。
「涼しい場所」と言われていたオレゴンも、実はそういう状況ではなさそうということで、暑さというところでは我々のアドバンテージになるとみているが、一方で、開催地がアメリカという非常に時差のある場所なので、時差への対応力については少し心配もある。そういう点では、今、結果についての具体的な数値目標を挙げるというよりは、できるところをしっかり準備しつつ、各選手の身体の反応をみながら調整していくなかで、達成できる目標をしっかり出していくことが大事。まずは、各国のエントリーが出揃った段階で、状況をしっかり判断しながら、レースに向けて挑戦していこうと考えている。

※コメントは、代表共同取材における各氏の発言をまとめました。より明確に伝えることを目的として、一部、修正、編集、補足説明を施しています。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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