【UFC】アデサニヤ、5度目のミドル級タイトル防衛なるか? ボルカノフスキーとホロウェイの再々戦!

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【Zuffa LLC/UFC】

現地6月28日(火)にスタートしたインターナショナルファイトウイークを締めくくるのは2大タイトルマッチが組まれたUFC 276:アデサニヤ vs. キャノニアだ。ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナで行われるUFC 276で、ミドル級王者のイズラエル・アデサニヤがタイトル防衛に挑む。

アデサニヤが対戦するジャレッド・キャノニアはヘビー級やライトヘビー級での戦歴があり、2018年にミドル級デビューを果たしてから5勝1敗をマークしてきた。

セミメインイベントではUFC史上でも最高クラスの2人のフェザー級ファイター、チャンピオンのアレキサンダー・ボルカノフスキーとマックス・ホロウェイが激突する。

1年に1度の祭典、インターナショナルファイトウイークで、頭角を現しつつある新星たちやUFCのベテラン勢が火花を散らす。

日本時間7月3日(日)開催予定のUFC 276は、7時開始予定のアーリープレリムと9時開始のプレリムをYouTube公式チャンネルでライブ配信するほか、アメリカ時間29日(水)から割引キャンペーンをスタートするUFC Fight Passではアーリープレリムからメインカードまで全試合をライブ配信する。また、11時に始まるメインカードは『WOWOW』でも生中継される予定だ。

イズラエル・アデサニヤ、5度目のミドル級タイトル防衛なるか

ミドル級王者のイズラエル・アデサニヤは2018年2月にUFCでのキャリアを開始したときから、この競技でも最も強いストライカーの一人としてその名を轟かせてきた。このディビジョンのトップコンテンダーたちを追い抜き、元王者のロバート・ウィテカーと現ランキング3位のマービン・ヴェットーリの両者を2度倒しているアデサニヤは、ランキングを駆け上がってコンテンダーとなり、自身が持つベルトに挑戦してくる者を待っていた。

その者こそ、2連勝の波にのって初のタイトル戦に望むナンバー2コンテンダー、ジャレッド・キャノニアだ。フィジカルの強さとノックアウトの能力で知られるキャノニアのパワーには、ヘビー級で過ごした経験が生かされている。キャノニアはかつて、計量で241パウンドを記録していた。

アデサニヤの対戦相手たちは“ザ・ラスト・スタイルベンダー“がミスを犯すのを待つ中で同じような罠にはまっている。アデサニヤの動きの一貫性と効果的なカウンターはむしろ、相手ファイターたちを凡庸なパフォーマンスへと追い込んできた。最も顕著なものとしては、パウロ・コスタ戦でのアデサニヤは2ラウンドにわたって相手からダメージを受けることなく繰り返しターゲットを捉えており、最後には自身のストライキングがコスタの手にはあまるものであることを証明している。

両ファイターとも、それぞれの目標を胸にこの試合にやってくる。キャノニアにとって今回の試合は、NFLキャリアで初めてのタイトルを獲得し、2019年にウィテカーとの王座統一戦に勝ってから無敗だったアデサニヤを初めて王座から引きずりおろした選手になるチャンスだ。

アデサニヤにはミドル級の歴代ノックダウン数において、アンデウソン・シウバの記録に匹敵、もしくはそれを上回るチャンスがある。現時点で、アデサニヤの記録は“ザ・スパイダー“ことシウバの持つ記録である12回より1回少ない。また、ミドル級における連勝数においてはシウバより2勝少ない状態だ。

ボルカノフスキーとホロウェイの再々戦

フェザー級のベストファイター2人が3年間で3度目の対決に挑む。アレキサンダー・ボルカノフスキーとマックス・ホロウェイが最初に拳を合わせたのは2019年のUFC 245:ウスマン vs. コビントンだった。当時、チャンピオンだったホロウェイはUFCレジェンドのジョゼ・アルドに対する2勝を含め、3度のタイトル防衛戦を制していた。

ボルカノフスキーは他のホロウェイの対戦相手たちがほぼ6年にわたって成し得なかったことを果たした。ホロウェイを王座から追い出したのだ。ジャッジのスコアカードではボルカノフスキーがストライキングでわずかにアドバンテージを有しており、初めてのUFCタイトルにつながった。

ディビジョン内で次々に勝ち上がり、何年もの間にトップコンテンダーたちを倒してきたホロウェイは、7カ月後に実力にふさわしいリマッチの機会を得ている。最初の対決がこれ以上ないくらいの接戦だったと考えていたなら、それは間違いだ。最初の10分でストライキングの数字はほぼイーブンであり、41対40でボルカノフスキーが勝っている状況だった。

試合の中盤、ボルカノフスキーは自分のリズムをつかみ始める。手数は増え、より大きなダメージを入れ始めた。とは言え、25分にわたってどちらのファイターも退かず、最後には“ザ・グレート“ことボルカノフスキーがスプリット判定で勝利を収めている。

UFC 276はボルカノフスキーにとって自分を疑う者に力を証明し、史上最高のフェザー級ファイターであることを示すチャンスだ。一方、ホロウェイはリベンジを果たし、輝かしいキャリアで2度目となるフェザー級戴冠を目指している。

UFC史上最多勝利なるか

ありそうもない経緯を経て、UFCの人気ファイターであるジム・ミラーとドナルド・セラーニがUFC 276のウェルター級マッチで対峙する。ミラーとセラーニの双方が、3週間の間隔をあけて2つの別々の対戦カードに組まれていたのは、つい先日のことだ。

当初ミラーがUFC 276で戦うことになっていたボビー・グリーンは、試合から除外されている。その1週間前、UFCファイトナイト・オースティン:ケーター vs. エメットでセラーニが対戦する予定だったジョー・ローゾンは、膝の負傷によって試合当日の朝に出場不可となった。セラーニとローゾンの試合が取りやめになるのはこれが初めてではなく、もともとは5月にUFC 274で試合をする予定だったのが、このときはセラーニの体調不良でキャンセルされている。

UFC会長のデイナ・ホワイトはセラーニ vs. ローゾンの3度目のお膳立てをするという考えを捨て、“カウボーイ”ことセラーニとミラーの再戦をUFC 276に設定した。ミラーは2014年にセラーニに敗れている。キャリアの大部分をUFCライト級で過ごしてきた2人だが、UFC 276ではウェルター級での対戦に合意した。

しかしながら、この試合が人々を一番惹きつけるのは、そこに懸かっているものの大きさだ。両者ともUFCでの白星においてアンドレイ・アルロフスキーに並ぶトップタイの23回を記録している。ノーコンテストかドローにならなければ、2人のうちのいずれかが、UFC最多勝利を記録して帰路につくことになる。

ショーン・オマリーがトップ10ファイターと初対戦

ショーン・オマリーはUFCで7勝1敗、フィニッシュ5回を記録しながらも、5年のUFCキャリアを通じてトップ10のファイターとは対戦していない。その中でボーナスを6度獲得しているオマリーは、機をうかがってきた。そして今、UFC 267でのペドロ・ムニョスとの対戦によって、このディビジョンの支配層に割って入る準備は整っていると感じている。

現在ランキング10位のコンテンダーであるムニョスは、過去5戦中一試合でしか勝利していない。しかし、その対戦相手に含まれていたのは、UFCバンタム級でも最も実績のある選手のうちの3人であるアルジャメイン・スターリング、ドミニク・クルーズ、ジョゼ・アルドらだ。

スタイル的な部分から、ムニョスはオマリーにとってこれまでで最大の対戦相手になるだろう。ムニョスはレスリングとグラップリングの経験が豊富であり、グラウンドに持ち込むことができれば――これまでにあまり見られなかった光景だが――それが結果に大きな影響をもたらすかもしれない。

いつものように、オマリーはリーチの部分でかなりのアドバンテージを持っている。多様かつ致死的な足技を持つ選手であり、スタンドでのバトルが長くなれば“ザ・ヤング・パニッシャー”ことムニョスにとって問題になる可能性がある。

今回の試合で勝てば、オマリーはバンタム級のトップ10に上がり、タイトルに向けた道をさらに歩んでいくだろう。

ミドル級ナンバー1コンテンダー候補の登場

UFC 276のメインカードではランキング4位のショーン・ストリックランドが新星アレックス・ペレイラと対戦する。ストリックランドは6連勝の波に乗っており、ユライア・ホールやジャック・ハーマンソンといったトップ10のファイターも下してきた。

現在のUFCにいる選手で最も腕の立つボクサーの一人であるストリックランドは、アデサニヤがまだ戦ったことのないミドル級のトップ選手の一人でもある。だからこそ、ストリックランドとアデサニヤがUFC 276でそれぞれ勝てば、いずれこの2人がオクタゴンに並び立つ日がくるかもしれない。

一方のペレイラとしては、UFCキャリアわずか3戦でランク入りファイターを1人倒しても、タイトル戦にはたどり着きそうにない。しかしながら、レアな例として、先月にキャリア3戦目でタイトルファイトにたどり着いた選手がいる。イリー・プロハースカだ。

したがって、最近の状況を見て、そして特に、キックボクシングのキャリアにおいて交差していた現チャンピオンとペレイラの過去を踏まえれば、タイトル戦も決してあり得ないことではない。対戦相手のレベルを大きく上げたことで、ペレイラにとっては今回勝利すればタイトル戦が見えてくるだろう。印象的な勝利を挙げれば、実際にチャンスをつかめるかもしれない。
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