【ホクレンDC レポート&コメント】世界陸上チャレンジレースで田中希実が日本新記録更新! 好記録、好レースが連発の20周年記念大会
【フォート・キシモト】
この大会では、オレゴン世界選手権資格記録有効期限となる6月26日を目前に、「オレゴン2022世界選手権チャレンジレース」の位置づけで、男女中長距離10種目が実施され、各種目でターゲットタイムやペースメーカーを設定。出場選手たちは、参加標準記録の突破や、ワールドアスレティックス(WA)ワールドランキングのターゲットナンバー(出場枠)内への浮上を目指して、「ラストチャンス」に挑みました。
【フォート・キシモト】
女子1000mで田中が自身の日本記録を更新!
75分後の1500mではペースメーカーも
1000mは、800mのシミラーイベント(ワールドランキングの集計対象となる種目)に位置づけられています。レースに臨む段階で、WAワールドランキングで、800mのターゲットナンバー(48)圏内に近い位置にいた田中選手は、今回の結果により、3種目めとなる800mのランキングがどうなるか、さらに注視したい状況となってきました(田中選手の新記録樹立コメントは、別記ご参照ください)。
なお、田中選手は、1000mの75分後に行われた1500mにはペースメーカーとして出場。400mを65秒8、800mを2分13秒7で通過して、1100mまでレースを先導し、長年のトレーニングパートナーである後藤夢選手(豊田自動織機)をアシスト。4分12秒12での優勝をアシストしています。
【フォート・キシモト】
萩谷、10000mでの標準記録突破ならずも
2回目のレースも31分台
【フォート・キシモト】
男子1500mでは荒井が日本歴代3位の好走
男子800mが金子が競り合いを制す
【フォート・キシモト】
【フォート・キシモト】
【新記録樹立者コメント】
田中希実(豊田自動織機)
優勝 2分37秒33 =日本新記録
(今回、日本新を出せるという)自信があったわけではないが、もっといい記録を狙っていかなければならないとは思っていた。1000mは特殊種目なので、世界でもそう多く実施されているわけではないが、シファン・ハッサン選手(オランダ、東京オリンピック5000m・10000m金メダル、1500m銅メダル)やオーストラリアの自分と同じくらいの力の選手たちも、1000mはだいたい2分35秒以内では走っている。自分もそれくらいのタイムでは、いつでも走りたいなと考えていた。
1〜2周目を今までで一番速い入りができたことは収穫だったが、そこまでで余裕が持てていなかったために、ラストで脚が止まってしまった。それが今後の課題といえる。ペースメーカーの方が600mあたりまでついてくださるということで、そこからラスト1周を、いかにペースを落とさずに走りきれるか(がテーマ)だったのだが、ラップが落ちてしまった。ただ、勝負を意識していた日本選手権も含めて、「速く入る」レースを今年はあまりやってきていなかったこともあり、今日の1000mで、世界(レベルの)の1500mの入りに近いペースを、今季初めて経験することができた。それは(世界選手権での)1500mへのイメージに直結すると思っている。
世界陸上は、現時点で1500mと5000mでの出場が決まっているので、この2種目に出ていくつもりで準備をしていく。まだ1500mも5000mも力が中途半端だと感じている状態。これから、ホクレン(ディスタンスチャレンジ)を最大限に活用して、5000mにつながる3000mとか、1500mとか、レースを使って力を上げていこうと思っている。800mについては、今回のレースで、ワールドランキングが(800mにおけるターゲットナンバー内の)48位以内に入ってくると思うが、このあとヨーロッパなどで行われるレースで順位はまた動くので、(800mでも世界選手権出場が可能となるかどうかは)あとは待つしかない状態。ただ、今日で、やれるだけのことはやりきった。この取り組みは、また来年の800mのチャレンジにもつながってくるので、今日走って良かったと思う。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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