全国各地にいるボートレーサー その道筋の一端に迫る

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ボートレーサーの出身地は全国各地に及ぶ。レーサーになったきっかけや道筋と地域の文化を追ってみた。

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参戦メンバー最年少の中山将太(26歳)は富山県高岡市の高岡工芸高校の出身。創立明治27年、伝統校だ。
その高岡市は銅器・漆器”が有名。また、“高岡御車山祭”をはじめ“高岡七夕まつり”や“伏木曳山祭”で知られる歴史の香り残る土地である。
そんな高岡市で小学校から高校までサッカーに熱中したスポーツマンは競い合うことが大好き。「父に三国ボートに連れてきてもらっていました。幼心にレーサーがカッコよくって…」と話す。父もボートレースが大好きだった。
憧れの職業を目指し養成所を受験したのは高校卒業後。
2回目の受験で合格している。
しかし、親子の念願がカタチになる直前、1年間の養成修了前に父親がガンで亡くなってしまう。
父のことが大好きだった青年に代えがたい深い悲しみが襲ったのである。
…だからこそ想う。
「プロのレーサーになってきっと喜んでくれている!」と。
その想いは昨年2月の戸田でひとつのカタチになった。初優勝を飾ったのである。
これからは中身あるレースで実績を積んでいくのみ。その過程にA1初昇格もあるだろう。
ボートレース甲子園はその試金石となる大会だ。

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続いて、鹿島敏弘は青森県出身。
高校卒業後、福岡市内の学校に進学。ボートレースに遭遇したことがプロレーサーになったきっかけ。「実際に見なければ味わえない臨場感…」が心の奥底にひそんでいた闘志に火をつけたのだ。
「青森という文字に敏感に反応してしまう」と発言したこともある郷土愛に満ちたレーサーは、青森県八戸市の出身。“せんべい汁”や“南部せんべい”などの名産品のほか、色彩豊かに飾られた山車を繰り出す「八戸三社大祭」で有名な地である。
ボートレース甲子園4大会連続出場の“大会の主”が健闘を誓っている。

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同じく4大会連続出場者に前川守嗣もいる。沖縄県出身である。
これまで沖縄出身レーサーは少なかったが、ここにきて上原健次郎のほか、冨名腰桃奈、中尾彩香・中尾優香・神里琴音など若手の後輩が増えている。当然、その背中を見られ追いかけられる存在だ。うかうかしてはいられない。沖縄の方言になぞらえれば、先輩は「ちゅーばー」(強い・強いこと)でなければならない。健闘の意志に満ちていることだろう。

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また、甲子園といえば、野球をイメージする方も多いと思うがボートレーサーには野球経験者も多い。
有名なのが本大会にも出場している長野県茅野市出身の飯山泰だ。
茅野市は、諏訪盆地の中央に位置し諏訪湖が近い。七年に一度の天下の大祭「御柱祭」は世界的に有名である。今年は大祭執行の年。6月に終わったばかりだ。

ごく当たり前の野球少年だった飯山泰は、高校野球の名門・東海大附属第三高校(今の東海大付属諏訪高校)に入る。
当然、レギュラーで甲子園に出場することが目標だったが、「入部早々、監督からマネージャーをやる者はいないかという問いかけがあったんです。自分は身体も小さかったし、みんなプレーヤーを目指しているだろうから僕が裏方をやろうと決断しました」という。
「ノックをはじめ、お茶汲みやスコア付けなどを担当することで、助け合うことや協調性、皆がひとつになることの大切さを学んだ」のだ。
スタンドプレーのない実直な人柄は、茅野の大自然と家族や仲間たち、そして野球が育んでくれたといっていい。

63キロあった体重をひたすらランニングすることで減量しプロになった飯山泰…。
「自分はファンのためにレースをしていると思っています。飯山はこういうレースをする、というイメージや予想通りに走りたい」と語る考えにブレはない。


「人に歴史あり」というが、誰にも出会いや思い出があり道程がある。それは千差万別。
ボートレーサーの個性や特徴、これまでの道のりを知りながら観戦するレースはファンの心を今まで以上に惹きつけるだろう。
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