「頂点を、つかむ。」。 マリーンズ戦記 6月18日 ファイターズ戦 3対1 Aクラス浮上

千葉ロッテマリーンズ
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【2022年千葉ロッテマリーンズ チームスローガン】

 信じていた。誰も下を向くことはなかった。借金は最大で9を記録した。それでも前を向いて戦ってきた。そして6月18日。北の大地でのファイターズ戦に勝利をするとチームはライオンズと並んで同率3位に浮上した。試合後、選手たちはベンチを飛び出し、応援をしてくれたライトスタンドのファンに深々と頭を下げた。

 「いい連打。しっかりと繋がった」。試合後、井口資仁監督はフッと深呼吸をすると満足げに試合を振り返った。
 
 「いい集中力を保って昨日の八回、九回のような形を今日は初回から出していこう」。試合前、指揮官は選手たちに試合終盤に4点差を逆転した前夜のような攻撃を継続して行うことを求めた。初回、二回はファイターズ先発の伊藤の前に無得点も三回にマリーンズ自慢のつながりを見せた。一死からエチェバリア、荻野が連打。二死後、好調のキャプテン中村奨吾が繋いで二死満塁で4番に打席が回ってきた。追い込まれながらも食らいついた。
 
 「もう追い込まれたのでストライクゾーンに来た球を打ち返そうという気持ちだけでした」と山口はその場面を振り返る。
 
 ストレート、変化球と決め球を作らずにゾーンに来たボールを打ち返すというシンプルな考えでバットを構えた。少し低めのスライダーをコンパクトスイング。奇麗に左前に運ぶと2人が生還。一塁ベース上で何度も手を叩いて喜んだ。1点を返された直後の五回にも中村奨吾が三塁線を抜ける適時二塁。これが猛打賞。試合の主導権を渡すことなく、試合を進めていった。
 
 先発のロメロは5勝目。佐々木朗希、石川と3人目の5勝。先発ローテーションの安定感は抜群だ。「テンポ良くストライク先行。四球も少ない。こういうピッチングをすればどんどん白星は伸びる」と指揮官も助っ人左腕に全幅の信頼をする。
 
 この日から合流した藤原も好材料だ。スタメン出場すると、さっそく1安打。アウトになった打席もスイングは鋭く、見守った井口監督も「アウトになったけど、非常にいい打球もあった。打撃練習からもよかったし、見逃し方もよかった」と手ごたえを口にした。
 
 最大9あった借金は2となった。13・5ゲーム差あった首位とのゲーム差も6に縮まった。
 
「この2つを明日に生かしたい。まだ借金もある。まずはそれを返していきたいし、上も見えてきている」と指揮官はタクトを緩めず、さらに激しく振っていく決意を力強く口にした。

 花が咲き乱れ、鳥たちが気持ちよさそうに飛び交い、蝶が華麗に舞う北の大地は今まさに春から初夏に入ろうとしている。そしてマリーンズも冬を耐え忍び、気持ちのいい季節を迎えている。自分たちの野球を信じ、諦めず、高い集中力を保ったチームが大きく奇麗な花を咲かせようとしている。2022年のチームスローガンは「頂点を、つかむ。」。秋には最高の夢が現実となる。北の大地が耳元で、そう呟いてくれている。そんな感じがする北海道でのデーゲームだった。
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