「頂点を、つかむ。」。 マリーンズ戦記 6月17日 ファイターズ戦 7対4 試合に終盤にドラマが生まれた

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【2022年千葉ロッテマリーンズ チームスローガン】

 最後まで誰も諦めていなかった。七回までわずか2安打の無得点も八回、九回で7安打、7得点。繋いで、繋いで、繋いで、走ってガムシャラに攻撃を繰り返した。結果、北の大地のファイターズ戦で劇的な逆転勝利が生まれた。井口資仁監督は3者連続で代走を送る執念のタクトを振るった。ベンチの勝利への執念に選手たちは応えた。足を絡めて同点に追いつくと最後はキャプテン中村奨吾が決めた。魂の打球が左中間に飛ぶ。ファイターズの外野手たちが追いかける。左翼がジャンピングキャッチを試みるが白球がグランドで跳ねた。左中間を抜ける勝ち越しの二塁打。走者3人がホームに還った。

 「八回、九回とみんないい集中力でやってくれた」

 試合後の井口資仁監督はベンチ前で嬉しそうに頼もしき選手たちを労い、勝利のハイタッチを重ねた。

 「ランナーが出ても盗塁死とけん制死。なかなかランナーを序盤に動かせなかった。そんな中、みんながチーム一つとなって逆転した」と指揮官は苦しかったゲームを振り返った。

 レギュラーシーズン再開後の初戦。序盤はどこか、ぎこちない野球が続いた。ファイターズ先発の上沢の前に七回まで、わずか2安打。走者が出ても盗塁死に牽制死、ライナーゲッツ―と嫌な流れが漂っていた。そんな中、三塁側ベンチは全員で突破口を探っていた。

 勝利のチャンスは相手の継投から生まれた。好投の先発投手が交代。一瞬の流れの変化に攻勢をかけた。八回はベテランの荻野の2点適時二塁打で迫ると最終回は安田が高めのストレートをレフト前に落とすタイムリーで1点差。さらに一塁走者岡が二盗をする間に三走の和田が果敢にホームに突っ込み、同点に追いついた。安田が「気迫です」と言えば、走った和田も「1点を掴みとる気持ち。ただそれだけでした」と汗をぬぐいながら、まくしたてるように話をした。

 札幌のミラクル勝利は序章に過ぎない。ここから頂点に向けていよいよ勢いを加速させる。これで4位に浮上。3位のライオンズとも1ゲーム差。首位のイーグルスとも6・5ゲーム差だ。

 「また明日。明日は序盤からしっかりと得点していきたい」と指揮官は勝って兜の緒を締めた。まだ肌寒さの残る北の大地に最後まで諦めない気持ちを持つ戦士たちの熱気がバックヤードには充満していた。戦う戦士たちは激闘の後、晴れやかな笑顔を見せた。
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