今年は大物誕生の順番!? 3歳ダート重賞・ユニコーンSを占う
人気別成績
勝利数別成績
前走着順別成績
数字がいいのは前走2着と前走4着で、いずれも勝率20%以上、複勝率40%以上を記録。また、前走3着も単複の回収率が100%以上と優秀だ。これらを合算した前走2〜4着馬は【6.4.3.22】、勝率17.1%、複勝率37.1%、単勝回収率124%、複勝回収率150%の好成績で、該当馬がいれば注目する価値がある。
しかし、前走5着以下は合算して【1.1.1.42】と苦しい。しかも、前走5着以下から好走した3頭のうち、前走も国内ダートだったのは21年2着のサヴァだけ。あとの2頭は、13年3着のケイアイレオーネが前走UAEダービー10着、19年1着のワイドファラオが前走NHKマイルC9着と、海外や芝からの転戦だった。巻き返しを狙うとすれば条件が激変する馬、という考えも成立するかもしれない。
前走1着馬に限った前走クラス別成績
対して、前走オープン特別(リステッド競走を含む)や地方交流重賞、あるいは海外戦で1着だった馬は、合わせて【2.5.2.12】、勝率9.5%、複勝率42.9%、単勝回収率31%、複勝回収率64%。人気になりやすい様子もうかがえ、2着の多さにも注意したいところだが、堅実に走っているのは間違いない。
前走2〜4着馬に限った前走人気別成績
前走距離との比較
1600m実績別成績(中央のみ)
まずは「1600m出走あり」の馬から。当然ではあるのだが、ユニコーンSと同じ1600mで1着の実績を持つ馬のほうが、持たない馬より高い好走率を記録。過去10年、初ダートで好走した唯一の馬である19年1着のワイドファラオも、芝1600mでニュージーランドT勝ちを含む【2.2.0.0】の良績を収めていたように、芝でもいいからなるべくマイル実績を有しておきたい。
一方、「1600m出走なし」の場合は、1700m以上の出走歴があるかどうかをチェックしたい。表7の通り、1600m未出走で好走した6頭には、すべて1700m以上の出走歴があった。しかし、1600m未出走かつ1700m以上にも出走したことがなかった16頭はすべて凡走に終わっている。ユニコーンSは、思った以上に距離経験が重要なレースと言えそうだ。
【結論】
表3の項で前走2〜4着馬の好走率が高いというデータを確認した。今年の該当馬は2頭だけで、いずれも青竜Sを使ったバトルクライ(前走3着)とヴァルツァーシャル(前走4着)。データ的には、ダート1600mで1着の実績があり、前走2〜4着の場合に好走率が高い前走1〜4番人気にも当てはまるヴァルツァーシャルがより有望そうだ。
前走1着馬は8頭いて、そのうち前走クラスがオープンだったのは青竜S1着のハセドンと端午S1着のリメイク。この両馬では、1600mの青竜Sを勝って距離実績のあるハセドンのほうが狙いやすそう。一方、リメイクは出走馬で唯一の4勝馬ではあるものの、過去6戦がすべて1400mで距離経験を持たないことは看過できない。
残りの前走1着馬は1勝クラスを勝ってきた馬だが、このパターンが苦戦しているのは表4の項で確認した通り。ただし、当日1〜3番人気に推された前走1着馬の好走率が高いことにも触れており、この場合は前走1勝クラスでも【1.0.1.1】と結果を出している。1600mを勝ってきたジュタロウ、ビヨンドザファザー、ロードジャスティスが当日人気になるようならマークはしておきたい。イグザルト、テーオーステルス、レッドゲイルは、やはり距離経験が1400mまでという点が気にかかる。
ほかに、前走海外戦のコンバスチョンとセキフウ、前走芝のインダストリア、タイセイディバイン、ティーガーデンの計5頭は、前走5着以下でも巻き返しがありうるパターン。海外帰りの場合は体調、前走芝の場合はダート適性に未知数なところもあるが、同コースのヒヤシンスS(リステッド競走)を制しているコンバスチョンは軽視できない存在だろう。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ