【記録と数字で楽しむ第106回日本選手権】女子5000m:熾烈なオレゴン行きの切符争い。14分台の廣中、萩谷、田中、続く木村、佐藤。日本選手権史上初の14分台にも期待

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【フォート・キシモト】

6月9日〜12日に大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる「第106回日本選手権」の見どころや楽しみ方を『記録と数字』の視点から紹介する。

【女子5000m】

・決勝/6月12日 17:35

熾烈なオレゴン行きの切符争い。14分台の廣中、萩谷、田中、続く木村、佐藤。日本選手権史上初の14分台にも期待

■主な記録一覧(2022年6月8日現在)
・世界記録 14分06秒62
・アジア記録 14分28秒09
・日本記録 14分52秒84
・U20日本記録 15分05秒40
・学生記録
・日本人学生最高 15分13秒09
15分17秒53
・大会記録 15分05秒07
・今季世界最高 14分12秒98
・今季アジア最高 14分45秒69
・今季日本最高 15分23秒30
・‘22オレゴン世界選手権参加標準記録 15分10秒0
オレゴン世界選手権参加標準記録は昨年中に5人が突破済。記録順に14分52秒84の廣中璃梨佳(JP日本郵政G)、14分59秒36の萩谷楓(エディオン)、14分59秒93の田中希実(豊田自動織機)、15分02秒48の木村友香(資生堂)、15分08秒72の佐藤早也伽(積水化学)の5人だ。この5人は3位以内に入れば、世界選手権代表に内定するため、必ずしも記録を狙う必要はない。

順位の確保に徹すると、好記録は望めなくなるが、大会記録更新、日本選手権史上初の14分台、日本記録更新にも果敢にチャレンジしてほしい。10000m代表に内定している五島莉乃(資生堂)や今季日本最高で走っている山本有真(名城大)らがこの種目で代表入りを果たすためには、順位+標準記録突破が必要となる。15分10秒切りを狙う走りを見せるか。山本は参加標準突破と併せて、学生記録更新もターゲットとなる。


■過去10年の優勝者(所属は当時のもの)
年 記録 選手 所属 優勝回数
2012年 15分17秒92 新谷仁美 ユニバーサル 初
2013年 15分21秒73 尾西美咲 積水化学 初
2014年 15分32秒74 尾西美咲 積水化学 2回目
2015年 15分18秒77 尾西美咲 積水化学 3回目
2016年 15分19秒37 尾西美咲 積水化学 4回目
2017年 15分19秒87 鍋島莉奈 JP日本郵政G 初
2018年 15分30秒93 鍋島莉奈 JP日本郵政G 2回目
2019年 15分22秒53 木村友香 資生堂 初
2020年 15分05秒65 田中希実 豊田自動織機TC 初
2021年 15分05秒69 廣中璃梨佳 JP日本郵政G 初
尾西の4連覇、鍋島の連覇以降は、若手の成長が著しく、群雄割拠の様相。1999年生まれの田中、2000年生まれの廣中、萩谷が中心となるハイレベルなレースが一昨年、昨年と続いた。


■資格記録順(資格記録有効期間2021年1月1日〜2022年5月22日)
資格記録 選手 所属 自己記録
14分52秒84 廣中璃梨佳 JP日本郵政G 14分52秒84
14分59秒36 萩谷楓 エディオン 14分59秒36
14分59秒93 田中希実 豊田自動織機 14分59秒93
15分02秒48 木村友香 資生堂 15分02秒48
15分08秒72 佐藤早也伽 積水化学 15分08秒72
15分19秒58 五島莉乃 資生堂 15分19秒58
15分21秒42 森智香子 積水化学 15分21秒42
15分23秒30 山本有真 名城大 15分23秒30
15分27秒13 川口桃佳 豊田自動織機 15分24秒24
上位7人の記録は全て2021年に出されたもの。日本新を出した廣中を筆頭に萩谷、田中が14分台。同一年で日本人3人以上が14分台をマークしたのは史上初。同一年で日本人4人以上が15分05秒未満で走ったのも史上初。同一年で日本人5人以上が15分10秒未満で走ったのは2020年に次いで2度目。過去一のハイレベルな一年であり、ハイレベルの中心となった選手が今大会に挙って出場する。


■2022年記録順(2022年6月8日現在)
記録 選手 所属
15分23秒30 山本有真 名城大
15分23秒87 田中希実 豊田自動織機
15分29秒78 川口桃佳 豊田自動織機
15分30秒80 五島莉乃 資生堂
今季リストトップは、ゴールデンゲームズinのべおかで日本人学生歴代4位、東海学生新の15分23秒30をマークした山本。山本の記録は学生記録まであと10秒21、日本人学生最高まであと5秒77の好記録。昨年14分台で走っている田中と萩谷は、織田記念で出した15分23秒87と15分38秒67が今季自己最高で、廣中は今季5000mの出場はない。



■資格記録上位選手の日本選手権5000m入賞歴

【JAAF】

3年連続3位以内の廣中、4年連続入賞の田中、2年連続上位入賞の萩谷。実績を見ても、この3人がやはり今大会の「3強」と言えよう。


■日本選手権決勝における「順位別最高記録」
順位 記録 年
1位 15分05秒07 2004年
2位 15分07秒11 2020年
3位 15分16秒27 2008年
4位 15分19秒29 2008年
5位 15分21秒12 2008年
6位 15分24秒61 2020年
7位 15分25秒14 2020年
8位 15分28秒55 2004年
1位から8位までレベルの高い記録が並んでいるが、今大会の実力拮抗のメンバーを見れば、レース展開次第で全て更新されたとしてもおかしくはない。

なお、2004年、2008年、2020年の記録が8位までの順位別最高記録を占めているが、この3大会がいかにレベルが高かったかは、次の「日本選手権において日本人複数選手が15分20秒以内を出したレース」をまとめた一覧からも分かる。

3人以上が15分20秒以内で走ったのは2004年が初。4人以上が15分20秒以内で走ったのは2008年が初。日本人2人が15分10秒以内で走ったのは2020年が初。これら3大会を上回る好レースを期待したい。


■日本選手権において日本人複数選手が15分20秒以内を出したレース一覧
年 順位 記録 選手
1995年 1位 15分14秒77 八嶋あつみ
  2位 15分17秒53 木村泰子
2003年 1位 15分12秒76 小崎まり
  2位 15分15秒16 小鳥田貴子
2004年 1位 15分05秒07 福士加代子
  2位 15分14秒98 小崎まり
  3位 15分18秒88 橋本歩
2008年 1位 15分11秒97 小林祐梨子
  2位 15分13秒96 赤羽有紀子
  3位 15分16秒27 福士加代子
  4位 15分19秒29 渋井陽子
2020年 1位 15分05秒65 田中希実
  2位 15分07秒11 廣中璃梨佳
  3位 15分19秒41 萩谷楓



JAAFメディアチーム

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