東芝ブレイブルーパス東京リーグワン初年度の戦い(9:最終回)

東芝ブレイブルーパス東京
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【東芝ブレイブルーパス東京】

ジャパンラグビー リーグワン初年度に挑んだ東芝ブレイブルーパス東京はリーグ戦を11勝5敗(勝点53)で終えて4位を確保しプレーオフトーナメントに進出。プレーオフでは準決勝vs東京SGに24‐30で敗れて3位決定戦に回り、そこで戦ったvsクボタSにも15‐23で敗れて、最終成績を4位で終えることとなった。今シーズン最終戦となった3位決定戦後と6月4日(土)に開催されたファンクラブ会員向けの「シーズン報告会」での選手とトッド・ブラックアダーHCのコメントを中心に、この連載の最終回としてお届けします。

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トッド・ブラックアダーHCは3位決定戦を終えて「当然この試合も勝ちたいと臨んでいましたし、若手に経験を与えながら勝ちたいと思っていました。若手のメンバーを使ってでもしっかり勝てると思っていましたし、このチームには準決勝、決勝を経験したことがある選手は5人しかいませんでした。今回この3位決定戦を経験できたことで貴重な経験をした選手が増えたと思っています。常に勝ちたい気持ちで望んでいますが、今日はエクスキュ―ションの部分は残念に思っています。」と試合後に話をした。

一方では来シーズンに向けて「この3シーズンでかなり成長できたと手ごたえは感じています。コーチ陣、選手自身も楽しめるようなラグビーをしたいとハードワークしてここまで来ました。シーズンを振り返ると素晴らしいラグビーができたと思っています。ただし直近の2週間を振り返ると、大事な瞬間にスキルを実行できるかが大事だと教訓になっています。この学びを活かして次回チャンスがあった時は、プレッシャーの中で実行できるようにしたいと思います。信念を持って自分たちのことを信じてこれていますし、良いメンバーが揃っていますのでさらに良くなると確信しています。」と話を続けてシーズンを総括した。

また、ニュージーランドへの帰国当日に開催されたシーズン報告会にも出席し「このチームをコーチすることは光栄であり、素晴らしい選手とスタッフが揃っています。選手自身そしてファンの皆さんが喜んでいただけるような素晴らしいラグビーがしたいと思っていますし、どんどん良くなっているのでこのシーズンは終わって欲しくないと思いました。ファンの皆さんもこのシーズンを通じてそう感じていただけたら光栄です。準決勝、3位決定戦が出来たのは良い経験となりたくさんのことを学ぶことができました。」と話をしている。

そしてメッセージとして「自分たちの目標は、次の世代の子供たちがラグビーをしたいという風に思えるようなインスピレーションを我々のラグビーを通じて与えたい。」という話もした。今シーズンを通じてトッド・ブラックアダーHCが作り上げた雰囲気を感じられる話であった。

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リーグワンアワードでベスト15の個人表彰を受けたジェイコブ・ピアス選手は「毎週毎週自分たちをトレーニングでプッシュして大きな進歩をすることができたと思います。ただ、試合に出場した選手だけでは無くて、試合に出場できなかったK9グループもハードワークしてくれました。そのおかげで正しい方向に行くことができている。」と話す。BL東京ではK9と呼ばれる試合登録メンバー外の選手がトレーニング時に次節対戦相手の役割を担いハードなトレーニングを全体で作り上げている点を称えた。

プレーオフ準決勝後にはトッド・ブラックアダーHCが森太志選手の先発起用を以下の理由で即決した。「先週非常に残念な結果があったため、まず彼をスタートさせたいと決めました。そうすることで先週の状況を克服してもらいたい気持ちがありました。スポーツではこういうことは起きます。森選手にもチームとして彼を信じていることを伝えたかったですし、チーム全員がミスをすることはあってもお互いを助け合うということが大事なことだと思っています。」

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森選手は3位決定戦の試合後に「(準決勝は)個人的なミスであのような形になってしまいましたが、チームとしてのシステムは間違っていませんでした。あれは僕の責任だと思っていて、やはり結果は自分のスキル不足だなと。(この1週間は)自分の感情は関係なく、もう一度チームメイトの信頼を取り戻したい一心でした。簡単な1週間ではなかったです。」と振り返った。

選手交代時に大きな拍手でスタンドから送られた点について「選手としての責任を果たせなかった僕に対して、チームメイトやメインスタンドのファンのみなさんから温かい拍手をいただけました。僕はそれがうれしくて。しかし心配をかけてしまったので、来シーズン心配をかけないように、準備をしっかりしていきたいと思っています。」と話をした。今シーズン、チームの一体感を作り上げてきたトッド・ブラックアダーHCを象徴するようなエピソードであったと思う。

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フロントローの中で奮闘した藤野選手は「前FWコーチの湯原さんが残してくれたものを土台として、今シーズンから加入したサム・ワードコーチが新しいシステムを組んでくださり、スクラムがどんどん成長していったと思います。来シーズンに向けてはより強く、より低くスクラムを組めるように、1人ひとりがタフな選手を目指して、日本で一番タフなPR集団になりたいと思います。」と来季への飛躍を誓う。

今シーズン初出場となった試合でPOMとなる活躍でインパクトを残した豊島選手は「個人的には中盤まで出番が無くて、メンバー外選手としての自分の役割を全うすることができて、出場機会をもらうまでの準備をしっかりできたと思います。6季ぶりのプレーオフということでそれまで自信を失っていたチームが試合を重ねるごとに自信を取り戻して、どこにも負けない『優勝できる』という感覚を持つことができたのは良かったと思います。」と総括する。

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最後にコメントをお届けするのは、3位決定戦の試合が100CAPsの達成記念試合となった三上選手。「結果はプレーオフに進出したチームの中で最下位にはなってしまいましたが、すごく勢いのあるチームだと思うので、今日良いプレーもありましたし、来年にもつながっていくのかなと思っています。今シーズンのBL東京はいろんな選手が試合に出て、出たらチャンスをつかんで良いプレーをして、というサイクルで良い流れをつかんできたと思うので、出られなくなっていた選手が最後にまた良いプレーをしてくれたのは、選手層という部分では全体的に良かったと思っています。そういった意味ではモチベーション云々ではなく、チャンスをつかんでやってやろうという雰囲気がすごく大きかったと思います。」と話をした。

シーズン中に成長する点について問われると「ここまで急な成長というのは経験上感じたことがなかったです。23人の決まったメンバーがいて、ケガで穴が開いたら代わりの選手が出る。そうなるとその選手にすごくプレッシャーがかかってあまり良いプレーができなかったという経験があるのですが、今シーズンはHCが試合で選出した選手がすごく良いプレーをするというサイクルが続いたので、結果的にプレーオフまで行けたのだと思います。」と、今シーズンのBL東京が終盤に向けてチーム力を上げてプレーオフに進出した要因をベテランならではの切り口で説明をした。

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シーズン序盤で結果がなかなか出ない中でも、常に“良くなっている”という話をしていたトッド・ブラックアダーHCの言葉を体現するように、前半戦4勝4敗だったチームが後半戦は7勝1敗という成績を残してリーグ戦で4位となり、プレーオフ進出を掴んだ。

プレーオフこそ惜しくも2連敗となってしまい、リーグ戦の成績通りの4位という結果で2022シーズンを終えることとなったが、チーム在籍の長いベテラン選手や主力を担う外国籍選手、そして成長著しい若手選手がしっかりと戦術面でも連携が取れてチームとしての成長を感じられるシーズンとなった。6月4日(土)の報告会を以て公式行事を終えたチームは、来シーズン更なる高みを目指すことをファンの皆さんに誓い、2022シーズンを終了した。

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※東芝ブレイブルーパス東京は、2022年3月よりSportsnaviでの公式情報配信を開始しました。4月に連載企画を開始した「ワーナー・ディアンズ2023ワールドカップへの挑戦」などを今後も継続して掲載して参ります。
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著者プロフィール

東芝ブレイブルーパス東京はジャパンラグビーリーグワン(Division1)に所属するラグビークラブです。日本代表のリーチマイケル選手や德永祥尭選手が在籍し日本ラグビーの強化に直接つなげることと同時に、東京都、府中市、調布市、三鷹市をホストエリアとして活動し、地域と共に歩み社会へ貢献し、日本ラグビーの更なる発展、価値向上に寄与して参ります。

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