【TEAM DIARY BY KAMAKURA INTER】#001 加藤雅樹 ー ダービーの存在がサッカーを続けることを決意させた

鎌倉インターナショナルFC
チーム・協会

【©bigshore】

 クラブ創設5年目のシーズンを戦う鎌倉インテル。今季はトップチームの鎌倉インターナショナルFCと、セカンドチームに当たる鎌倉インターナショナルSCがともに神奈川県リーグ2部に所属し、同ブロックを戦う。それぞれのチームにとって今季リーグ戦4試合目となる5月29日の一戦は、両チームが直接対決する「鎌倉インテルダービー」だ。

 クラブ史上初となる公式戦でのダービーマッチを前に、それぞれのチームのキーマンに話を聞いた。まずは、セカンドチームである鎌倉インターナショナルSCのキャプテンを務める加藤雅樹。

(文・本多辰成/スポーツライター)

ダービーの存在がサッカーを続けることを決意させた

昨シーズンはトップチームに所属した鎌倉高校出身の加藤雅樹 【Kazuki Okamoto (ONELIFE)】

 自前のホームグラウンドである「みんなの鳩サブレースタジアム(鳩スタ)」も完成し、なんとしても県リーグ1部への昇格を果たしたい5年目のシーズン。そのためにトップチームは活動日数を大幅に増やし、多くの新戦力も加入した。

 クラブが変化期を迎えたことでトップチームでの活動が難しくなり、今季はセカンドチームである鎌倉インターナショナルSCで戦うことになった選手たちも複数存在する。「鳩スタ」のある湘南深沢地区の出身で、クラブ創設1年目からプレーしてきた加藤雅樹もそのひとりだ。

「今年は大学を卒業するタイミングだったので、もともとサッカーを続けるか悩んでいました。そんななかで今シーズンはトップチームではプレーできないことになって、その時点で燃え尽きた感じがあったというか、いい区切りだなと。今年はもうサッカーを続ける選択肢はあまりありませんでした」

 鎌倉インターナショナルSCの石井久和監督からも「一緒にやらないか」と誘われたものの、あまり前向きな気持ちにはなれなかったという加藤。社会人サッカーを続ける意味を改めて確認するために他チームの練習に参加してみたりもしたが、心は晴れなかった。そんな心境に変化があったのは、新シーズンのブロック分けと試合日程が発表されたときだった。

「今年の3月頃、リーグ戦の組み合わせが発表されて、トップチームとセカンドチームが同じブロックに入っているのを見て気持ちが変わりました。一緒にやってきた選手たちと公式戦で試合をするという経験はこれまでありませんでしたし、こんなことがあるんだなと。4月から社会人生活が始まるタイミングでしたが、なんとかなるだろうと思って、すぐにチームに連絡して『今年もやりたいです』と伝えました」

 加藤が今シーズンも鎌倉インテルでサッカーを続けようと決意したのは、「ダービー」の存在があったからだった。

サッカー人生初のキャプテン、開幕3戦の結果に悔しさ

キャプテンとして鎌倉インターナショナルSCを率いる 【鎌倉インターナショナルFC】

 鎌倉インターナショナルSCでプレーすることを決めた加藤は、石井監督からキャプテンに指名された。これまでのサッカー人生でもキャプテンを務めた経験はなかったため最初は戸惑いもあったが、自分なりのスタイルでチームをまとめていこうと決心した。

「SCのメンバーは個性的な選手が多いので、チームをひとつにまとめるというよりはそれぞれの個性を最大限に発揮して勝てる可能性を最大にしようというスタンスです。そのためにはコミュニケーションが必要で、その部分をやってほしいということを監督から言われました。なので、チームを引っ張っるようなキャプテンではなくて、メンバーのコミュニケーションの仲介役のような役割を心がけています」

 クラブ創設初年度からチームに所属してきた加藤は、以前にもセカンドチームでプレーしたシーズンがあった。トップチーム、セカンドチームともに所属した経験があるため、当然、今年のセカンドチームにもよく知る選手は多い。もともと普段から誰とでもフランクにコミュニケーションを取るタイプであったこともあり、新チームのキャプテンとして適任だった。

 加藤がキャプテンを務める鎌倉インターナショナルSCは、開幕から3試合を戦い終えた。開幕節は横須賀マリンFCとスコアレスドロー、第2節ではFC AIVANCE横須賀シティに1対0で今季初勝利を飾ったが、続く第3節ではFCSCに2対3と敗れて1勝1分1敗という戦績となっている。

「ここまでの3試合を振り返ると、『全部の試合に勝てた』という悔しさがあります。普段であればできることが、公式戦では空回りしてできないところがあったり。相手がどうというより自分たちのサッカーがまだしっかりとできていない部分があると思いますし、まだまだこんなもんじゃないと思っています。それだけ可能性があるチームだと感じています」

「サッカーをやめてもいい」と思えるくらい全力を出し切りたい

特別なダービーマッチでトップチームに挑む鎌倉インターナショナルSC 【㋚写真】

 5月29日、トップチームに挑むダービーマッチは鎌倉インターナショナルSCにとっても特別な試合だ。加藤自身にとっても、ある意味ではサッカー人生をかけた大一番と言える。

「トップチームとの試合は、単にリーグ戦15試合の中の1試合ではないと思っています。技術はトップチームのほうが上ですが、球際の部分であったり、気持ちの強さで変わってくるところもあるのでそういった部分では絶対に負けたくない。個人的には試合が終わった時に、もうサッカーをやめてもいいと思えるくらいに全力を出し切りたいと思っています」

 これまでのサッカー人生でも一度も経験したことのない、チームメイトと激突するダービーマッチ。地元・鎌倉で育った加藤の場合、相手チームに高校時代の同期や先輩なども混じっている。そんな特別な試合をとにかく楽しみたいという気持ちと同時に、絶対に負けたくないという思いも強い。そして、同じような思いでダービーマッチに臨む鎌倉インターナショナルSCの選手は数多い。

「サッカーと仕事を両立させてきた選手は、今シーズンはトップチームでプレーできなくなった人も多くいます。そういった選手たちはやっぱり悔しさもあると思いますし、モヤモヤしたものがあると思う。もちろんこの試合のためだけにやっているわけではないですが、トップチームとの試合が大きなモチベーションになっている選手は多いと思います。開幕前からチーム内で『この試合は絶対に勝ちたいよね』と話してきた試合なので、本当にワクワクしています」

 県リーグ1部昇格へ向けて突き進むトップチームにとって、ダービーマッチは絶対に落とすことができない重要な試合だ。だが、この一戦にかける思いの強さでは鎌倉インターナショナルSCの選手たちも決して負けていない。

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【鎌倉インターナショナルFC】

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著者プロフィール

鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル)は、世界で最もグローバルなスポーツであるサッカーを通じて未来の日本を国際化していくため、2018年に設立された新しいサッカークラブです。現在は神奈川県社会人リーグに所属していますが、プロサッカークラブ(Jリーグ参入)、そして世界を目指して活動をしています。『CLUB WITHOUT BORDERS』をビジョンに掲げ、日本と世界を隔てる国境をはじめ、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”(境界線)をもたないサッカークラブを目指しています。

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