【TEAM DIARY BY KAMAKURA INTER】#002 芹澤徹郎 ー 真正面から叩き潰すのがトップチームの役目
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クラブ史上初となる公式戦でのダービーマッチを前に、それぞれのチームのキーマンに話を聞いた。トップチームからは、地元鎌倉市出身の芹澤徹郎。
(文・本多辰成/スポーツライター)
開幕3連勝、好調でダービーを迎えるトップチーム
開幕3連勝でダービーマッチを迎えるトップチーム 【㋚写真】
サイドハーフ、もしくはサイドバックとして開幕からスタメンで出場してきた芹澤徹郎も、3連勝のすべり出しに手ごたえを感じている。
「プレシーズンは負けたり引き分けたりと、開幕前から勝ち続けていたわけではありませんでした。『鳩スタ』ができる前は課題が出ても修正できないまま次のゲームに入って、また新たな課題が生まれてしまうという感じだったんですが、今シーズンは『鳩スタ』があるのでしっかりと課題を修正して次の試合に臨むことができている。それが開幕3連勝につながっていると思います」
今シーズンのトップチームは活動日数も大幅に増え、週4日の練習を行っている。多くの新戦力も加入して新たなチームとなったが、ここまでは順調にチーム作りが進んでいるようだ。
「社会人サッカーは時間が限られていますが、そのなかでいろんなツールを使ったりしながらコミュニケーションを取っています。もちろんピッチ内での会話を増やしたり、練習後に集まって対面で話す機会をつくったりもして、選手同士で意見を言い合うことができている。新加入選手もしっかり発信して来てくれていますし、すごくいい循環ができていると感じています」
目前に迫った鎌倉インターナショナルSCとのダービーマッチを、トップチームはいい状態で迎えることができそうだ。
クラブのビジョンに刺激、感動した「鳩スタ」の完成
悔しい結果となったが、手ごたえを得た昨シーズン 【Kazuki Okamoto (ONELIFE)】
「1年目のシーズンは社会人1年目でもあったので、会社では上司の顔色をうかがいながら時間通りに帰れず、練習に行けないということがすごく多かったです。仕事との両立がうまくできずにコンディショニングに苦労して、1年目はリーグ戦も半分くらいの試合にしか出られませんでした」
仕事とサッカーの両立が求められる初めての環境に戸惑いながら、一方では社会人サッカーや鎌倉インテルならではの魅力も強く感じていたという。
「大学時代まではプロにならなきゃいけないとか、隣のやつに勝たなきゃいけないとか、そういう勝負の世界しかありませんでした。でも、インテルの場合はクラブのビジョンが根幹にあるので、自分の一つひとつのプレーがクラブのためになっていくみたいな感覚があります。そういう志を持ったチームメイトやスタッフが身近にいる環境でサッカーをするのはすごく刺激的です」
自身2年目のシーズンとなった昨季途中には、クラブが創設当初から建設を計画してきたホームグラウンドが完成。芹澤にとっては幼い頃から馴染みのあるエリアに誕生した「鳩スタ」でのプレーは感慨深いものだった。
「小さい頃から馴染みのある土地で、『鳩スタ』の近くにある塾にも通っていましたし、その近くのスーパーにもよく行っていました。そこに忽然とグラウンドができて、きれいな緑のピッチが広がっているのを見た時には、本当にできたんだなと。何と言ったらいいのか、小さい頃にスタジアムに行った時のような感覚に近くて、とにかく感動したのを覚えています」
昨季はコロナ禍の影響で短いシーズンとなったが、家庭の事情で出場できなかった1試合を除いてリーグ戦全試合に出場。チームとしては3年連続で昇格を逃す悔しい結果となったが、個人としては手ごたえも得た2年目のシーズンだった。
真正面から叩き潰すのがトップチームの役目
トップチームにとっても大一番となる「鎌倉インテルダービー」 【Kazuki Okamoto (ONELIFE)】
「いろいろとうまくいかないことも多い2シーズンを過ごしてきましたが、今シーズンは本当にピッチの中だけじゃなく、ピッチ外のコミュニケーションなんかも含めてクラブとしていろんなことが前に進んでいるのを実感しています。昇格がさらにそれを加速させるキーポイントになると思いますし、今年は昇格を決める自信は満々です」
悲願の昇格を果たすためにも絶対に勝たなければならないダービーマッチ。鎌倉高校の2年後輩に当たる鎌倉インターナショナルSCキャプテンの加藤雅樹をはじめ、芹澤にとっては昨年までチームメイトとしてプレーしてきた選手たちとの激突となる。
「昨シーズンは一緒にトップチームでプレーしていた選手がいっぱいいるので、相当な勢いでかかってくるだろうと思っています。それを真正面から叩き潰すのがトップチームの役目だと思っているので、正々堂々と戦って快勝したい。向こうも成長していると思いますが、自分たちもそれ以上に成長していると僕は思っているので」
開幕から3試合連続スタメンに名を連ねてきた3年目のシーズン。もちろんダービーのピッチに立つ準備もできている。
「まだどこのポジションで出ることになるかわかりませんけど、サイドバックで出場したとしたら、まずは相手の攻撃をパーフェクトに止めたい。チームとしては相手陣内でプレーし続けて圧倒したいですし、SCの選手たちにプレーの時間を与えないくらいの負荷をかけ続けたいなと。それでもたぶん、向こうのモチベーションで跳ね返してくる場面が何度もあると思いますし、そういうバチバチな熱い試合を見せたいです」
生まれ育った地元のクラブに加入して3シーズン目。芹澤にとっても「鎌倉インテルダービー」は、ひとつの集大成となる大一番だ。
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