2021/22シーズンのブンデスリーガの台風の目、1.FC ケルンの激動のシーズンを振り返る(1/2)

1.FCケルン
チーム・協会

【©1FCKoeln】

1.FC ケルンの2021/22シーズン前半戦をプレイバック

 2021/22シーズンのブンデスリーガで、最も大きなサプライズをもたらしたのが1.FCケルンだったのではないだろうか。昨シーズンは降格圏争いをしてプレーオフで辛くもブンデス1部に残留したチームが、今季はヨーロッパのカンファレンスリーグ出場権を獲得する7位まで躍進を果たした。そんな素晴らしいシーズンを送ったケルンの2021/22シーズンを時系列で振り返ってみよう。

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 輝かしい2021/22シーズンはヘルタ・ベルリンとのホーム試合から始まった。新型コロナの影響で最大収容人数の半分以下の約16,500人のファンに見守られながらの開幕戦は、序盤に先制点を許す苦しい立ち上がりを見せる。

 それでも前半のうちに今季エースストライカーの役割を全うしたアントニー・モデストのヘディングゴールで同点に追いつく。そして後半になって、フロリアン・カインツが逆転の2得点を奪って3-1と快勝を収めたのである。

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 第二節では絶対王者のバイエルン・ミュンヘンの敵地に乗り込んだ。前半をハーフタイムで折り返すと、後半になって王者が牙を剥き始めた。ロベルト・レヴァンドフスキのゴールを皮切りに立て続けに2失点を喫してしまい苦しい展開に。

 それでもこの試合は今季のケルンの強さを証明した試合でもあった。そこから諦めず後半の15分にアントニー・モデストのヘディングゴールで1点を返すと、そのわずか2分後にマーク・ウートが同点ゴールを決めて試合を振り出しに戻したのだ。

 試合は惜しくもこの後バイエルンに意地の一発を決められ負けはしたものの、どんな相手でも最後まで食らいつくケルンの今シーズンを象徴した試合だったと言えるだろう。

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 その後は引き分けを挟みながらも5試合を無敗で駆け抜け、第7節終了時には順位表の6位に位置していたケルン。しかし第8節のホッフェンハイム戦で0-5の大敗を喫してしまい、そこからなかなか勝てない試合が続いてしまう。順位は第12節終了時には12位まで後退していた。

 転機となったのは同じライン地区に位置するボルシアMGとのラインダービーでの勝利だろう。今シーズン初めて満員の50,000人をスタジアムに迎え入れて行ったダービーマッチ。

 お互いの意地と意地がぶつかり合い、リーグ戦の最終順位よりもこのダービーに勝つか否かで今シーズンの優劣が分かれてしまうと言われている重要で試合でケルンはライバルチームを4-1で返り討ちにして、これ以上ない内容で完勝を収めた。

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 浮き沈みを繰り返しながらも、年末にかけては圧巻のリーグ戦3連勝で記録したケルンは気付けば順位を6位にまで再び押し上げ、最高の形で前半戦の幕を閉じた。ケルンファンの間でも来季のヨーロッパの舞台がちらつき始めたのは、おそらくこの頃からではないだろうか。
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著者プロフィール

1.FCケルンは1948年に設立された、ドイツ西部の大都市ケルンに本拠地を置くサッカークラブで、ブンデスリーガに所属しています。1963年に発足したドイツ・ブンデスリーガの初代王者であり、日本人海外移籍の先駆者である奥寺康彦が所属していた頃には2度目のリーグ優勝を成し遂げました。また近年では、槙野智章や鄭大世、大迫勇也も所属していました。

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