厳しい勝負の世界で新しい航路を開く“新開航”
これは、新開航【写真3枚とも】のデビュー当時の宣言である。
修了記念競走優勝の板橋侑我をはじめ、養成所勝率1位だった宮之原輝紀のほか、栗城匠・吉川貴仁・木谷賢太など精鋭ぞろいの118期にあって、あえて高い目標を掲げたのだ。
野球が大好きで、小学生時代に全国制覇。香港で開催された世界大会に出場したこともあるアスリートは、「あの緊張感いっぱいの経験が大きいかもしれません…」とプロレーサーになってからの足跡を振り返っている。大舞台が人を成長させたといっていい。位負けしないのだ。
野球少年は、のちに国立宮崎大学に進学することになるが、「テレビを見て気になっていた」ボートレーサーの夢を捨てることができなかったという。
「競い合うこと」「努力すること」「しびれるような場面に身を置くこと」が合っているのだ。
大学卒業を待たず養成所に入所している。
デビュー4走目にしての1着である。
舞台は地元芦屋。6コースからの鋭い差しだった。
3連単は22万6310円、2連単に至っては57万9900円という超高配当をたたき出している。
ちなみに5月16日現在の2連単歴代高配当トップである。2番目が27万9520円であるからいかに突出しているかが分かる。
同期一番乗りの水神祭だった。
そして、宣言通り「同期優出一番乗り!」も実現する。
2017年8月の浜名湖、準優では6コースから5艇を完全に沈めて優出している。優勝戦は道中追い上げての2着だった。
その直後、「優勝も一番乗りしたい」と口にした新開航はこれも現実にする。
2018年1月の芦屋だった。不利な6コースから鮮やかにまくり差しを決めたのだ。
まさに“有言実行の人”である。
記念タイトルは栗城匠(2021年5月平和島周年記念)と板橋侑我(2021年11月浜名湖周年記念)に先を越されているが、いま最も調子のいいレーサーと言ってもいい状況にある。
戸田ルーキーシリーズ(1月)・尼崎一般戦(2月)・平和島ルーキーシリーズ(3月)・唐津一般戦(4月)・児島レディースVSルーキーズバトル(5月)である。
レースに思い切りがあり、鮮やかなターンで一気に混戦を抜け出してくるのが新開航の特徴。
「まくり差しが好きです」という発言は覚えておきたいものだ。
次のあっせんはあす18日が前検で、19日が初日の桐生一般戦。
その後、下関(5月29日〜)
尼崎(6月11日〜)
若松(6月19日〜)と続き、相性抜群の芦屋に戻ってくる。
6月28日から7月3日の芦屋はG2モーターボート大賞「次世代スターチャレンジバトル」。当然、大看板である。
その時までにいくつ優勝を重ねるだろうか。興味は尽きない。
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