渡邉彩香 4回目の最終日、最終組へ闘志

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

ほけんの窓口レディース 福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)第2日
 
 生気が戻った。これぞ、渡邉彩香スタイルである。305ヤードの5番。果敢にワンオンを狙った。しかし、打球はグリーン左のラフへ。加えて、ボールは松の枝の下にある。背をかがめての、リカバリーショット。アドレスへ入る前、時おり背中をチクチクと刺す、痛みに表情をしかめた。

 とはいえ、全集中でピン3メートルへ。この日、初めてのバーディーパットも決まって笑顔を浮かべる。「きのうから、パッティングの調子がすごくいい。それから、いいショットが増えている。自信になります。おかげで、私の持ち味のひとつ、思い切りの良さまで戻ったようです」とうれしそう。

 そして、5番をもう一度振り返った。「すごくいいショットだったと思います。グリーンへはオンしなかったけど、ほんの2、3ヤード、狙いがズレてしまった。リスクはつきものですから、思い切ってやった結果ですからね」とひと息ついて、「次のショットは必死でした。キャディーさんから、(松葉を)痛がっている場合じゃない、って…。どうするか。何とかしなければーは覚悟の上でした」と、説明を加える。

 続く6番で連続バーディーを奪取。要所でバーディーがきて、最終18番もピン奥3メートルの難しいパッティングを沈めた。しかも、ノーボギーのラウンドである。「後半、もっとチャンスがあったけど、なかなか決められなかった。だから、最後のバーディーは本当に大きい」と話した。

 あすは首位で最終日、最終組を迎える。「今年、4回目でしたね」と当人はご存じだ。ダイキンオーキッド、アクサレディス、KKT杯はいずれも優勝へ手が届かなかった。「あしたのポイントは、やはり思い切りよくプレーできるかです。優勝したいーという気持ちばかりが前面に出て、今までは守りというか、安全策ばかり。そうなると、いいプレーが少なくなります」と分析。

 また、今季初の予選落ちを喫した前週を猛省したそうだ。第2日、ショットの調子が悪かったというものの、78と大乱調。「終わった後、みんなで話し合った。結果はともかく、思い切りよくーはいつでもできる。私の良さが全く発揮できなかったことが、すごく悔しかった」と打ち明けた。

 同じ轍は踏まない。ちなみに、優勝を飾れば上田桃子=35歳、サイペイイン=30歳に続く年長3番目になる。前週までJLPGAツアー優勝者の平均年齢は23.7歳。燃えて当然か。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
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