ギリギリをクリアしステージアップを図る田頭虎親
人は、年齢と経験の分だけユニークになっていくものである。
とすれば、若者はその道程の入り口にいることになる。
自ら決めた目標にまっすぐ進む者でさえ、この先どうなるか不安な時代。勝負の世界に生きるボートレーサーはまさにそれを体現するアスリートだ。
香川支部の田頭虎親(たがしら・とらちか)【写真2枚とも】は122期生。養成所のリーグ戦勝率は4.07で卒業し、2018年5月にプロデビューした。
初勝利は2020年3月の宮島ルーキーシリーズ。センター4コースからトップスタートを決めまくっている。約1年10カ月での水神祭は同期で最後の方だった。デビュー当初は出遅れていたのである。
しかし、舞台装置は変わる。
続く4月半ばの芦屋一般戦最終日に4コースと6コースから連勝。一気に勢いづいたのだ。
さらに翌5月、初めてのイン戦に臨む。
スタート展示と同じコンマ16は好スタート。緊張感を感じさせない走りで逃げ切ったのだった。田頭虎親はこの3カ月で激変したのである。
およそ1年間のデータをひも解くと、3コース1着率が21%あまりと極めて高い。新人としては驚異的な数字である。握って旋回するためスピードや迫力があって観る者をハラハラドキドキさせてくれるのも魅力だ。
“丸亀フレッシュルーキー”は、将来の伸びシロに対して与えられた称号にほかならない。
次の参戦は5月16日からの丸亀一般戦。
初のA級昇格を目指すためにも大切な地元戦だ。悔いなきよう、走ってほしいものだ。
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