【第106回日本選手権10000mハイライト】廣中、圧巻のラストスパートで2連覇!世界選手権日本代表内定、相澤は2年ぶり2回目の優勝!
【フォート・キシモト】
有観客での実施が実現したなか、男子は、相澤晃選手(旭化成)が27分42秒85で先着して2年ぶり2回目の優勝を、また、女子は廣中璃梨佳選手(JP日本郵政G)が31分30秒34で昨年の初優勝に続く2連覇を果たしました。女子については、廣中選手とともに大会前の段階でオレゴン世界選手権参加標準記録(31分25秒00)を突破していた五島莉乃選手(資生堂)が3位となったことにより、この2名が条件を満たし、オレゴン2022世界選手権の日本代表選手に内定しました。
日没後のスタートとなったこともあり、最初に行われた男子10000m1組目がスタートした19時03分時点の気象状況は、気温19℃、湿度83%、西北西の風0.6mというもの。日中の暑さが少しやわらぎ、ほぼ無風の状況となりましたが、長距離レースを進めるうえでは蒸し暑さが気になるコンディション。続いて行われた女子決勝、そして記録上位者が出場した男子2組目も、ほぼ同様の条件下となりました。
【女子10000m】 廣中・五島がオレゴン世界選手権日本代表内定!
レースは、スタートしてすぐに、五島選手が先頭に立ち、これに、矢田みくに選手(デンソー)、廣中選手らが続き、大きな集団のまま進んでいく展開に。先頭集団は、1000mを3分07秒で入りましたが、4周を回った段階で、五島選手、矢田選手、廣中選手、萩谷楓選手(エディオン、東京オリンピック5000m代表)、佐藤早也伽選手(積水化学)、カマウ・タビタ・ジェリ選手(三井住友海上、オープン)の6人に絞られました。2000mを6分14秒(この間の1000mは3分07秒、以下同じ)で通過。その後も、五島選手がトップでレースを進めましたが、次の1000mは3分10秒、3000mから4000mは3分12秒と、ペースがじりじりと落ちていきます。そんななか12周目に入る直前でカマウ選手が前に出ると、単独でリードを奪って5000mを15分45秒66(3分09秒)で通過、2位グループの先頭となった五島選手との差を4秒まで広げました。ここで佐藤選手が後れて、2位集団は五島、廣中、矢田、萩谷の4選手に。6000mは19分02秒で通過しました。
【フォート・キシモト】
【フォート・キシモト】
【男子10000m】 相澤が王座奪還!2年ぶり2回目の優勝を果たす
【フォート・キシモト】
レースは、前回と同様に、日本の実業団所属のロジャースシュモ・ケモイ選手(愛三工業)とクレオファス・カンディエ選手(三菱重工)が交互に先頭に立ち、世界選手権参加標準記録(27分28秒00)と突破が狙えるペースでレースを進めていきましたが、日本選手の上位集団のペースがなかなか上がらず、外国人両選手との差が何度も大きく開く場面が散見される展開となりました。
3600m過ぎで、来年秋に開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権をすでに獲得している井上大仁選手(三菱重工、2017年世界選手権マラソン日本代表)が日本選手の先頭に出てペースアップを図ったことで、外国人選手と日本人選手との距離が縮まり、さらに4000m過ぎから東京2020オリンピック5000m日本代表の松枝博輝選手(富士通)が井上選手に代わってトップに立ったあたりで、スタート以降6〜7位で走っていた伊藤達彦選手(Honda、前回覇者、東京2020オリンピック10000m日本代表)のやや後方につけていた相澤晃選手(旭化成、東京2020オリンピック10000m日本代表)、その相澤選手をマークする位置にいた田澤廉選手(駒澤大学)が、松枝選手に続き2〜3番手へと浮上してきます。松枝選手が先頭に立つ形で、5000mは13分49秒80で通過しましたが、その後、再びペースダウンして、70秒に落ち込む周回も。残り8周を切っても先頭は14人の大集団のままで、ペースをつくろうとする外国人選手との距離が開いていく状況に陥ってしまいました。
【フォート・キシモト】
【フォート・キシモト】
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
▼日本選手権 6月9日〜12日開催!チケット発売中!〜▼
▼選手コメントや大会リザルトはこちら▼
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ