悔しさを糧に日々、成長。千葉ロッテマリーンズの若き切り込み隊長 高部瑛斗外野手

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【千葉ロッテマリーンズ高部瑛斗外野手】

 昨年、5度、二軍落ちした。そして迎えた3年目のシーズン。千葉ロッテマリーンズ 高部瑛斗外野手はキャンプ、オープン戦で猛アピールし、開幕から1番に入ると、ここまで全試合で切り込み隊長を務め、チームを引っ張っている。

 「去年まではどこか焦って、なんとか結果を出さないといけないと受け身になって、引き気味に野球をやっている感じがあったので、今年は積極的にプレーをすることを意識して思いっきりのいい打撃を心掛けています」
 
 充実した表情で高部は話をした。プロ入り2年間で38試合に出場して9安打。それが今年はここまで全試合(33試合)出場の38安打を記録している。
 昨年シーズンが終わり、春季キャンプが始まる前に自分に誓ったことがある。

 「自分が出来る以上のことはできない。だから、自分のやれることを精一杯やろうと考えました。昨年までの自分は一軍で自分の出来る以上のことをやろうとして、結果的に焦ってマイナスになっていた。そうじゃなくてやれることをやる。シンプルに考えるようにしました」(高部)。

 今まで一軍に上がると力み、凝り固まっていた心が、気持ちの整理がついたことで吹っ切れた。高部らしい思い切りのいい打撃が出来るようになった。

 ただ、ここまでの試合で一つの場面だけを振り返るとなると、打った喜びよりも悔しかったあの試合が思い出される。4月6日のファイターズ戦(札幌D)。同点で迎えた九回無死一、三塁の一打サヨナラの場面で相手打者が打ち上げた打球は左翼方向へと高く上がった。ファウルになるか微妙な当たり。捕球をするか、見送ってファウルとするかを迷った結果、ファウルグラウンドで捕球体勢に入りながら、結果的には左翼線の内側にポトリと落ち、サヨナラの三塁走者の生還を許すという最悪の結果となってしまった。自らのミスに高部はチームメートに励まされながらも肩を落とし、号泣した。

 「迷いがあった。どうしようか迷って、最後は見失ってしまった。あそこはファウルになる打球だったとしても積極的に取って、走者をホームで刺すという勝負をすべきだった。迷ったら取る。もっとアグレッシブにいくべきでした。凄い反省です」と振り返る。

 試合後、周りから励まされた言葉の一つ一つも忘れられない。「明日も試合があるから」、「ずっと試合に出ていたらこういうことある。切り替えて」。チームの敗戦を一身に背負い込んだ高部をみんなが励ましてくれた。ありがたかった。そして切り替えて恐れずに積極的にプレーをすることを自分に誓った。

 「まだ開幕して一か月が終わったばかり。自分の中ではやらないといけないことは一杯あると思っています。一軍の中で成長していきたいと思っています」と高部。

 マリーンズの新しい切り込み隊長として背番号「38」がチームを引っ張る。積極的な打撃と走塁で勝利を呼び込む。悔しかった想いを糧にして、貪欲に結果を求めていく戦いは始まったばかりだ。
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