早大米式蹴球部 アメフト新体制特集 OL亀井理陽主将インタビュー

チーム・協会

【早稲田スポーツ新聞会】

昨季は関東TOP8の1位決定戦で法大に敗れた早大BIG BEARS。今年もまた、創部初の日本一に向けてスタートを切った新体制の4年生にお話を伺いました!(本来は「第70回早慶アメリカンフットボール対抗戦」の特集でしたが、慶大からの申出により中止となったため一部内容を変更してお届けします。)

※昨日発表された5月8日の春季オープン戦の拓殖大戦は無観客、会場非公開で行われるため、第2戦の立命館大戦からホームページに記事掲載予定です。あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 安斎健、山田彩愛、荒井結月 写真 山田彩愛

第6回は部員から絶大な信頼を寄せられているOL亀井理陽主将(法4=東京・早実)の登場。悲願の日本一に向けてのチームづくりを始めた亀井主将の現在をお伺いした。

※この取材は3月31日に行われたものです。氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。

「俺にはまだ1年ある」

昨年度を振り返る亀井主将 【早稲田スポーツ新聞会】

――まずは昨季を振り返っていきたいと思います。法大戦で敗れた時の率直な思いを教えてください
亀井 点差が離れてしまった後、最後に早大がパスを失敗して終わったのですが、僕は最後の最後まで「まだ勝てる」と思っていました。選手を諦めさせないように「まだいけるよ」と言い続けていましたが負けてしまったので、悔しかったです。昨年はOLの4年生が少なくて、僕も4年生かのような気持ちでやっていた中での負けだったので、自分が引退するかのような気持ちになってしまって、試合後も少し引きずりました。

――法大戦に敗れてから、オフの期間をどのような気持ちで過ごしていましたか
亀井 (3年時も)4年生のような気持ちで挑んでいましたが、一区切りついて「俺にはまだ1年ある」と思うことができました。悔しさを糧にして、絶対に先輩方の分まで勝たないといけないという気持ちで過ごしていました。

――昨季までの自身の活躍についてはどのように思っていますか
亀井 2年生からスターターとして試合に出ていることもあって、このチームの中では経験を積んでいる方ですが、アメフトの世界ではまだまだ経験が浅いです。そのため(主将として)自分が引っ張っていかなければならない立場ですし、試合の中でもっと成長していかなければならないということは常に考えています。新しいことへの挑戦をたくさん繰り返してきたので、そういう意味では成長し続けて来られたのかなと思っています。

――亀井主将は大学からアメフトを始めたとのことですが、いつ頃から試合に出られるようになったのでしょうか
亀井 1年生の秋季には、試合に出場していました。

――主将に立候補した経緯について教えてください
亀井 先ほども少し触れましたが、僕は昨年の1年間を4年生のような気持ちでやっていたように、チームに対する熱量を強く持てているのではないかと思っていました。チームを勝たせたいという思いをもっとチームに還元していきたいと思って主将に立候補しました。

――1年生の新人戦ではチームキャプテンを務められました。その時には「(ゲームキャプテンに)指名されて驚いた」とおっしゃっていましたが、最終学年になるにつれて気持ちの変化があったということでしょうか
亀井 新人戦の頃は正直アメフトに対して無知な状態で、キャプテンをやっても何ができるのかと思っていました。しかしやっていくうちに、日本一になりたいという思いや、チームに対する思い入れがどんどん強くなっていったので、自分が主将になりたいと思うようになりました。

「1」にこだわる

――スローガンを『一丸』にした理由を教えてください
亀井 これには昨年のチームの反省があります。昨年は、試合に出ていない人の中で日本一という目標に乗り切れていない人がいました。早大のアメフト部は約200人いるので、その人数の多さをむしろ強みにしていかなければならないと思います。試合に出ているかどうかや、選手かスタッフかどうかは関係なく、全員が同じ熱量で日本一という目標に向き合おう、という意味が込められています。また、これは個人的な理由になりますが、僕は「1」という数字に結構こだわりがあって。スポーツをやる上で1番という数字はすごく重要だと思っていて、例えば僕らが目指している目標は日本「一」ですし、オフェンスラインで言ったら「1」歩目や、「一」つ「一」つのプレーにこだわるとか。やはりスポーツをやる上で「1」という数字は大事になってくると思うので、そういう意味も込めて『一丸』にしました。

――大きな組織をまとめる上で、意識していることはありますか
亀井 リーダーや幹部だけが動くような組織にならないことです。僕たち幹部が各主任などに働きかけた後、そこからいろいろな人に主体性を持って動いてもらえるようにしていきたいです。また、他人任せにせず、自分から動くことも意識しています。これまでに主将の経験がなく、大きい組織を率いるのは初めてなので試行錯誤しながらやっています。

――自身に求められているものは何だと思いますか
亀井 2つあると考えています。1つ目は「この人についていけば日本一になれる」という信頼を構築することです。日本一へ導くことは僕の宿命だと思っているので。2つ目は、僕が主将になるときに皆から言われた「どんなときも負けてほしくない」ということです。主将としての発言の重みは、普段の行動やアメフトに対する姿勢、結果からつくられると思うので、誰よりも努力することや、相手に負けないことが求められているのだと思います。

――続いてはアメフト部全体について伺いたいと思います。春の全体練習が始まりましたが、主将という立場から見て現在のチームの雰囲気はいかがですか
亀井 昨年は4年生が少なく、僕たち下級生がどんどん試合に出させてもらうことが多かったので、試合経験を積んでいる選手が多いです。ただ学生日本一という目標においては、甲子園ボウルで関西の大学に勝った上での優勝が必要です。甲子園ボウルの舞台を経験している選手は今の4年生の代しかいません。甲子園ボウルへの出場が目標なのではなくて、甲子園ボウルで勝つことが目標なのだとみんな頭では理解していると思うのですが、実際に勝つという具体的なビジョンを思い浮かべられている選手はなかなかいないと思います。その点で、もっとみんなに危機感を持たせていきたいと思っています。

――今年のチームの強みは何でしょうか
亀井 今年はまだ試合をしていないので、これから見えてくる部分もあると思いますが、やはり試合慣れしている選手が多いということです。

――現時点でチームの課題は見えていますか
亀井 先ほども話した通り、日本一という目標に向かいきれていないところです。

――プレーの面での課題はありますか
亀井 ハードさが足りないと思っています。OLに限ってしまいますが、大学からアメフトを始めた選手が多いので、うまくプレーしようとしてしまうことがあります。相手を圧倒してやろうというようなハードさがまだまだ足りていないです。

――役職の面で特に関わりが深いであろう笹隈弘起副将(スポ4=東京・早大学院)、金子智哉副将(教4=大阪・豊中)についてお聞きします。お2人はどういった選手でしょうか
亀井 笹隈は同じOLということもあっていろいろな姿を見てきましたが、本当に熱い心を持っています。試合で勝ったら誰よりも喜んで、負けたら誰よりも悲しんで。そういった熱い気持ちを持っている選手です。金子は試合経験はあまりありませんが、話すのがとてもうまくて。人を引き付ける話し方ができる、リーダーシップのある選手だと思います。

チームを絶対に日本一に

――続いてご自身のことについて伺います。理想の選手像はありますか
亀井 少しタイプは違いますが、僕が1年生の時の4年生である香取さん(香取大勇、令2スポ卒=東京・佼成学園)に憧れている部分があります。1年生のときに一番お世話になっていた方で、OLとしてもとても強い方です。そういった意味で香取さんに近づけるように意識してやっています。

――プレーの面でご自身の強みはどこだと思いますか
亀井 フィジカルとホールド力です。ウエイトトレーニングに真摯に励んできたので、フィジカルには自信があります。また、OLは相手をつかまえるホールド力が重要になってきますが、プレーをする中でその点にも強みを感じています。

――今のOLのユニットで期待している選手はいますか
亀井 1人目は村山(村山浩暉、法4=埼玉・西武文理)という選手です。同期で一番仲の良い選手なのですが、昨年から試合に出始めていて、今年はOLの主任に選ばれました。OLには主将と副将の2人の幹部がいますが、負けることなくリーダーシップを発揮してくれています。村山がもっとOLを引っ張っていってくれるとさらに良くなると思っているので、期待しています。もう一人は2年生の飯田(飯田星河、法2=東京・早大学院)です。OLユニットで見ても経験者が少ない中、彼は早大学院出身の数少ない経験者です。本当にOLユニットの中でも上位に入る強さなので、今年絶対に活躍してくれると思っています。

――どのようなオフェンスを作り上げていきたいと考えていますか
亀井 点が取れるオフェンスチームを作りたいです。どんなに良いかたちでドライブしても、どんなにOLが強くても、どんなに良いQBがいても、オフェンスは全員の質が高くなければならないポジションです。タッチダウンができなければ何の意味もないので、そういった点でコンスタントに点が取れるオフェンスは必ず脅威になると思います。

――春のオープン戦について伺います。特に意識しているチームはありますか
亀井 立命館大と関西大です。早大はコロナウイルスの影響で、関西の大学との試合が1戦もできていません。僕たちの目標は関西の大学に勝った上での日本一なので、関西のチームとどのくらいの差があるのか、もしくは意外と良い試合ができるのかどうかをしっかりと確認したいので、この2戦は非常に大きい試合になると思います。

――最後に、ラストイヤーへの意気込みをお願いします
亀井 この3年間をアメフトに懸けてきたので、絶対に結果を残して終わりたいです。それから、チームを率いていかなければならない立場なので、チームを絶対に日本一にするという強い気持ちを持って、この1年間をやり抜きたいと思います。

――ありがとうございました!

チーム「一丸」となって日本一を目指します! 【早稲田スポーツ新聞会】

◆亀井理陽(かめい・りょう)
東京・早実高出身。法学部4年。184センチ。110キロ。OL。関東トップクラスの圧倒的なフィジカルで敵を圧倒し、勝利に大きく貢献します!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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