NHKマイルCのレース傾向と今開催の東京芝1600m戦の特徴は?
【2022/1/5 中山10R ジュニアカップ 1着 4番 インダストリア】
NHKマイルカップ近10年の人気別成績
■表1 【NHKマイルカップ近10年の人気別成績】
2・3着馬も下位人気まで幅広く分布し、6番人気以下は2着が5頭、3着が8頭と激走している。3→4→2番人気の順で決まった15年を除いて、毎年1頭は7番人気以下の馬が3着以内に入っている。冒頭にも記したが、近10年で3連単の最低配当は昨年の2万1180円で、10万円以上は過半数の7回と多い。伏兵馬の激走が目立ち、波乱傾向が強い一戦といえる。
NHKマイルカップ近10年の前走距離別成績
■表2 【NHKマイルカップ近10年の前走距離別成績】
黄色で強調した前走2000m組は昨年のシュネルマイスターら3勝をあげ、複勝率35.0%と優秀だ。この組の前走レース別では、皐月賞組【2.1.1.11】複勝率26.7%、弥生賞ディープインパクト記念組【1.0.1.1】同66.7%、京成杯組【0.0.1.0】同100.0%、若駒S組【0.0.0.1】となっている。
前走1800m組は勝ち星こそないものの、連対率・複勝率は前走2000m組に次いで高い。前走1400m組の勝利は一昨年のラウダシオン(前走ファルコンS2着)のみ。この組の3着以内馬4頭中3頭は前走ファルコンSで連対を果たしていた。
NHKマイルカップ近10年の前走人気別成績
■表3 【NHKマイルカップ近10年の前走人気別成績】
前走2番人気馬は19年アドマイヤマーズら2勝をあげている。なお、前走3番人気馬からは3着以内馬が出ていないものの、4着は4回あるため、それほど気にしなくてよいのかもしれない。
ノーザンファーム生産馬の前走競馬場別成績(近10年)
■表4 【ノーザンファーム生産馬の前走競馬場別成績(近10年)】
表4は、そのノーザンファーム生産馬の前走競馬場別成績。前走阪神組が16年メジャーエンブレムら3勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。なかでも前走阪神芝1600m組は【3.2.3.10】で複勝率44.4%と非常に高い。また、前走中山組は12年カレンブラックヒルら2勝。連対馬はすべて前走阪神か中山どちらかから出ている。
東京芝1600m戦の脚質別成績(2回開催・5/1まで)
■表5 【東京芝1600m戦の脚質別成績(2回開催・5/1まで)】
また、先行馬も2勝をあげ、複勝率43.8%と高い。5レースすべてで1頭は3着以内に入っている。近2週は勝ち時計が最速でも1分33秒5とそれほど高速化しておらず、逃げ・先行馬に有利な馬場状態だった。今週から高速化する可能性はあるが、先週までと同様の馬場状態なら前に行く馬を中心に考えたい。
東京芝1600m戦の枠順別成績(2回開催・5/1まで)
■表6 【東京芝1600m戦の枠順別成績(2回開催・5/1まで)】
<結論>
今年のNHKマイルカップの出走予定馬(5/4時点)
■表7 【今年のNHKマイルカップの出走予定馬(5/4時点)】
1番人気に推されそうなのは前走朝日杯FSで2着だったセリフォス。これまで4戦すべて芝1600m戦で3勝、2着1回と安定しているが、気になるのは東京コースの経験がないこと。中内田厩舎で福永騎手騎乗と人気になるのはわかるが、人気先行の感は否めない。
ダノンスコーピオンは阪神芝1600mに良績が集中しており、唯一馬券圏外に敗れたのが東京の共同通信杯。東京コースが合わない可能性もありそうだ。
NHKマイルC近10年のレース傾向から推したいのがインダストリア。好成績をあげている前走2000m組、なかでも相性が良い前走弥生賞ディープインパクト記念組。前走は4コーナーで外に振られる不利がありながらも上がり最速の脚で5着。マイルの勝ち星があり、巻き返す可能性も十分だ。
近2週の東京芝1600m戦の傾向からはジャングロ。今回の出走予定馬で前走逃げた馬はこの馬のみ。逃げ得意の武豊騎手騎乗で、スムーズに逃げられれば押し切っておかしくない。他ではノーザンF生産馬で能力高いソネットフレーズ、穴で京王杯2歳S勝ちがあるキングエルメス、距離短縮で変わり身がありそうなダンテスヴューを挙げておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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