早大バレー部 黒鷲旗でV1・JT広島に粘り強さをみせ勝利! 自信につながる一戦に

チーム・協会

【サーブを打つ水町【早稲田スポーツ新聞会】】

【早稲田スポーツ新聞会】記事 山田彩愛、写真 臼井恭香
3年ぶりに黒鷲旗全日本男女選抜(黒鷲旗)が開幕した。本大会は、V1リーグ、V2リーグ、大学、高校の各カテゴリーから昨年の結果に基づき、選抜されたチームで行われる。3セットマッチで行われるグループ戦を勝ち抜いた2チームが、5セットマッチのトーナメント戦に進む方式だ。グループ戦1戦目となった早大は、JTサンダーズ広島(JT広島)と対戦した。JT広島は、V1に所属する強豪チームだ。格上相手に、第1セットは惜しくも落としてしまうが、第2セット以降、相手選手の強烈なスパイクを何度もレシーブ。粘り強い守備から攻撃に転じると、前田凌吾(スポ1=大阪・清風)の巧みなトスワークで多彩な攻撃をみせた。第2、第3セットを連取し、セットカウント2ー1(22ー25、25ー23、25ー18)で、強豪相手に白星をあげた。

第1セットは幕開けから水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)のスパイク、サーブが決まるなど好調な滑り出しをみせる。しかし、2ー3から壮絶なサイドアウトの取り合いが始まる。重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)のコートいっぱいに決まるスパイクや、息の合ったパイプ攻撃(※1)から繰り出される水町のバックアタックで得点を重ねた。守備でも荒尾玲音(スポ3=熊本・鎮西)が強烈なサーブを何度も上げ、攻撃の基盤を作った。しかし、トーマス・エドガー(JT広島)をはじめとする相手選手の高い壁に阻まれる。速い攻撃展開からスパイクを決められ、15ー15の局面で相手にブレイクを許してしまう。ここでのポイントが痛手となり、このセットを22ー25で惜しくも落とした。
後がなくなった早大、第2セット以降は粘り強いつなぎのバレーをみせる。6ー6同点の場面から、サービスエースなどを決められ、一気に3連続失点。悪い流れを断ち切りたいところで、早大がタイムアウトを要求した。そしてこのタイムアウトを皮切りに流れを引き寄せる。水町の強烈な2本のサービスエースを含む6連続得点で12ー9に。相手も高さのあるエドガーのスパイクを中心に反撃し23ー23。リードしたい場面で相手がサーブミスをし、早大がセットポイントを握った。最後は伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)が1枚ブロックを決め、ゲームを振り出しに戻した。

迎えた最終第3セット。序盤は競り合いとなり8ー8、ここから守備と粘りで早大が魅せる。ブロックが効果的に機能し、荒尾をはじめとして、早大のディグが安定。そこから前田の配球も光り、的を絞らせない攻撃に転じられた。また、サーブやスパイクで崩されても粘り強くつなぎ、最後は重藤や山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)の強打で決め、長いラリー戦を制した。そして5連続得点で13ー9と点差を広げる。中盤も崩れることなく粘り強くつなぎ、チャンスで決めることができた。ボールが落ちるまで追いかけ、最後まで相手に立ち向かう姿勢を崩すことなく戦い抜いた早大。25ー18、セットカウント2ー1で勝利を収めた。

勝利して喜ぶ選手たち 【早稲田スポーツ新聞会】

「挑戦者として挑戦する気持ち」(重藤)をもって挑んだJTサンダーズ広島戦。思い切ったプレーで攻めの姿勢を崩さず、苦しい展開でも最後までボールを追う粘り強さを発揮した。サーブやスパイクで着実に得点し、また組織的なディフェンスで強烈なスパイクをレシーブし、ブロックで仕留めることもできた。格上相手にも自分たちの攻撃や守備のスタイルは通用するのだと自信につながる一勝となったことだろう。次の相手はV1で3位入賞を果たしたパナソニックパンサーズ。明日の試合も決して楽な展開とはいかない。だが挑戦者として、今持っている力を最大限に出し切り、強敵から大金星をあげたいところだ。

(※1)パイプ攻撃…前衛の選手をおとりとして、後衛がバックアタックを打つこと

コメント

岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 格上V1のチームとの試合になりました。1セット目こそ気持ちの部分で引いたところがあって取られたと考えています。2セット目以降切り替えてしっかりサーブとブロック、サイドアウトの部分で粘り強く一点一点を積み重ねたことが今日の勝利につながったのかなと思います。

――1セット目先取されてから2セット目までの間チームでどんな話をしましたか

 エドガー選手(トーマスエドガー、JT広島)に対してのブロックのタイミングについてと、全体的にディフェンスラインの調整など、そういう話はしたかなと思います。

――1セット目からどのように気持ちを切り替えましたか

 昨日も試合をしてきた中でちょっと疲労はあったかなと思います。しかしそれを言い訳にせず、自分達が1セット目を使ってJTさん相手に慣れていけたのかなと思っています。

――今日の試合で何か収穫はありましたか

 もちろん大学生相手では感じられない高さだったりパワーっていうのは非常に感じたのですが、この冬やってきたウエイトトレーニングなどの部分で、力負けで取られたっていう試合ではなかったので。それはこの冬やってきた成果が出せてよかったかなと思います。

――ブロックが決まり、ディブもよく拾えていたように感じました。チーム全体でディフェンス面を振り返っていかがですか

 僕自身は全然ダメだったのですが、ディフェンスでいうと吏玖(伊藤、スポ3=東京・駿台学園)のブロックを中心に粘り強く戦えたのがよかったのかなと思います。

――明日のパナソニックパンサーズ(パナソニック)戦に向けて意気込みをお願いします

 パナソニックさんももちろん強豪チームですが、しっかり自分達のやることを積み重ねて明日も勝てるように、今からできる準備をしていきたいと思っています。


重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)

――黒鷲旗1戦目、どんな気持ちで試合に臨みましたか

 普段のリーグ戦(春季関東大学リーグ戦)は、去年の全カレ(全日本大学選手権)王者ということで、向かってこられる試合が多かったです。今回の黒鷲は自分達が挑戦者なので、挑戦する気持ちで、それを前面に出して頑張りました。

――スパイクをたくさん決められていました。ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 1本目から止められて、いつも打っているコースでは決まらないなと思って。2本目以降は普段あまり打たないようなところに打っていったのがよかったのかなと思います。

――今日の試合でチームとしてなにか収穫はありましたか

 エドガーさんだったり、圧倒的な高さから来るようなボールや、他のサイドスパイカーはレセプションもできて。普段のサーブではいつも通り打っているとAパスで返されてしまうとか、そういう当たり前のレベルが少し上がったかなと思います。

――今日のチームでのアタックを振り返ってみていかがですか

 みんなフェイントなどで逃げずに、気持ちを全面に出してスパイクを打っていったのが決まって良かったです。

――明日も厳しい戦いになると思います。意気込みをお願いします

 今日と一緒で挑戦者の気持ちを忘れず、勝つということを前面に出してやっていきたいです。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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