青木真也の再起戦が決定|5.22『ONE 157: PETCHMORAKOT vs.VIENOT』 青木真也(vs. ケイド・ルオトロ)インタビュー 

ONEチャンピオンシップ
チーム・協会

【ONE Championship】

 5月22日(金)にシンガポール・インドアスタジアムにて開催される『ONE 157: PETCHMORAKOT vs. VIENOT』のグラップリングマッチにて、ケイド・ルオトロ(米国)と対戦する青木真也(38/試合時は39=Evolve MMA)。

青木は今年3月に開催された10周年記念大会「ONE X」にて秋山成勲と対戦。1Rスタンドバックからチョークを狙い、秋山をあわや一本の所まで追い詰めたが、2Rに秋山の反撃に遭い、右ストレートからのパウンド連打でTKO負けした。今回、グラップリングマッチでの再起戦となる。

対するルオトロは、グラップリング界のレジェンドで、ONEに参戦するアンドレ・ガウヴァオンの下でBJJ黒帯を取得した超新星。双子の弟タイと共に今回ONEに初参戦する。
ーONEXを改めて振り返ってみて、お気持ちは?
「いろんな見立てがありますけど、自分的にはキャリアの中で一番いい仕事をしたのではないかと思います。」

ー試合も含めて、試合前後からの一連の青木さんを楽しんでいる人がいることを青木さんの試合を見て思いますが、ご自身でも感じましたか?

「負けた訳じゃないですか。すごい嫌味な言い方をすると、負けても上がるっていう、本当は一番格闘技団体がやりたいことじゃないかと思いますけどね。負けて上がるってなかなか物語性が無いと難しいから、そう考えると他の選手が何か気付きがあるんじゃないかと思います。」

ーもちろん負けるためにやっている訳では全くないとは思いますが、青木さんが『負けるのも仕事だ』と仰るのは、そういう意味も含めてということですか?

「負けるのが仕事って言うと外国人もびっくりするんだよね。外国人も勝つ奴もいれば負ける奴もいるから、負けるのも仕事だからな、みたいなことを僕は普通の感覚で言うんで。びっくりする人多いですよね。」

ー思ってはいても言葉にして言うというのは、プライドとかもあると言わないのかもしれないですね。

「ある、言わないね。競技に勝ち負けとかはあるけど、その中で何を見せるかだから。存在と存在のぶつけ合いと言っている人は俺くらいしかいないような気がして。そこも面白さですよね。」

ー怪我は大丈夫でしたか?
「怪我無し。でも、最近思うんだけどさ、プロレス、格闘技って怪我するものじゃん。だから、もうダメージが心配だよとか言うけど、心配だったらやってねーよっと思いますよ。」

ーとはいえ、大きな怪我にならなくて良かったですね。
「そうですね。でも、日本で今週、プロレスでわりと大きい事故があったんですよ。半身不随くらいになるんじゃないかという大きな事故があったんだけど。そういうのを思うと、日々の練習もそうだし、ONEの場合は頭を垂直に落としてはダメだから、なんかいろいろ納得はする。」

ー4月頭、仕事の報酬は仕事というツイートを見ましたけど、いつオファーがありましたか?
「試合の5、6日後にできる?みたいな雰囲気で。できるもできないも、やれるんだったらやりたいなと。あと、僕自身が思ったのは、動き出さないと動けないと思ったんですよ。何かきっかけがないと動けないと思って。歳も歳だから、どんどん守るものができちゃうわけじゃないですか。そうなると守ったらおしまいだなっと思って、これはやっておこうと思って」

ー去年の1月の試合の後、4月の試合のオファーがあったと思うのですが、そういうのは嬉しいですか?今回は負けた後ではありますけど、試合の後すぐにオファーが入るということは。
「オファーがあるのはありがたい話です。フリーで格闘技やっていると、オファーがなくなったら辞めるしかないじゃないですか。僕の場合、フリーでずっとやっていて、オファーがなくなったら辞めていいと思ってやっているから、そう思うとオファーがあるというのは本当ありがたいですね。」

ーそれはMMAでもグラップリングでも、試合ということに対して嬉しいという気持ちですか?
「嬉しい気持ちと、不思議だったのが、試合が終わった後に好きなことをやろうと思ったんですよ。だから、単純に格闘技だけやればいいんじゃないかなと思ったんだけど、やっぱり試合が決まるとどうやって魅せるのかな、どういう世界で作るのかなみたいなものを考えちゃう自分がいて、そう考えると好きなんだなと思いますね。魅せるとか表現するとか。」

ー基本的に試合のオファーに対してはNOという主義ではないと思いますけど、今回のオファーを聞いて思ったことはありますか?19歳という若い選手ではありますか。
「やばくない?20歳違うんだよ。そんなことある?」

ー親子という年齢もあり得ますからね。
「あり得る。」

ー相手のことは知っていましたか?
「彼有名だよ。若い子とやるとか、世代が代わっているみたいなことは、クリスチャン・リーの時に思っていたんですよ。若い子達とこういうことやっていくんだな、首を絞められていく仕事なんだろうなというのは思っていて。でも、やっぱり一番辛いことは下の世代に引き継げないことだから。光栄な仕事だなと思います。凄い強いらしいよ。知ってた?」

ー青木さんの19歳のころを振り返ると、どんな青木さんでしたか?
「19歳のころってまだ学生だったし、全く先が見えなかった。違うところでも言っているけど、今って格闘技だけじゃなくて、いろいろ世に出る手段があるじゃないですか。ちょっと頭があったり、身の振りが上手だったらいろいろ世に出る方法があるんですけど。僕らの時って世に出る方法が無かったから、どうやって自分が上にいこう、名前を挙げようと思って必死にやっていたと思うんですよね。23歳になったとこでその当時のメジャーのPRIDEに上がっているんですけど、その時に凄い早いって言われたんです。若いって言われたんですけど、今からしたら23歳でONEの舞台に上がる子って普通にいるじゃん。今の時代というのは若い子が強くなったというよりも、プラットフォームがすごい育っているんだと思います。」

ーそういった意味では青木さんが勝っても負けても、今回の相手は青木さんと戦うことで彼にとって大きな意味のあることになりますよね。
「ONEの中ではそうなるんだけど、全力で引き分けてやりますから。V.V Meiのガッツが凄い良かったって言っていて。絶対獲らさないぞというのもあるし、あわよくば獲ってやろう。20歳違うのは違いますよね。」

ー19歳でONEとサインをしていてイケイケなんでしょうけど、それを押しのける青木さんを皆は期待していると思います。
「頑張る。単純に感性が違うと思うんです。26歳と18,9歳の感性って違うじゃないですか。俺はそれを思っちゃって。若い子の感性を学ぶ意味でやりたいですね。MMAもそうなんですけど、リズムが違うんですよ。リズムが早かったり逆にゆっくりだったり、トレンドも組み立ても違う。おじさんってどうしても若い子のリズムとか組み立てを嫌って叩いて行くんですけど、結局それをやっていくと負けていくじゃないですか。どんな感性なのか触れてみたいですね。」

ー5歳違うだけでだいぶ感性が違いますからね。
「そう。格闘技でいうと3,4,5歳で世代が違うんで、それはもう全然違うと思います。ONEも3年単位で回っていると思うんですよ。アウンラが頑張った時期があって、フォラヤンが頑張った時期があって、世代が変わっていくじゃないですか。そういう意味で世代の3つ、4つ、5つ違う世代と組んでみたいですね。」


ーONEでのグラップリングマッチが3戦目ですが、青木さんの中でグラップリングマッチに対する思い入れというのはありますか?
「誰も突っ込んでいないですけど、ONEでグラップリングマッチしたの俺が初ですからね。俺とガフロフのが初で、そのあとが俺とトノンなんですよ。その二つの試合が、グラップリングでは珍しくフィニッシュしたんですよ。両方試合の展開に動きがある試合で、評判が良かったんですよ。なので、俺的にはグラップリングが盛り上がれば盛り上がるほど、俺が最初にやったんだからなって言い続けようと思います。」


ー青木さんの試合、試合までの道のりも楽しみにしている人もたくさんいます。
「わりと早い復帰なんですけど、変わらずにまたお客さんの前に立てるということは本当にありがたいことなので、頑張っていきたいと思います。」
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

シンガポール発、アジアで絶大な人気を誇る格闘技団体「ONEチャンピオンシップ」! 世界トップクラスの選手や日本人注目選手の最新情報をお届けいたします。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント