【日本グランプリシリーズ】桐生、2022年国内初戦10秒18で勝利!多田は2位!男女の300mで川端、久保山が好記録/第76回出雲陸上
【アフロスポーツ】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で、一昨年は中止、昨年は無観客で行われましたが、今年は有観客での開催が実現。グランプリ種目が行われた大会2日目の4月24日には、多くのファンが見守るなか、東京オリンピック日本代表をはじめとするトップスプリンターたちがレースに臨みました。
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男子100mは桐生が10秒18で制す
国内初戦を勝利で飾る
男子100mは、昨年の東京オリンピック日本代表の多田修平(住友電工)、桐生祥秀(日本生命)、デーデー・ブルーノ(セイコー)の3選手がエントリーしたことで、3年ぶりに会場での観戦が実現したファンの関心を集めました。3選手は、3組で行われた予選は各組に分かれて入り、1組で多田選手が10秒29(+1.3)、2組で桐生選手が10秒12(+2.1)、3組でデーデー選手が10秒46(+0.1)と、それぞれ1着で通過して、順当に決勝に進出。約2時間少々のインターバルをおいて行われた決勝は、桐生選手が2017年にマークしている10秒08の大会記録更新、さらには世界選手権参加標準記録の10秒05クリアなるかが注目されるなかでのレースとなりました。直前に行われたB決勝は2.8mの追い風参考記録。A決勝は、レース後の桐生選手曰く、「予選もそうだったけれど、スタート前は“ど向かい”(完全な向かい風)だった」そうですが、終わってみると追い風1.5mという条件下でのレースとなりました。
序盤は内側のレーンに入った本郷汰樹選手(名古屋大学)や草野誓也選手(Accel TC)がやや先行した感がありましたが、桐生選手が中盤で抜け出すと、その差を広げて10秒18で優勝。2位には、桐生選手と似た展開で他選手をかわした多田選手が10秒27で続き、本郷選手(10秒30)、草野選手(10秒33)が3・4位。デーデー選手は、持ち味とする後半の伸びやかさがまだ見られず、10秒50(8位)でのフィニッシュとなりました。
桐生選手は、今季は、4月9日に、合宿先のブリスベン(オーストラリア)で、トレーニングの状態チェックとレースの緊張感を味わうことを目的に100mに出場しましたが、悪天候も重なり10秒55(-1.4)と10秒41(-1.5)という結果にとどまっていました。そのレースを振り返り、「あれ? 俺、足が遅いのかなと思った」と苦笑いした桐生選手ですが、それから2週空けて迎えたのが、今回の出雲陸上でした。
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男子300mは東京五輪マイル代表対決!
川端が佐藤を押さえ、初優勝
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300mの2時間ほど前に、ウォーミングアップレースという名称で行われる100mを10秒38(+2.1)で走ったのちに、この結果を残した川端選手は、「ウォーミングアップレースの100mをいい形で走ることができ、そのスピードを生かせた」と笑顔を見せました。昨年まで、「中学生のころからの夢だった」教職に就いていましたが、それと同時に、もう一つの夢でもあったオリンピック出場も実現。国を代表するレベルの選手として競技にも取り組むなかで、練習時間の確保や遠征へ出かける際に休むことができない等の問題に直面し、「難しい決断だった」が悔いなく競技に取り組んでいくことを選択。昨年まで勤務していた中学校を退職して、この春からは、中京大のコーチを務めながら競技中心の生活を送る日々へとキャリアチェンジしました。とはいえ、教職と両立して取り組んできた昨年から冬季は、「基礎体力を落とさないように、時間を見つけて、不整地や坂を使って練習する程度」で精いっぱい。このため、「今年は失敗でもかまわないから、試合にたくさん出て挑戦していこう」という心構えでレースに臨んでいます。それだけに「練習が足りていないことは自覚していないなかで、記録が落ちていなかったことは自信になった」と、レース後、声を弾ませました。
今季は、世界選手権への個人種目(400m)での出場が大きな目標。ただし、この種目の参加標準記録は44秒90と、川端選手の自己記録の45秒75とはまだ少し開きがあるため、現段階ではワールドアスレティックス(WA)のワールドランキングによるポイントによる出場を視野に入れています。実現に向けては、「最低でも45秒台ではすべてまとめないといけない」という見立て。自己記録を今季中に45秒5台に引き上げるとともに、アベレージでの高い安定を目指そうとしています。
「コーナー抜けはよかったのだが、出だしの100mでもっとスピードに乗りたかった」とレースを振り返ったのは、2位の佐藤選手。この冬は、これまでに高めてきた最大スピードを、楽に出せるようにすることに主眼を置いたトレーニングに取り組んできたと言いますが、「それがまだうまくハマっていない。8割くらいまでしか仕上がっていない体感で、モヤモヤしている」そう。「どのレースに出ても、“まだまだやれる”という感じがするので、そこを、木南記念、日本選手権で合わせていきたい」とコメントしました。今季は、「44秒台が当たり前になるスピード感、競技レベル」がターゲット。「最低でも44秒台は出しておかないと、パリ(オリンピック)を見据えたうえで、個人(400m)でもマイル(4×400mR)でも厳しいと思う」と、強い思いを持っています。44秒台突入のために想定しているのは、最初の200mを20秒8〜9で通過するレース。「そうすれば、残りを23秒9で走っても44秒台が出る」とし、その練習はできているといいます。まずは、アジア大会の代表選考がかかる木南記念で、その実現を目指します。
女子300mは久保山が日本歴代3位でV
女子100mは、連戦の三浦が優勝
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文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
桐生、2022年国内初戦で勝利!多田は2位!男女の300mで好記録【日本グランプリシリーズ 2022シーズン 出雲大会】ダイジェスト
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