参考レースの勝ちタイムと皐月賞との関連性は?
【2022/3/6 中山11R 弥生賞(G2) 1着 10番 アスクビクターモア】
そこで今回は参考レースの勝ちタイムに注目し、皐月賞との関連性を探ってみることにした。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
過去10年の弥生賞ディープインパクト記念の勝ちタイム
■表1 【過去10年の弥生賞ディープインパクト記念の勝ちタイム】
競馬は単純にタイムが速ければ良い(強い)というわけではないが、弥生賞ディープインパクト記念においては重要かもしれない。良馬場以外で行われた12年、15年、19年、20年の勝ち馬の中で、皐月賞で好走した馬はいなかった。12年や20年は皐月賞が稍重で行われ、実際にレースの時計は少しかかったのだが、弥生賞ディープインパクト記念の勝ち馬はいい結果を出せなかった。一方、良馬場で勝ったトゥザワールド(14年)、タイトルホルダー(21年)は皐月賞で2着と好走。皐月賞がどんな馬場状態になろうとも、弥生賞ディープインパクト記念は良馬場で勝った馬を評価するべきという傾向だ。よって、今年2分00秒5(良)で制したアスクビクターモアも、本番で楽しみがあると考えられる。
過去10年のスプリングSの勝ちタイム
■表2 【過去10年のスプリングSの勝ちタイム】
その他では15年キタサンブラック、20年ガロアクリークが皐月賞で3着と好走。18年はスプリングS1着のステルヴィオではなく、2着エポカドーロが皐月賞で優勝した。スプリングSも良馬場で行われた時の方が、本番につながりやすい印象だ。
今年のスプリングSはビーアストニッシドが逃げ切り勝ちを果たしたが、あいにく稍重馬場でのレースだった。ただ、勝ち時計は1分48秒4と、良馬場並みのタイムが出た。単純に軽視していいものか、判断が難しい。
過去10年の若葉Sの勝ちタイム
■表3 【過去10年の若葉Sの勝ちタイム】
過去10年の共同通信杯の勝ちタイム
■表4 【過去10年の共同通信杯の勝ちタイム】
勝ちタイムを比較すると、1分46秒0(良)の速いタイムで勝ったメイケイペガスター(13年)が本番では結果を出せなかった一方で、稍重のなか1分47秒4で勝ったディーマジェスティが皐月賞を制した。よって勝ちタイムはあまり気にする必要がないレースかもしれない。今年はダノンベルーガが、稍重のなか1分47秒9で勝利。果たして同馬は皐月賞でどんなパフォーマンスをみせるだろうか。
G1昇格後のホープフルSの勝ちタイム
■表5 【G1昇格後のホープフルSの勝ちタイム】
過去10年の東スポ杯2歳Sの勝ちタイム
■表6 【過去10年の東スポ杯2歳Sの勝ちタイム】
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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