【UFC】UFC殿堂の一員、ロンダ・ラウジーの軌跡

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ロンダ・ラウジーとの契約をUFC会長のデイナ・ホワイトが発表したとき、格闘技の世界が永遠に変わった。

ラウジーが書類にサインする前、女子にはオクタゴンで戦うチャンスがなかった。しかし、Strikeforceでの圧倒的な戦いでボスの目にとまったラウジーは、もう受け入れるしかない存在だった。

女子格闘技界における真の先駆者である“ロウディー”ことラウジーほどMMA(総合格闘技)界で超越した選手は少ない。ファイティングキャリアが終わった後でも、ラウジーはUFCの殿堂に加わったことで新たな歴史を作った。

引退してからも女優やプロレスの世界に転向することでファンを楽しませ続けているラウジー。Wrestlemaniaで初めて女子によるメインイベントを戦うことでも、また歴史に名を刻んでいる。ラウジーがWrestlemania 38でWWEに戻ってくるのを待っているファンたちに、その偉大な奇跡の一部をご紹介。

ロンダ・ラウジー vs. サラ・ダレリオ

Strikeforceチャレンジャーズ18(2011年8月12日)

アマチュア3勝とプロ2勝をすべて第1ラウンドのアームバーによるサブミッション勝ちで決めてきたラウジーは、Strikeforceとの契約が発表されたときにはすでにコアな格闘技ファンにはよく知られた存在だった。よりカジュアルなファンたちは2011年8月12日にラウジーという選手を知ることになる。カリフォルニアの人々が落胆することはなかった。ラウジーは開始25秒で――そう、ご想像通り――アームバーでダレリオを倒している。

ロンダ・ラウジー vs. ミーシャ・テイト1

Strikeforce:テイト vs. ラウジー(2012年3月3日)

Strikeforceデビュー戦から3カ月でジュリア・バッドを39秒で仕留めたラウジーの次の対戦相手としては、このプロモーションの女子バンタム級チャンピオンであるミーシャ・テイトしか考えられなかった。この試合が女子MMA界で史上最大のバトルになることは明白であり、当時はUFCに女子の階級が存在しなかったのはご記憶の通りだ。UFC会長のデイナ・ホワイトは頑固にその道を貫こうとしていた。少なくとも、この試合を見るまでは。

注目を集めたこの試合で両ファイターが見せたカリスマ性やハイレベルなスキルが、デイナ・ホワイトにUFCが女性に門戸を開くときだと納得させた。当然、この試合は歴史的な側面を別としても行われるべき試合であり、ラウジーはいつも通り圧倒してこれまでで最もタフな相手をサブミッションによって第1ラウンドで制した。

ロンダ・ラウジー vs. サラ・カフマン

Strikeforce:ラウジー vs. カフマン(2012年8月18日)

レスラーやグラップラーとの試合を通して世界にその存在を知らしめたラウジー。ジュリア・ブッダはストライキングをバックグラウンドとしているものの、元Strikeforceチャンピオンのサラ・カフマンは一つ上のレベルであり、2012年夏に組まれた彼女たちのタイトル戦については、無敗のラウジーがこれまでに多くの相手をノックアウトしてきたストライカーからパンチを食らうのかどうかが話題となった。

ある意味、それは分からないままとなっている。ラウジーは再び比類ないフィニッシャーであることを証明し、1分もかからずにカフマンをサブミットした。――次の舞台はUFCだ。

ロンダ・ラウジー vs. リズ・カムーシュ

UFC 157:ロンダ・ラウジー vs. リズ・カムーシュ(2013年2月23日)

2013年2月、カリフォルニア州アナハイムで歴史が動いた。この一夜だけは、ホンダ・センターはロンダ・センターだった。新たに戴冠したばかりのUFC女子バンタム級チャンピオン、ラウジーが、UFCで初めて行われた女子の試合の第1ラウンドで、リズ・カムーシュをサブミットしたのだ。もう少し説明しよう。ラウジーのアームバーが試合に幕を引く前、カムーシュがラウジーにリアネイキドチョークをかけ、あと少しで女子MMA界の勢力図を描き換えるところだった。両ファイターはUFCに女子の居場所があることを十分に示した。ラウジーの熱い心が見えたこの一戦から、胸躍る世界が始まったのだ。

ロンダ・ラウジー vs. ミーシャ・テイト2

UFC 168:ロンダ・ラウジー vs. ミーシャ・テイト 【Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images】

UFC 168:ラウジー vs. テイト(2013年12月28日)

最初のバトルではラウジーがテイトの腕を折る寸前だった。もちろん2人のライバル関係がクールダウンするはずもなく、ジ・アルティメット・ファイター(TUF)18でコーチとして対峙したことでそれは高まるばかりだった。しかし、以前の繰り返しになると予想されていたUFC 168で、ラウジーはこれまでにない長い試合を強いられた。ウルトラタフなテイトが、初めてチャンピオンを第2ラウンドに引きずり出したのだ。しかし、ラウジーが下がることはなかった。第3ラウンドでフィニッシュを決めるまで激しい攻撃を加え続けたラウジーは、敢闘試合賞とサブミッション賞の栄誉に浴している。

電撃的連戦

ロンダ・ラウジー vs. キャット・ジンガノ 【UFC】

UFC 170 対サラ・マクマン
UFC 175 対アレクシス・デイビス
UFC 184 対キャット・ジンガノ
UFC 190 対ベチ・コヘイア


ロンダ・ラウジーを取り巻く熱狂は、UFC 168の後も続く。雑誌の表紙を飾り、特集が組まれ、映画にも出演。他のファイターならば、それによって注意散漫になっていたことだろう。

ラウジーはオクタゴンの中で、さらに驚異的で破壊的になった。サラ・マクマン、アレクシス・デイビス、キャット・ジンガノとの3つのタイトル防衛戦でのラウジーは、まるで止めることが不可能なように見え、ワールドクラスの3人を66秒、16秒、14秒で倒している。『Sports Illustrated(スポーツ・イラストレイティッド)』はラウジーをこの年の最も支配的なアスリートに選んだ。彼らの表現は、まさに正しかったと言えよう。

2015年8月にベチ・コヘイアを34秒で下したラウジーは、その試合から3カ月後にホリー・ホルムによって女子バンタム級のタイトルを奪われたものの、圧倒的な頂点での歩みは決して忘れられることがないだろう。
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