埼玉西武の「骨と牙」が、二人揃って球史に新たな足跡を残すか? 2022年のパ・リーグで達成が期待される記録一覧【野手編】

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 プロ野球の世界においては、毎年さまざまな記録が達成されるもの。来たる2022年シーズンにおいても、まさに前人未到となる記録や、史上数人しか達成者のいない非常に珍しい記録をはじめとする、バラエティ豊かな記録の達成が見られるかもしれない。

 今回の記事では、2022年のパ・リーグで達成される可能性がある主な記録を紹介していく。

※以下の数字は2022シーズン開始前時点

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 中村剛也選手は、通算6度の本塁打王と4度の打点王を獲得した、近年のNPBを代表する長距離砲だ。そして、史上14人目の450本塁打まであと8本と、今季中にまた一つ大きな勲章を手にしそうな気配だ。また、故障などによる離脱さえなければ、2000試合出場も十分に達成可能な数字となっている。

 また、中村選手は2021年までに1914個の三振を記録しており、現在のNPB記録である通算1955三振まで残り41。そして、前人未到の通算2000三振までは、残り86となっている。三振数は打者にとってマイナスの記録でこそあるが、この数字はホームランバッターとして長きにわたって活躍し、フルスイングを続けてきた証でもある。今季の中村選手は二つの側面で、NPBの歴史にその名を刻んでくれそうだ。

 その中村選手とは同期入団の盟友である栗山巧選手も、史上17人目の1000四球まで残り29、史上15人目の400二塁打にも残り19と、2つの希少な記録に迫っている。選球眼の良さは言うに及ばず、2019年から2年連続で20二塁打以上を記録した栗山選手なら、いずれも十分に到達可能な数字だ。2022年は、埼玉西武を支えてきた「骨と牙」の二人が、それぞれ希少な記録を達成する年となるかもしれない。

パ・リーグを盛り上げてきた長距離砲2名が、通算1000打点に挑む

 松田宣浩選手も1000打点まで残り16と、通算2000安打よりも達成者の少ない快挙に、今季中にも到達できそうだ。加えて、通算1500三振まで残り5個と、豪快なバッティングでパ・リーグを沸かせてきた松田選手らしい記録も間近。通算350二塁打には前年と同じペースでは届かないが、残る数字は栗山選手同様の19本と、こちらも十分に達成可能な水準だ。

 ただし、通算2000試合出場に関しては、中村選手と同様に、ほぼフルシーズンでの出場が必要となる。松田選手は2014年から2020年にかけて815試合連続出場という記録を残したが、ここ2年間は不振もあってやや出場機会を減らしていた。残り189本となった通算2000安打への足がかりを作る意味でも、非常に重要なシーズンとなってきそうだ。

 浅村選手は昨季こそ不振に苦しんだものの、1度の本塁打王と2度の打点王に輝いた実績を持つだけに、250本塁打、1000打点共に、達成は十分可能な水準と考えられる。300二塁打も昨季と同じペースなら到達できるだけに、こちらも記録ラッシュのシーズンとなる可能性はあるはずだ。

 また、ブランドン・レアード選手と山川穂高選手の二人も、200本塁打の大台を射程圏内に捉えている。来日8年目での“寿司200貫”達成が目前のレアード選手だけでなく、山川選手も不振に苦しんだ過去2年間を含め、直近5シーズン連続で23本塁打以上を記録。この実績を考えれば、両者ともに今季中に到達する可能性は高いといえよう。

史上3名しか達成者のいない、極めて希少な記録が見られる可能性も

 盗塁部門では、荻野貴司選手が250盗塁まで残り6。荻野貴選手はプロ初年度から12年連続2桁盗塁という記録を持つだけに、達成は濃厚と言えそうだ。また、シーズン40盗塁を2度記録した実績を持つ金子侑司選手も、本来の調子を取り戻せれば、今季中の250盗塁到達もありうるだろう。

 変わったところでは、千葉ロッテ時代から死球の多さに特徴のあった鈴木大地選手が、100死球まであと5に迫っている。東北楽天への移籍後は死球が減少傾向にあるが、長い球史で達成者が22名と比較的珍しい記録なだけに、今季中の達成なるかに注目だ。

 そして、今宮健太選手は達成者が史上3名のみと極めて希少な記録である、350犠打まであと23に迫っている。2019年以降は犠打数が減っていたが、昨季はリーグ2位の23犠打を決めており、再びつなぎ役を担うケースが増加。ちょうど昨季と同じ数の犠打を決めれば大台に到達できるだけに、積み重ねた職人技による快挙達成に期待したいところだ。

記録達成の瞬間は、選手一人ひとりのドラマが詰まったものでもある

 日本最高峰の選手が集うプロ野球の世界では、選手一人ひとりの記録にもそれぞれのドラマがある。時には故障や不振とも戦いながら記録を達成した選手が、プレートを受け取って表彰を受ける瞬間は、本人だけでなく、周囲の人々やファンにとっても、ひときわ感慨深いものとなるはずだ。

 今回取り上げた選手たちは、いずれも長年にわたってNPBを盛り上げてきた功労者でもある。長く日本球界で活躍してきた証でもある、各選手の節目の記録が達成される瞬間に、ぜひ注目してみてほしい。

文・望月遼太

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