皐月賞へ向けたトライアル競走第1弾・弥生賞を分析する
【2021/3/7 中山11R 弥生賞(G2) 1着 4番 タイトルホルダー(4番人気)】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
馬番別成績
■表2 【馬番別成績】
前走クラス・前走レース別成績
■表3 【前走クラス・前走レース別成績】
前走クラス別で好走馬が多いのはG1組とG3組。G1組はやや勝ち切れない感もある一方で、複勝率は70.6%と非常に高い。G3組も同31.3%と上々だが、本競走と同コースで行われている京成杯組は【0.0.2.8】と連対がない。また、オープン特別組の好走馬3頭の前走はすべて若駒Sで、この組は【2.1.0.2】連対率60.0%をマークしている。なお、前走でジュニアCに出走していた馬は過去10年では該当がなかった。
前走G1組の各種条件別成績
■表4 【前走G1組の各種条件別成績】
表3にあったように前走G1組は複勝率が優秀な上、単複の回収率も100%を超えている。該当馬はすべて買ってもいいくらいだが、さらに好走確率が高そうな馬に絞るなら前走のG1連対馬(特に優勝馬)、新馬戦で1着だった馬、そしてキャリア2〜3戦馬。ただし、これに該当しなくても複勝率は決して「低い」というほどではない点には注意したい。
前走G3からの3着以内好走馬
■表5 【前走G3からの3着以内好走馬】
また表5の10頭のうち、コスモオオゾラを除く9頭は前走時に3コーナーを5番手以下で通過していた。前走3コーナー4番手以内だった馬は【1.0.0.10】複勝率9.1%、5番手以下は【3.3.3.12】複勝率42.9%となるため、G3組なら好位以降から差す競馬をしていた馬に注目したい。なお前走G1組は、そのG1で3コーナー4番手以内だったとしても【2.0.2.1】とまったく問題ない。
前走オープン特別・1勝クラスからの3着以内好走馬
■表6 【前走オープン特別・1勝クラスからの3着以内好走馬】
また、前走の通過順は好走した7頭すべて3コーナー3番手以下だった。前走の3コーナーを2番手以内で通過していた馬は2012年のフェノーメノが2番人気で6着、そして2017年にはダイワキャグニーがやはり2番人気で9着に終わるなど【0.0.0.9】。表3では好成績を示していた若駒S組でも、ここ2年は同レース3コーナー先頭だった一昨年のパンサラッサが9着に、2番手だった昨年のタイセイドリーマーが10着に敗退した。
【結論】
前走G1組が高複勝率を残す弥生賞(表3)。中でも前走連対馬や新馬戦1着馬、キャリア2〜3戦馬が安定している(表4)。今年のG1組でこの3条件をすべて満たすのは朝日杯FSの覇者・ドウデュースだ。今回は2ハロンの距離延長になるが、この組は2016年にマイル戦しか経験がなかったエアスピネルが3着に入るなど2000m未経験馬が大半という中で好成績を残しており、1800mで2勝を挙げている本馬なら不安はない。
また表4本文でも触れたように、前走G1組は上記3条件を満たせない馬でも複勝率は低くないため軽視は禁物だ。前走ホープフルSで連対を外していた馬がここ3年連続して馬券に絡んでいることもあり、同レース3着のラーグルフや、5着だったボーンディスウェイも候補に挙げたい。
前走G3組は表3にあったように京成杯組が連対なし。その他の組で「前走芝1800m以上5着以内」「前走3コーナー5番手以下」(表5)を満たすのは、京都2歳Sを制したジャスティンロックと、きさらぎ賞を勝ったマテンロウレオの2頭だ。前走オープン特別・1勝クラス組で表6の条件を満たす登録馬はおらず、上記5頭を中心に組み立てたい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ