【鳩スタ殿の13人】#008 栗山聖(鎌倉インターナショナルFC 選手)ー 昇格の瞬間を『鳩スタ』でみなさんと分かち合いたい

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【DAN IMAI】

 神奈川県リーグに所属する鎌倉インテルが、民間の力だけでつくり上げた自前のホームグラウンド「みんなの鳩サブレースタジアム」(通称「鳩スタ」)。雑草の生い茂っていた古都・鎌倉の広大な空き地に誕生した「鳩スタ」は、その名の通りに「みんなの思い」が形になった場所だ。

 ここでは「鳩スタ殿の13人」と題して、「鳩スタ」に関わる人々のそれぞれの思いに迫る。今回は、鎌倉インテルの守護神であり、2022年シーズンから新たにキャプテンを務めるGK栗山聖。

(文・本多辰成/スポーツライター)

地域やクラブと一体になれる環境を求めて鎌倉インテルへ

 昨シーズン、新守護神として鎌倉インテルのゴールを守った栗山聖。クラブのビジョンに惹かれて鎌倉インテルのセレクションに参加したのは、2020年末のことだった。

「大学を卒業して、インテルに入るまでは茨城県のつくば市にあるチームでスクールのコーチをしながらプレーしていたんですが、社会人サッカーではチームメイトやクラブ全体で喜んだり、サポーターを喜ばせたりという経験をするのはなかなか難しいと感じていました。そういう環境を求めていたなかで、興味を持ったのが鎌倉インテルでした」

 大阪府出身の栗山は、和歌山・初芝橋本高時代に主将として全国高校サッカー選手権大会に出場。立教大を経て社会人サッカーの世界を経験してみたものの、そこには栗山が求める環境はなかった。「サッカーを楽しめず、幸せを感じられなかった」という時間のなかで、鎌倉インテルが掲げるビジョンが栗山には魅力的なものに映った。

「ちょうど『鳩スタ』をつくるためのクラウドファンディングをしている時期だったと思いますが、そのニュースを見て興味を持ちました。一番刺さったのは『CLUB WITHOUT BORDERS』というクラブビジョンでした。自分自身の限界だったり、人と人との人間関係の壁だったり、そういったいろいろな『ボーダー』を越えてみんなで幸せになれるようなサッカークラブ。『鳩スタ』ができるということと、そのクラブビジョンに惹かれました」

「鳩スタ」完成前は、今まで感じたことのないストレスがあった

フットサルコートでのGK練習 【Kazuki Okamoto (ONELIFE)】

 創設間もない県リーグ所属のクラブが、自前のグラウンドを建設する。そのプロジェクトには素直に「すごいな」と感じたものの、比較的恵まれた環境でサッカーをしてきた栗山には、グラウンドがあること自体がそれほど特別なことだとは感じられなかったという。

「それまでプレーしていた社会人チームには自分たちのグラウンドがありましたし、大学時代も当たり前のようにグラウンドがある環境でした。なので、正直なところ、最初はグラウンドがあることがめちゃくちゃすごいことだとは思っていなかったんです。でも、鎌倉インテルに入ってみると、グラウンドを確保することが難しいクラブがほとんどだという実情を知って、改めてすごいことをやろうとしているんだと実感しました」

 栗山がチームに加入した時点では、リーグ開幕時に「鳩スタ」がオープンしている予定だった。だが、コロナ禍もあり着工が遅れ、しばらくの間はそれまでと同様にフットサルコートなどを借りての練習が続いた。「鳩スタ」ができるまでの期間は栗山にとって、図らずも社会人サッカーの実情を体感する時間となった。

「フットサルコートでしか練習ができないというのは自分にとって初めてのことでしたし、正直、厳しかったです。サッカーの練習はできないのと一緒で、コンディションを維持するためのトレーニングをしているだけという感じでした。特に自分はGKなのでサッカーのゴールで練習ができないのはきつかったですし、サッカーの練習をせずに週末の試合に臨むというのは今まで感じたことのないストレスがありました」

「鳩スタ」で地域の人から応援される感覚を初めて味わった

【DAN IMAI】

 栗山にとっては初めての経験であった難しい時期を経て、昨年10月に待望のホームグラウンド「鳩スタ」がオープン。チームの練習環境は劇的に改善され、ゴールマウスに立って見るチームメイトのプレーも明らかに質が高まったと感じている。

「サッカーの練習ができるようになったことで、みんなプレーの精度が上がりました。それまでは変なトラップミスとかパスミスがあったのが少なくなりましたし、僕自身もサッカーのゴールで練習できるようになって感覚がすごくよくなりました」

 コロナ禍の影響で開幕から無観客での試合が続いてきた昨シーズンだが、「鳩スタ」での公式戦2試合目からは有観客での開催が認められることに。鎌倉インテルの象徴となった「鳩スタ」にも、試合を重ねるごとに多くの観客が訪れるようになった。その状況は、栗山にとっても初めて味わうものだった。

「変な話、見たこともない人たちが僕たちを応援してくれているんです。大学であれば部員が応援してくれたりしていますけど、知らない人たちが応援してくれているというのは初めての体験でした。『鳩スタ』ができたことで地域の人たちに応援してもらうということを初めて体感することができて、プレーにも大きな影響があったと思います」

2021年シーズン、鳩スタでの公式戦を全勝で終える 【Kotaro Matsuo】

昇格の瞬間を「鳩スタ」でみなさんと分かち合いたい

 地域の人たちから応援されているという感覚は、試合の時以外にも感じることができるという。

「SNSとかでも、『インテルの選手が頑張っている姿を見て、自分も頑張ろうと思う』とか、『週末の試合を見に行くのが楽しみ』といった声を見ることができます。自分たちのサッカーが何かしら見ている人たちの活力になれていることを実感できますし、鎌倉の人たちにとって徐々に必要な存在になれているのかなと感じています」

2022年シーズンは新キャプテンとして昇格を目指す 【Kotaro Matsuo】

 2022年シーズン、栗山は自らチームのキャプテンを務めたい旨を監督の河内一馬に伝えた。一度は楽しめなくなってしまったサッカーの素晴らしさを、再び教えてくれた鎌倉インテルに恩返しがしたい。そんな思いからの直訴だった。

「チームでひとつになって喜べる感覚だったり、地域の人たちと勝利の喜びを分かち合えたり、改めてサッカーを好きになれた感じがしていて。それができたのはクラブのおかげだと思っているので、今年1年もプレーで貢献したい。その覚悟の証拠としてキャプテンに立候補しました。『鳩スタ』をひとつにするサッカーを見せることが僕たちのミッションなので、勝ってみんなで喜ぶことを重ねていきたい。そして、最後は昇格の瞬間をみなさんと一緒に分かち合いたいと思います」

 2022年シーズン、新キャプテンとなった守護神が「鳩スタ」を舞台にチームを悲願の昇格に導く。

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著者プロフィール

鎌倉インターナショナルFC

鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル)は、世界で最もグローバルなスポーツであるサッカーを通じて未来の日本を国際化していくため、2018年に設立された新しいサッカークラブです。現在は神奈川県社会人リーグに所属していますが、プロサッカークラブ(Jリーグ参入)、そして世界を目指して活動をしています。『CLUB WITHOUT BORDERS』をビジョンに掲げ、日本と世界を隔てる国境をはじめ、人種や宗教、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”(境界線)をもたないサッカークラブを目指しています。

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