これまで納得のいくパフォーマンスは発揮できていない。交流戦からは強気なプレーをどんどん出していく!
【コベルコ神戸スティーラーズ】
悪いものを持ってきてしまったのだろうか…
「NTTジャパンラグビー リーグワン2022」のオープニングマッチとなった第1節シャイニングアークス東京ベイ浦安戦、第2節横浜キヤノンイーグルス戦と、開幕2連敗を喫し、昨年9月にNECグリーンロケッツ東葛から移籍のSH中嶋大希は、苦しかった胸の内を吐露した。3年間所属した古巣では、トップリーグ2020、2021のリーグ戦で勝利に見放され、「勝ち方を忘れてしまっていた時期もあった」と振り返る。
勝ちたい。
勝利に飢えていた。
しかし、自身をさらに成長させるために移籍した新天地で、まさかの連敗。特に横浜E戦での敗戦は、個人的にもチームとしても、ショックが大きかったという。
「あの試合はキックオフから相手に圧倒されてしまって。交代でピッチに入った時に、なんとか勢いをもたらそうと思ったのですが、流れを引き寄せることができなくて…」
このままではダメだ。
変わらないといけない。
チーム内でミーティングを重ね、気持ちを前面に出して激しく戦おうと決意し臨んだ第3節。昨シーズンのプレーオフ準々決勝で敗れたクボタスピアーズ船橋・東京ベイをホームに迎え撃ち、27対22で接戦を制した。
「やっと勝てたと、ホッとしましたね」
自身にとって3年ぶりとなるリーグ戦での勝利。ようやく連敗の呪縛から解き放たれ、心から安堵したという。
続く、埼玉パナソニックワイルドナイツ戦では敗れたが、古巣との対決となった第5節GR東葛戦は、48対17で勝利し、「試合内容も尻上がりに良くなってきていますし、これを第6節からの戦いにつなげていきたい」とチーム力の向上に手応えを感じている。
GR東葛では共同キャプテンを務めた中嶋大希。リーダーシップも魅力。 【コベルコ神戸スティーラーズ】
9番で出たい!
「9番で出たい」
そう思う一方で、スタメンで出場する経験豊富な日和佐との「差」も、感じている。密集周辺でのFW、BKのオーガナイズに、スムーズな球出し、縦横無尽にグラウンドを走り回るフィットネス…。
「特にラックからの球さばきはすごいですよね。どんなボールでもクリーンにさばく。日和佐さんからはよくアドバイスをもらっています」
GR東葛では、2年間、元ニュージーランド代表のSO、スティーブン・ドナルドとHB団を組み、世界トップクラスの司令塔と練習を重ねる中で、パスの精度が上がった。そして今、ラグビーワールドカップに2度出場し、トップリーグ・ベスト15を3度受賞するなど、国内屈指のSHから教えを受ける。
目下の目標は、リスペクトする存在でもあり、ライバルでもある、日和佐からポジションを奪うことだ。そのために、「練習から自分らしさを出して、しっかりアピールをする!」と気合いがみなぎる。
「GR東葛では社業とラグビーを両立させないといけなかったので時間に追われていました。ラグビーにより集中したいとの思いからプロに転向し、神戸では、体のケアや自主トレーニングに取り組むことができています」と、コンディションも万全だ。また、時間ができたことで、己を見つめ直す余裕も生まれた。練習当日の朝にその日にフォーカスする内容をノートに記すようになり、目的意識を持ってトレーニングに臨めるようになった。神戸に移籍して以来、日々成長を感じる中嶋が、第6節以降、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。
「5試合を振り返って、プレータイムが短いこともありますが、納得のいくパフォーマンスは発揮できていません。9番をつけてプレーし、強みのボールキャリーや体を張ったディフェンスで、チームに貢献できるよう頑張ります!」
コベルコ神戸スティーラーズの怒涛の進撃とともに、「大の負けず嫌い」だという中嶋の活躍にも大いに期待してほしい。
昨年春には日本代表候補に選出。神戸スティーラーズで成長し、代表復帰を目指す。 【コベルコ神戸スティーラーズ】
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