平野恵一氏が中信のコーチに就任 5球団中4球団に日本人指導者が
【2021年優勝した中信兄弟 写真提供:CPBL】
新たなシーズンへ向け、多くのチームで首脳陣の入れ替えが行われている。年間4位の富邦はGMが交代、名将・洪一中監督も球団顧問に退き、一軍の新監督には、昨季まで中信の一軍ヘッドコーチを務めた丘昌榮氏が就任、新たなヘッドコーチにも元中信の黄泰龍内野守備コーチが就任した。また、二軍監督には、これまで球団顧問を務めていた「台湾の大砲」陳金鋒氏が就任、陳氏は現役引退後、初めてユニフォームに袖を通すこととなる。
富邦ガーディアンズ新監督丘昌榮 【写真提供:CPBL】
また、統一は、1997年に来台、和信(中信)ホエールズを経て、2003年から2018年まで同球団でトレーニングコーチを務め、チームの黄金時代を支えた一色優氏が復帰した。
そして、ヘッドコーチ、内野守備コーチが富邦に引き抜かれる形となった中信は、昨季まで阪神で二軍打撃コーチを務めた平野恵一氏が一軍の打撃・内野統括コーチに就任、阪神時代の同僚、林威助・監督を支える事となった。味全には、今季3シーズン目となる高須洋介内野守備コーチがおり、5球団中4球団に日本人コーチが在籍することとなった。
留学生がドラフト対象に 新球場、第6の球団、対侍交流試合……楽しみな話題盛りだくさん
なかでも大きな話題となっているのが、日本プロ野球同様、台湾の中学、高校、大学に一定期間、就学した外国人留学生については外国人枠に含めず、ドラフト指名対象にする、というドラフトの改革である。CPBLではさらに、台湾居住5年以上、社会人チームで3年以上プレーした選手もドラフト対象とした。こうした中、注目を集めているのが、国立台湾体育運動大学の3年生、強打の遊撃手、永田颯太郎だ。永田のほかにも、台湾の大学球界には日韓出身者を中心に複数の留学生が在籍しており、近い将来、外国籍初のCPBLドラフト指名選手が誕生しそうだ。
また、4月2日開幕が予定されている今季は、新球場での試合も行われる。使用開始時期は後期シーズン(7月15日)以降となりそうだが、味全が北部、新竹市の旧・新竹球場の跡地に建設中の新球場を本拠地の一つとすることが決定しているほか、ここに来て、台北市に建設中の台北ドームで、プレーオフないし台湾シリーズを開催することへの期待も高まっている。
このほか、昨年12月7日には、立法院(国会に相当)で副院長を兼任するCPBLの蔡其昌・コミッショナーが就任当時から重要なミッションと強調してきた、スポーツ産業へ参入する企業に対する所得税の控除などを定めた「運動産業発展条例」修正案が立法院で可決、第6の球団参入に弾みがついた。中華電信、台湾鋼鉄など候補企業の名も出てきており、今年、より具体的な話へと進展するか注目だ。
また、3月5日、6日の2日間、東京ドームでは、栗山英樹新監督率いる「侍ジャパン」の初陣として、台湾代表との「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2022」が行われる。台湾代表は、統一の林岳平監督が台湾プロ野球の若手選手主体の選抜チームを率いる。一部報道によると、台湾代表にはNPBでプレーする台湾選手が合流する可能性もあるという。ここに来て、日台共に新型コロナウイルスの感染拡大がみられるが、一日も早く落ち着きを取り戻し、無事に開催されることを願うばかりだ。
最後に、今年こそ感染症が収束し、日台双方の球団による本格的な交流、ファンの往来が再開されることを心から願いたい。(情報は1/11時点のもの)
文・駒田英
<前編>中信デポーラが2年連続MVP 元NPBのあの助っ人、コーチが台湾へ
<中編>陳冠宇に呂彦青……ドラフト指名の元NPB選手、日本人選手の成績は?
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ