前走オープン・重賞組が苦戦!? 京成杯を分析する

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【2021/08/15 札幌5R 2歳新馬 1着 3番 ホウオウプレミア】

今週は中京競馬場で土曜に愛知杯、日曜に日経新春杯、中山競馬場で日曜に京成杯と3鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出〜たでは、中山芝2000mで行われる3歳重賞の京成杯をピックアップ。2017年以降近5年のデータから京成杯のレース傾向ならびに今年狙えそうなタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

京成杯近5年の3着以内馬一覧

■表1 【京成杯近5年の3着以内馬一覧】

表1は京成杯近5年の3着以内馬一覧。稍重だった一昨年以外は良馬場で行われ、勝ちタイムは2分1秒2〜3秒1と掛かっている。勝ちタイムが最も遅い昨年は前半1000m通過63秒7とかなりのスローペースで、前残りの展開となった。好走馬の上がり3ハロンを見ると、昨年の勝ち馬グラティアスのみが34秒台で、あとはすべて35〜36秒台だった。

また4コーナー通過順では17年・18年は中団〜後方の馬が多いものの、19年以降は5番手以内の馬が9頭中8頭と大半を占めている。特に4コーナー先頭の馬が近3年続けて連対しているのも大きな特徴だ。

人気順では1番人気馬が【3.1.0.1】で昨年のグラティアスら3勝をあげ、連対率・複勝率80%。2番人気馬は【0.3.0.2】で勝ち星がないものの、連対率・複勝率60%。以下、4・7番人気馬が1勝ずつ。6番人気馬は【0.0.3.2】、7番人気馬も【1.1.1.2】でともに複勝率60%と健闘している。なお、8番人気以下は【0.0.0.31】で好走馬が出ていない。

京成杯出走馬の所属別成績(過去5年)

■表2 【京成杯出走馬の所属別成績(過去5年)】

表2は出走馬の所属別成績。美浦所属の関東馬が近5年すべて勝利しており、連対率・複勝率ともに関西馬を上回っている。昨年は1・2着馬が該当しており、毎年2頭以上馬券圏内に入っている。栗東所属の関西馬は勝ち星がなく、2・3着止まり。関西馬の3着以内馬4頭はいずれも6・7番人気馬で、上位5番人気以内は【0.0.0.6】ですべて着外に敗れている。

京成杯近5年の枠番別成績

■表3 【京成杯近5年の枠番別成績】

表3は枠番別成績。黄色で強調した1枠に入った馬が連対率40%・複勝率60%でトップだ。近2年も一昨年のクリスタルブラック1着、昨年のタイムトゥヘヴン2着と続けて連対している。コーナー4回で早々にペースが落ち着きやすいため、コースロスなく追走しやすい最内の1枠が有利に働くのだろう。今年も1枠の馬はチェックしておきたい。なお、4枠、7枠からは3着以内馬が出ていない。

京成杯近5年の前走クラス別成績

■表4 【京成杯近5年の前走クラス別成績】

表4は前走クラス別成績。意外なことに前走オープン・重賞組はのべ17頭で、連対がなく、3着1回のみと不振傾向にある。3着1回は17年3着マイネルスフェーン(前走ホープフルS2着)のみ。前走の格で判断しない方が良いレースだ。

対して、前走新馬戦組が近3年続けて勝利しており、複勝率46.2%と優秀だ。複勝回収率でも100%を超えている。特に前走2000mの新馬戦を勝利した馬は【1.1.1.1】と好相性だ。未勝利組は勝ち星こそないものの、複勝率22.2%。1勝クラス組は18年ジェネラーレウーノら2勝をあげ、連対率・複勝率ともに未勝利組と並んでいる。

京成杯近5年の前走着順別成績

■表5 【京成杯近5年の前走着順別成績】

表5は前走着順別成績。出走数最多の前走1着馬が近4年続けて勝利し、複勝率31.4%と優秀だ。昨年は上位3着までを独占している。前走2着馬は該当馬3頭がいずれも3着以内に入っている。前走3着馬は一昨年ディアスティマが3着に入っている。なお、前走4着以下だった馬は23頭すべて4着以下に敗れている。

京成杯近5年の前走上がり順位別成績

■表6 【京成杯近5年の前走上がり順位別成績】

表6は前走上がり順位別成績。前走上がり1位だった馬は一昨年のクリスタルブラックら2勝をあげ、連対率・複勝率ともにトップ。近2年は1・2着馬が該当しており、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。前走上がり2位だった馬は19年ラストドラフトら2勝をあげ、複勝率33.3%と前走上がり最速に迫っている。これら前走上がり2位以内の馬で3着以内馬15頭中11頭を占めている。

<結論>

今年の京成杯の出走予定馬(1/12時点)

■表7 【今年の京成杯の出走予定馬(1/12時点)】

今年の京成杯の出走予定馬は表7のとおり。

1番人気になりそうなのは前走新潟2歳S2着のアライバル。ただ、表4で示したように不振傾向にある前走重賞組、前走上がり3位、マイルから2000mへの距離延長など不安材料が多い。前2走と同じルメール騎手が騎乗予定だが、絶対視は危険と見たい。

替わって推奨したいのがホウオウプレミア。前走の百日草特別はスタートで出遅れ、後方からの追走。かなりのスローペースで直線は上がり勝負となったが、先に抜け出したオニャンコポンにクビ差まで迫った。上がりはメンバー中最速の33秒1。まだ荒削りな面はあるが、能力は高い。前走2着、前走上がり最速も強調材料で、好勝負できる可能性は高い。

他ではサンストックトンフジマサフリーダム。サンストックトンは新馬戦でホウオウプレミアの2着。前走3戦目の未勝利戦で勝ち上がったが、内容が非常に良かった。上がり最速で2着に2馬身、3着には5馬身差をつける快勝。格上挑戦のここでも通用しておかしくない。フジマサフリーダムは相性が良い前走新馬戦組。前走522kgと大型馬で、一回使われた上積みは大きいだろう。福島2000mと小回りで勝利しており、前走と同じくスムーズに追走できれば面白い。

あとは逃げてしぶとさを発揮するタイセイディバイン、前走で中山芝2000mを勝利しているロジハービンあたりも注意しておきたい。

ライタープロフィール

文:ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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著者プロフィール

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