スター候補誕生か? シンザン記念を分析する
【2021/1/10 中京11R シンザン記念(G3) 1着 12番 ピクシーナイト(4番人気)】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
前走クラス・距離別成績
■表2 【前走クラス・距離別成績】
また前走距離別では、本競走と同じ芝1600m戦に出走していた馬が複勝率30.3%の好成績。芝1800m以上からの距離短縮馬も同22.2%と悪くないのに対し、芝1400m以下からの距離延長馬や、ダート戦に出走していた馬は苦戦傾向にある。
前走JRA重賞からの好走馬
■表3 【前走JRA重賞からの好走馬】
表3はシンザン記念3着以内馬のうち、前走で中央競馬の重賞に出走していた11頭である。前走でも馬券に絡んでいた馬は2頭だけだが、2桁着順に大敗していた馬も1頭のみ。また、11頭中10頭はシンザン記念で5番人気以内の支持を受けていた。このJRA重賞組で「前走芝1600m以上」「前走9着以内」を満たす馬は【3.3.4.15】複勝率40.0%。さらに本競走5番人気以内に限定すると【3.3.3.8】同52.9%になる。
前走1勝クラス(500万条件)からの好走馬
■表4 【前走1勝クラス(500万条件)からの好走馬】
前走1勝クラス4〜5番人気からシンザン記念で好走した馬はおらず、前走6番人気以下だった馬はキャリア5戦以上なら【1.2.1.7】複勝率36.4%、4戦以下は【0.1.0.3】同25.0%と、こちらはレース経験を積んだ馬の成績が良い。ただ「前走1勝クラス」かつ「前走6番人気以下」を満たすだけでも【1.3.1.10】複勝率33.3%、単複の回収率182%、221%となるため、前走6番人気以下の馬はキャリアを気にせず狙っていく手もある。
前走新馬・未勝利戦からの好走馬
■表5 【前走新馬・未勝利戦からの好走馬】
表5は前走新馬・未勝利戦からの好走馬8頭である。この組は表2でも触れたように重賞組や1勝クラス組に対し劣勢ではあるが、前走1番人気馬にかぎれば【3.2.1.16】複勝率27.3%と上々だ。また、シンザン記念の過去10年では前述のジェンティルドンナやアーモンドアイなど5頭の牝馬が馬券に絡んでおり、うち4頭はこの新馬・未勝利戦組から出ていた。この組の牝馬は計【2.2.0.11】複勝率26.7%、牡馬は【1.2.1.31】同11.4%となる。
もう1点、未勝利戦組の好走馬5頭をみるとすべて新馬戦で2着だった。未勝利戦組は新馬戦2着馬なら【2.2.1.9】複勝率35.7%の好成績で、新馬戦3着以下だった馬は【0.0.0.21】に終わっている。昨年2着のルークズネストのように新馬戦2着→未勝利戦5着→同1着と新馬戦と前走の間にレースを挟んでいても問題はない。
1月・中京芝1600m戦における馬番別成績(2017〜21年)
■表6 【1月・中京芝1600m戦における馬番別成績(2017〜21年)】
【結論】
表2にあったように、前走JRA重賞組の好走確率が高いシンザン記念。前走芝1600m以上でひと桁着順(表3)だった馬はカワキタレブリー、ビーアストニッシド、そしてレッドベルアームの3頭が登録している。このうち5番人気以内(表3)や馬番12番以内(表6)を満たす馬を上位にとりたい。
1勝クラス組に好走確率の高そうな馬(表4)は見当たらないが、一発の期待をかけるなら前走万両賞で11番人気5着のジャカランダ。新馬・未勝利戦組なら芝1600m戦を1番人気で勝ち上がってきた牝馬・ラスールあたりが出走すれば有力だ。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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