今年も堅くおさまるのか? ホープフルSを分析する

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【2021/11/14 阪神9R 黄菊賞 1着 1番 ジャスティンパレス】

有馬記念が終わり、今年の中央競馬は28日(火曜)を残すのみとなった。28日の中山メインで行われるのが2歳中距離チャンピオンを決めるホープフルS。来春の皐月賞と同じ中山芝2000mを舞台に、2014年からはG2、17年からはG1として行われている。今回は14年以降・近7年のデータから今年のホープフルSを展望していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

ホープフルS近4年の3着以内馬一覧

■表1 【ホープフルS近4年の3着以内馬一覧】

表1はG1に昇格した2017年以降・近4年の3着以内馬一覧。勝ちタイムは近4年ともに2分1秒を超えており、時計が掛かるレースとなっている。上がり3ハロンは前半のペースにかかわらず、いずれも35秒〜36秒台で瞬発力よりも持久力が問われる一戦といえそうだ。4コーナー通過順では10番手以下の馬はいないものの、7番手以下の馬が毎年1頭は3着以内に入っている。

人気順では1番人気馬が4連勝中、G2時を含めると5連勝中。2・3着馬も17年の8番人気3着ステイフーリッシュ以外はすべて4番人気以内。17年は3連単5万2380円の配当となったが、近3年はいずれも3連単6000円以下の堅い決着が続いている。今年も堅い傾向が続くのか、表2以下のデータから分析していきたい。

ホープフルS近7年のキャリア別成績

■表2 【ホープフルS近7年のキャリア別成績】

表2は近7年のキャリア別成績。出走数最多の2戦の馬が近3年続けて勝利しており、一昨年・昨年と上位3着までを独占している。1戦の馬は14年シャイニングレイ、15年ハートレーと2勝。勝率・複勝率はトップだ。これら1・2戦の馬で大半の6勝をあげている。

3戦の馬は2着1回のみと不振。4戦の馬は17年タイムフライヤーが勝利している。なお、5戦以上の馬は16年マイネルスフェーン(6戦)の2着1回のみとなっている。

ホープフルS近7年の前走着順別成績

■表3 【ホープフルS近7年の前走着順別成績】

表3は前走着順別成績。出走馬の過半数を占める前走1着馬が好走馬の大半を占めている。前走勝利で勢いに乗る馬が2歳G1の舞台では続けて好走しやすいのだろう。前走2着から勝利したのは17年タイムフライヤー(前走京都2歳S2着)のみ。前走3着以下から好走馬が出ていないのがホープフルSの大きな特徴だ。

ホープフルS近7年の前走人気別成績

■表4 【ホープフルS近7年の前走人気別成績】

表4は前走人気別成績。前走1番人気馬が近6年続けて勝利しており、連対率34.4%・複勝率46.9%と非常に高い。昨年は1・3着馬が該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。前走2番人気馬は14年シャイニングレイが優勝。勝ち馬はいずれも前走2番人気以内に支持されていた。ただし、前走3番人気以下であっても、前走で勝利している馬には注意したい。今回穴を開ける馬が出るならば、そういったタイプかもしれない。

ホープフルS近7年の前走上がり順位別成績

■表5 【ホープフルS近7年の前走上がり順位別成績】

表5は前走上がり順位別成績。前走上がり最速だった馬が昨年のダノンザキッドら最多の5勝をあげ、複勝率38.9%と優秀だ。一昨年・昨年と近2年は上位3着以内を独占している。前走上がり2位の馬は18年サートゥルナーリアら2勝。勝ち馬7頭を含む好走馬の大半は前走で上がり2位以内の脚を使っていた

前走上がり3位からは14年2着コメートのみ。前走上がり4位以下からは3着以内馬が出ていない。

ホープフルS近7年ディープインパクト産駒の前走距離別成績

■表6 【ホープフルS近7年ディープインパクト産駒の前走距離別成績】

表6は近7年で出走数最多のディープインパクト産駒における前走距離別成績。黄色で強調したように前走2000m組が14年シャイニングレイ、15年ハートレーと2勝をあげ、複勝率50%と高い。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

前走1800m以下は19年に優勝したコントレイルしか好走馬が出ていない。コントレイルは翌年に三冠制覇したほどで実力が抜けていたが、後に重賞馬となるヴァンドギャルド6着(前走東京スポーツ杯2歳S3着)、サングレーザー5着(前走デイリー杯2歳S3着)など苦戦している馬が多い。

<結論>

今年のホープフルS出走馬

■表7 【今年のホープフルS出走馬】

ホープフルSの出走馬は表7のとおり。

1番人気に支持されるのは前走サウジアラビアRCで重賞を制したコマンドラインだろう。キャリア2戦、前走1番人気で1着のデータは良いものの、サウジアラビアRCは上がり4位。勝ち時計が1分36秒4と遅かった点も気にかかる。ディープインパクト産駒の前走1600m組でもある。1番人気馬が5連勝中のレースだが、今年は付け入る隙がありそうだ。

データから推奨したいのがジャスティンパレス。こちらもディープインパクト産駒だが、前走2000m組。キャリア2戦で前走1番人気1着と強調材料は多い。前2戦のルメール騎手から今回はC.デムーロ騎手に乗り替わりとなるが、C.デムーロ騎手は17年タイムフライヤーでホープフルSの勝利経験がある。初めての関東遠征で輸送さえクリアすれば、好勝負になる可能性は高い。

サトノヘリオスはキャリア3戦が気になるところだが、近2戦はともに2歳コースレコードで連勝。力をつけてきた印象で、坂があるコースも問題ない。重賞初挑戦ながら一気のタイトル獲得も十分にありえる。

穴ならアケルナルスターを推したい。前走東京芝2000mの未勝利戦は道中後方から上がり33秒5の末脚で一気に差し切り勝ち。上がり2位が34秒8で、1秒3上回っている。勝ちタイムの2分2秒0も前週にオニャンコポンが勝った百日草特別よりも0秒7速い優秀なものだった。末脚比べになるレース展開ならば、一発があっておかしくない。


ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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著者プロフィール

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