不屈のベテラン 下川めぐみ1位に歓喜

チーム・協会

【<Photo:Ken Ishii/Getty images>】

 2021年JLPGAツアー クォリファイングトーナメント(QT)ファイナルステージ最終日が12月3日、静岡県袋井市・葛城ゴルフ倶楽部宇刈コース(6,412ヤード/パー72)で行われた。首位スタートの下川めぐみが通算9アンダーへスコア伸ばし、1位。2位は通算8アンダーの石川明日香。通算6アンダーの川岸史果が3位に続いた。横峯さくらがこの日、69をマーク。通算イーブンパー、21位と前日の42位タイからジャンプアップに成功した。成田美寿々は69でプレーしたが通算6オーバー、54位。
 QTファイナルステージは、22年JLPGAツアー、JLPGAステップ・アップ・ツアー出場決定戦。第1回リランキングまで、今大会の順位で出場資格を得る。JLPGAツアーは、ランキング30位まで、ほぼフル参戦可能。

 38歳のベテランがまるで、ルーキーのように輝いていた。下川めぐみがQTファイナルステージで1位。「ファイナルでは、いつも最終日にまくって出場権獲得が多い。1位は本当にうれしい。また、最終日のトップスタートが初めてだし、あしたも試合があるつもりで、気楽にプレーをした」と話した。

 とはいっても、心中は穏やかではない。「スタート前、7アンダーを守るか。それとも、目標の10アンダーを目指すかーを前日からずっと考えた。そして、攻めることを選択」と続ける。

 結果は4バーディー、2ボギーの70。見事に吉と出た。ところが、今年はプロ入り以来、もっとも厳しいシーズン。7月、体調を崩してしまった。「1カ月近く、寝込んでしまった。練習を始めても、体力が続かない。最初の日は26球、打っただけです。まさか、まさかでした」という。

 そこで仕切り直しは自宅の周囲をウォーキングから。ただし、約600メートル程度が精いっぱいだった。また、体力が少し戻ると打ち込みをスタート。が、1Wの飛距離が50ヤードも落ちていることにビックリさせられる始末だった。

 ただし、ひとつだけ良いことも。「ドローヒッターだったけど、思い切ってフェードへスイッチ。すごくスムーズに移行できた。おかげさまで、ボールが曲がらない。精神的につらかったけど、ここまでプレーができたことが自信になる」と、当時を振り返るようにかみしめた。

 22年は新たなスタートである。そうはいっても、取り組むことがたくさん。「飛距離アップ。ショートゲームを磨く。トレーニングと練習をたくさん。でも、目いっぱいやったって、ケガをしては仕方がありません。オフは、より丁寧に過ごします。すべてのバージョンアップができたらいい」が目標だ。

 悪いことの後には良いことがあるもの。JLPGAツアーでは、奇跡のホールインワンで名を馳せた。これからが正念場である。
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