<国内男子ゴルフ>完治までまだ道半ば。それでも堀川未来夢は「イップスになってよかった」

日本ゴルフツアー機構 (JGTO)
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【おしゃべりは得意です©JGTOimages】

■賞金シード決着「カシオワールドオープン」 11月25日ー28日
Kochi黒潮カントリークラブ(高知県)7335yard / par72 ▼28日(最終日)

堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)がコロナ禍でスタートした動画チャンネルの登録者数は、14万人を超える。饒舌な語り口で切り込むレッスンや、プロ仲間のクラブ紹介は面白くてためになる、と評判だ。

でも、自身が克服につとめてきたパットのイップスについては語るつもりはないという。
理由は「再生回数が伸びないから」と、ユーチューバーの答えは実に明快だ。

人によって症状はそれぞれだが、堀川の場合は特に緊張した場面で勝手に右手が意図しない動きをする。
確かに「イップス」という響きからして、あまり楽しくはない。むしろ、ネガティブな印象がつきまとう。
実際にそのせいで、引退に追い込まれた選手だっている。

堀川自身も「かかってからの2年半が10年以上に長く感じた」と、苦衷を打ち明けたが、この選手が言うと、なぜだかとても軽やかだ。

19年の初優勝に続く完全優勝だが「2年前なら2〜3メートルのパットは、射程圏内。外れる気がしない」と、一番の長所を自負した。
「それが壊滅的になったので。まったく戦える気がしなかった」と、2度目の完全Vは、苦闘の中でつかんだものだ。

2位と3差をつけて入った最終日も症状が出ていた。
日大の1年後輩で、専属キャディの吉田心さんは、「15番でした」という。
「6メートルの上りです。下りはまだよくて、ああいう打たなきゃいけない時に緩む。左カップいっぱいって話したのに、カップ3個くらい左に行って。ついに顔を出したな、と笑っていた」。

今年は、夏場が一番ひどくて「2人で一生懸命ラインを読んでも、全然違うほうに行くから読んでも意味ないね、と」やっぱり2人で笑った。

息の仕方を変えたり、目をつぶって打ったり、パターも何十本も試して格闘しながら、いつもどこか楽しげだった。

ついに、練習時にまで症状が出始めると、気に病むどころか「希望の光が見えた」と、堀川は喜んだ。
「イップスの感覚を、練習場で出せるようになったら勝ち、みたいな。練習では出ないで、試合では出るって、いくら練習したって意味ないじゃんって。そういうギャップが消える。対策できる」と、その中から生まれたいくつかの対処法は、苦労して編み出したものだ。

企業秘密をやすやすと明かすわけがないが、1差をつけて入った最終ホールで、プレーオフも意識しながら、”処方箋”を駆使して打った右7メートルのイーグルトライのタッチは完璧だった。

最終日最終組で当たった同級生の今平周吾と、スーパー新人の金谷拓実について「一番争いたくない相手」と、畏怖しながら「彼らがすごいバーディを獲ってくれるので。グリーン上の雰囲気がすごくよくなって、自然と自分もすべて入るような感覚になった」と、迫る相手の気迫もあっさりと、自分の力に取り入れてしまった。

「心が折れそうになったこともあった。辛かった」と、言いながら、「イップスになってよかった」とも。

「それまでは悩みがなかったから。そんなに練習しなかったけど、悩みだしたら、練習する。自分の成績は下がったけど、ゴルフのことを考えるようになり、直すために探求するようになった。付き合っていこうというより、絶対に治そうと思っているので。これが治ったら自分の実力も上がる」と、笑顔の戦士は確信している。

【これからも頑張ろう©JGTOimages】

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