【浦和レッズスペシャルインタビュー】日本で充実の時間を過ごすアレクサンダー ショルツが誓う恩返し
【©URAWA REDS】
夏か、冬か。取材場所を問えば、アレクサンダー ショルツは迷わず日なたを選んだ。
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生まれも過去3年間プレーしていた場所も北欧のデンマーク。真夏の気温がちょうど今ごろのさいたまと同じくらい。デンマークでも7月からシーズンが始まるが、日本の夏の暑さには驚いた。プレーするのもさすがに苦労し、プレーの質が変わってくることも実感した。
「でも今はプレーするのにパーフェクトな気候です。もう少し寒くてもいいくらいです。これくらいのフレッシュな気候が好きですね」
そう話すショルツの表情は、最近の気候のように実に穏やかだった。
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「怖え…」
一見、ワイルド。肩の辺りまで伸びた頭上で髪を結えば、羽織袴と日本刀が似合いそうな雰囲気もある。
しかし、ショルツより20センチメートルほど身長が低い大卒ルーキーも、今ではショルツを「怖え」とは言わないだろう。
明本考浩(右) 【©URAWA REDS】
汰木康也(左) 【©URAWA REDS】
「お互いにジョークを飛ばし合って、笑い合っていることが多いですね」
それぞれが日本語と英語を単語で交えながら会話しているような形だが、その様子からはチームに溶け込んでいることが十分に伝わってくる。
「そういうコミュニケーションの手段は大切だと思っています。普段の大抵の会話がジョークで成り立っていますが、それは本当に重要ですし、チームとして一つになるには必要な要素だと思っています」
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チームに溶け込んでいるから、笑顔になる。でも、理由はそれだけではない。
「プライベートの時間もかなり充実しています。全体的に充実していることが、笑顔が多い理由だと思います。家族もいい生活ができています。家族がいい状態でいられることは非常に重要なことです。自分は好奇心が旺盛なタイプですが、日本でいろいろなことを経験できています。食事も文化も、何もかも素晴らしい国だと思います」
キャスパーと同様、特に日本の食事を好んでいる。うなぎ、餃子、そば、うどんが特にお気に入り。天ぷらや野菜も好きだ。その話を聞いた日は、「あれは何ていう料理だったっけ?」と通訳に確認しながら、お昼にハヤシライスを食べることを楽しみにしていた。
「日本は食事がおいしくて食べすぎてしまいますね」
そう言ってまったく出ていないお腹をさすりながら、やはり穏やかに笑顔を見せていた。
189センチメートル、84キログラムの体格を持つセンターバックと聞けば、フィジカルを生かしたハードな守備が売りと思われるかもしれない。
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「私は決してスピードがあるタイプではありません。だから相手よりも先読みしてプレーする必要があります。それがクレバーに見える理由かもしれませんね」
9月25日に行われたFC東京戦の59分、10月16日に行われたガンバ大阪戦の64分でのカバーリングを見れば、スピードがないタイプだとは思えないが、デンマークではそうだったのだろう。
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公式戦16試合連続、J1リーグ11試合連続で先発出場。守備の要としてレッズに欠かせない存在になっている。
20日に埼玉スタジアムで行われる、明治安田生命J1リーグ 第36節 横浜F・マリノス戦【MATCH PARTNER三菱重工】。J1リーグ最多の78得点を挙げている横浜FMに対し、ショルツは活躍が期待されるキーマンの一人だ。
クレバーなショルツは、チームから与えられる情報をインプットするだけではなく、その都度対峙するストライカーを自分でしっかりと分析する。横浜FMにはスピードがあるアタッカーがおり、彼らが積極的にプレスをかけてくることも把握している。
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昨季はデンマークのFCミッティランで欧州チャンピオンズリーグに出場し、イングランドのリバプールFC、イタリアのアタランタBC、オランダのアヤックス アムステルダムと対戦した。
2分4敗でグループステージ敗退となったが、守備で奮闘するだけでなく、アウェイのアタランタ戦では豪快なハーフボレー、ホームでのリバプール戦ではPKを決め、それぞれ引き分けに持ち込んだ。ミッティランが6試合で得た勝ち点は全て、ショルツのゴールによってもたらされたものだった。
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「基本的には、その経験があるから、ということではなく、その経験をしたときのような高次元のパフォーマンスを毎試合出せるようにすることが自分のミッションだと感じています。常にそのレベルを出していけば、必ずチームを助けることができると思いますし、そのクオリティーが非常に大事だと思っています」
とにかく結果にこだわる。個人としてどんなにいいプレーをしても、チームの結果がついてこなければ満足できない。途中経過としていいシーズンを過ごしてきたつもりでも、最終結果に満足できなければ、いいシーズンだったとはとても思えない。
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「チームの中でもみんなが良くしてくれて、非常に過ごしやすく生活を送っています。その恩返しとして、チームに貢献できるように努力を続けていきたいと思っています」
これまでがそうだったように、ショルツが持ち味を発揮し、クレバーな守備で横浜FMの攻撃を封じれば、レッズは勝利と目標に近づく。
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