ウインドマスター・青木瀬令奈が来た

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【<Photo:Masterpress/Getty Images>】

第37回伊藤園レディスゴルフトーナメント グレートアイランド倶楽部(千葉県)第1日

 強風に見舞われた第1日。青木瀬令奈の首位タイ発進は、大いなる意気込みの表れといえるだろう。そして、必然ー。

 「他の選手のスコアが伸びない。やはり、風が吹く条件がいい」とアドバンテージになった。その自信の裏には、夏から悩まされたショットの復調がある。1Wで第1打のフェアウェイキープは13/14。しかも、外した唯一の15番では、残り118ヤードの第3打をピン奥3メートルにつけ、バーディーを奪ってみせた。プライドが静かな闘志に火をつけたのだろう。

 「7月から、ショットの精度が悪くなった。不振脱出のために試行錯誤を続けたら、1カ月ぐらい前から右手親指の付け根が痛くなって…」と説明し、「でも、前週の最終日のラウンド前の練習で、アームローテーションになっていることをコーチから指摘された。それが要因のひとつ。ボディーターンでスイングを心がけたら、すごくよくなった」という。29位Tから、4位Tへ猛チャージをかけた。

 上昇機運は、勢いに変わる。今大会、優勝こそないものの15年が2位。18年は4位と得意コースのひとつだ。末広がりの8回目の今回、「サントリーレディスで4年ぶりの優勝。今年、あと1勝ーを課題にしている」という。そして、「気がついたら残り3戦になった。相性などで考えれば、やはり今回でしょう。優勝を狙っています」と続けた。

 Vを目指して迷いがない姿勢は、プレーでも。「テンポよくプレーをする。風が強くても、普段よりプレースピードが速かったのではないかしら」と、ノーボギーの内容は首位に並んだ上田とともに、まるで別次元にいるかのようだ。

 さらに、強風下のラウンドを、「想像力がポイント。私は地元の河川敷コースで鍛えられました」と話した。群馬県前橋市出身。上州といえば、かかあ天下と空っ風である。風に強い秘けつは前記した通りだが、「かかあ天下」もご教授いただいた。自身の性格に、こんな影響を与えたそうだ。「本当の言葉の意味は、男性を尻に敷くということではない。我慢強く、働き者の女性を指すそうですよ。私もそうありたいと願います」。こちらにも一家言あった。

 群馬県と言えば、民間調査会社が発表した今年の「都道府県魅力度ランキング」で44位。山本一太知事が猛反発し、話題を集めた。人後に落ちない郷土愛の持ち主だけに、イメージアップに貢献したいところだろう。ウインドマスターの奮闘も上州名物となりますように。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
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