「三菱地所 JCL ロードレースツアー2021」 第 8 戦湧水の郷しおやクリテリウムは金子大介が優勝

ジャパンサイクルリーグ
チーム・協会

【JCL】

一般社団法人ジャパンサイクルリーグ(以下「JCL」という)が主催する自転車ロードレース「三菱地所 JCL プロロードレースツアー2021」、その第 8 戦となる「湧水の郷しおやクリテリウム」が 10 月31 日(日)、栃木県塩谷町の道の駅 湧水の郷しおや特設周回コースにて開催されました。
2.8km の田園を走る周回路を 30 周する、84km で行われたレースは、20 数人よる集団スプリントとなり、最後は那須ブラ―ゼンの金子大介が優勝となりました。
大会は新型コロナウイルス感染拡大のため会場での観戦は、事前申込制先着 100 名のみとし、YouTube にてライブ配信が実施されました。
栃木での JCL は3連戦となり、11 月 6 日(土)には大田原市で大田原ロードレース、翌 7 日(日)には那須塩原クリテリウムが開催されます。新型コロナウイルス感染拡大防止策を呼びかけながらの観戦可能なレースを予定、さらに YouTube でライブ配信が行われます。ぜひ、この機会に自転車競技ロードレースの魅力を体感していただければと考えています。

以下、本大会の模様をまとめたレポートになります。

金子大介がロケットスプリント 地元栃木で那須ブラーゼンに今季初勝利をもたらす

【JCL】

自転車の国内プロロードレースツアー、三菱地所 JCL プロロードレースツアーの第 8 戦「湧水の郷しおやクリテリウム」が 10 月 31 日、栃木県塩谷郡塩谷町で開催され、23 人の集団スプリントを金子大介(那須ブラーゼン)が制し、今シーズン初勝利をとげた。ツアー個人ランキングでは山本大喜(キナンサイクリングチーム)が首位をキープしている。

田園地帯のクリテリウム

初開催となる塩谷町でのクリテリウムは、道の駅「湧水の郷 しおや」周辺で、田畑を縫うように2.8km の特設コースを設定。これを 30 周回、全長 84km で争われた。ゆるやかなアップダウンや道幅の変化、複合コーナーなど難しいポイントのあるコースに、距離もクリテリウムとしては長めとあって、厳しい展開が予想された。

【JCL】

レースは午後 1 時に、塩谷町の見形和久町長が号砲を鳴らし、9 チーム 52 人がスタート。序盤はアタックの応酬でペースが上がり、早々に脱落する選手も出てくるなど、サバイバルな様相を見せた。

【JCL】

ようやく逃げが形成されたのは 9 周目。吉岡直哉(チーム右京相模原)が引っ張る形で、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、小野寛斗(スパークルおおいたレーシングチーム)、花田聖誠(キナンサイクリングチーム)、柴田雅之(那須ブラーゼン)が付いて 5 人で抜け出し、ここに単独追い付いた渡邊諒馬(ヴィクトワール広島)が合流して、6 人の先行集団が形成された。
10 周目の周回賞は小野が先頭で獲得。また 10 周目に増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が後方から単独で追い付き、逃げ集団は 7 人となった。

逃げる 7 人の先行集団 【JCL】

逃げは思惑が一致せず

先行するこの 7 人の集団には、宇都宮ブリッツェンが 2 人を送り込み、有利な形勢となった。メイン集団から逃げ集団は一時 30 秒以上まで差が開き、逃げ切りの可能性も出てきた。

(先頭から)阿部嵩之、吉岡直哉、増田成幸といった強力なメンバーが入った逃げ集団だが、逃げ切りへの思惑が一致しなかった 【JCL】

しかしメイン集団は、逃げに選手を送り込めなかったチームや、選手を逃げに乗せたチームからも那須ブラーゼンが追走を組織しはじめた。
またメイン集団では 14 周目、スプリント賞ジャージで個人ランキング 2 位の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が落車でリタイアするアクシデント。ここで個人ランキング首位の山本大喜を抱えるキナンサイクリングチームが、メイン集団に位置する山本でのポイント獲得に狙いを定めて追走に回った。

逃げにメンバーを送り込んだ那須ブラーゼン、キナンサイクリングチームも追走の動きに回った 【JCL】

強力なベテラン 2 人が逃げに乗った宇都宮ブリッツェンだったが、強力なだけに嫌われた格好。逃げ集団のペースは思うように上がらず、23 周目でついにメイン集団が逃げを吸収。集団は 30 人ほどまで人数を減らしたが 1 つになり、残り 7 周で振りだしに戻った。

脚がつっても全身でスプリントした金子大介

終盤の集団ではアタックが繰り返しかかるものの、集団を完全に分断するまでには至らない。激しい展開に脚がつったという沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)が一時遅れかかるなど、スプリンターの脚も容赦なく削っていく。1 人、また 1 人と脱落する選手が出るなか、25 人弱の集団がひとかたまりで最終周回へと突入した。

終盤もアタックの応酬で集団が割れる場面も 【JCL】

宇賀隆貴(チーム右京相模原)のアタック 【JCL】

最終周に散発したアタックも不発に終わり、レースは最後のゴールスプリントへ。ここでトレインを組んで前に上がったのが那須ブラーゼンだった、西尾憲人、谷順成、金子の順で最終コーナーへ先頭で位置取り。地脚で上がったブリッツェン増田がコーナー前で被せる動きを見せたが、コーナーを過ぎて上り途中から加速した金子の掛かりが強力だった。残り 100m 手前で先頭に躍り出るとそのまま譲らず、歓喜のガッツポーズでフィニッシュラインを切った。

ラスト 100m 前から先頭に出た金子大介(中央) 【JCL】

先頭でゴールを切って歓喜の叫びをあげる金子大介 【JCL】

今季の金子は広島クリテリウムで 3 位に入っており、うれしい連続表彰台、しかもチームに待望の今季初勝利をもたらした。一方で今季のレース出場自体が今回で 2 戦目と、チームでトレーニングするなかで、なかなかレースに選ばれず悔しい思いもしていたという。チームも今季要所で目立つ走りを見せながら、今シーズンここまで勝利にはあと一歩届かなかったが、地元栃木県のレースでついに、最高の形での勝利を飾った。

【JCL】

【優勝した金子大介コメント】

「チームにとにかく感謝しています。僕は脚質的に最後に取りに行くって役割が決まっていました。谷とか、佐藤兄弟とかみんな力があったので、自分の役割に集中してみんなを信じて走ることができました。じつはスプリントでは脚がつっていましたが、体全体でペダルを押し込んで最後まで行きました。僕個人的としても、チームとしても長い間結果をだせていなかったんで、今回の勝利が来年へ向けていい流れとなるきっかけになればと思います。最終戦の那須クリテリウムの会場は僕の家から 30 秒くらいでいけるところです。地元の方々からのブラ―ゼン愛を感じているので、勝ちを狙いたいです」

【那須ブラ―ゼンゼネラルマネージャー若杉厚仁】

「ほっとしました。今シーズン入った当初から間違いなく勝てるチームという確信はあったんですが、勝利に結びつかない歯がゆいレースが多かったので、このホームのレースでこうして勝利を収められ、本当うれしいです。シーズン後半でしたので、チームが完成されてきて、今日もいい形で最初から攻めにいって、まとめて勝利を奪えたことはよかったと思います。序盤から厳しい展開にしていかないといけないというのがチームのテーマで、金子をスプリンターとして残していくというのもプランにありました。各選手が連携もふくめて、自分自身の仕事をやり遂げてくれたことが勝利に結びついたと思います。選手たちはよくやってくれたとしか言うことがありません。次は本当にホームということで、連勝してシーズンを終えられるようにしたいです」

【リザルト】

湧水の郷しおやクリテリウム 84km 平均速度 44.26km/h
1 位 金子大介(那須ブラ―ゼン)1:51'49"
2 位 吉岡直哉(チーム右京相模原)st
3 位 小山智也(チーム右京相模原)st
4 位 山本大喜(キナンサイクリングチーム)st
5 位 谷順成(那須ブラ―ゼン)st
6 位 沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)+0'01"

【JCL】

【JCL】

JCL 各賞リーダージャージ表彰

(左から)レッドジャージの山本元喜、イエロージャージの山本大喜、ブルージャージの小野寺玲、ホワイトジャージの宇賀隆貴 【JCL】

イエロージャージ(個人ランキングトップ)
山本大喜 キナンサイクリングチーム

ブルージャージ(スプリント賞)
小野寺玲 宇都宮ブリッツェン

レッドジャージ(山岳賞)
山本元喜 キナンサイクリングチーム

ホワイトジャージ(新人賞)
宇賀隆貴 チーム右京 相模原

地元特別表彰

周回賞(JA 全農とちぎ賞)
10 周目:小野寛斗(スパークルおおいたレーシングチーム)
20 周目:小野寛斗(スパークルおおいたレーシングチーム)

敢闘賞(塩谷町観光協会賞)
谷順成(那須ブラーゼン)

【JCL】

大会概要

タイトル:第 8 戦 湧水の郷しおやクリテリウム
開催日:2021 年 10 月 31 日(日)
開催地:道の駅 湧水の郷 しおや前 特設周回コース
〒329-2441 栃木県塩谷郡塩谷町船生 3733­1
コース:2.8km×30LAP Total 84km
ツアー主催:一般社団法人ジャパンサイクルリーグ
ツアー運営:株式会社ジャパンサイクルリーグ
ツアー後援:国土交通省、経済産業省、スポーツ庁
大会主催:湧水の郷しおやクリテリウム実行委員会

【YouTube 配信動画はこちらから】
三菱地所 JCL プロロードレースツアー 第 8 戦 湧水の郷 しおやクリテリウ
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ジャパンサイクルリーグは、2021シーズンより「自転車を通じた地方活性化促進」を合言葉に、日本サイクルロードレースの新たな歴史を作るべく、地域密着型チームが一枚岩となり構成された、国内で新たにスタートとしたサイクルロードレースリーグ(名称:JCL)です。JCLは、地方創生をキーワードにサイクルロードレースで地域活性化を進めていきます。「日本のロードレースを変える、世界へ挑戦する」を最大のミッションとし日本ロードレース界発展のため、プロ選手、プロ的興行を作り上げ、世界へ挑戦しうる環境を作り上げていきます!

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント