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【水戸】私のミッション・ビジョン・バリュー2021年第7回 伊藤大樹エキップメントマネージャー「チームを超えても頼られる、唯一無二への挑戦」

水戸ホーリーホック

水戸ホーリーホックでは、プロサッカークラブとして初めての試みとなるプロ選手を対象とした「社会に貢献する人材育成」「人間的成長のサポート」「プロアスリートの価値向上」
を目的とするプロジェクト「Make Value Project」を実施しています。

多様性と交流を基盤に、様々な業種の講師を招聘し、異業種の方々の価値観や使命感に触れることで、プロアスリートとしての存在意義や社会的な存在価値を選手たちに問い続けます。

その一環として、キャリアコーチと選手が継続的に面談をして「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の策定をする取り組みが昨年から行われています。

ミッション・・・社会の中での自分の役割
ビジョン・・・ミッションを実現した理想の未来像
バリュー・・・日々のこだわり、行動指針

原体験を振り返り、自らのサッカー選手であるうえのスタンスや価値観、使命感を見つめなおすことでピッチ内外でのパフォーマンス、言動、行動の質の向上につなげていこうという取り組みです。

今季も選手・スタッフの今季策定した「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を紹介していきます。
2021年第7回は伊藤大樹エキップメントマネージャーです。

(取材・構成 佐藤拓也)

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Q.MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)作成のための面談はどのぐらい行いましたか?
「4回ですね。各1時間程度行いました」

Q.面談を通して、考えていることが整理された?
「整理されましたね。やらなきゃいけない業務に追われる日々が続くので、『なぜこの仕事をしているのか』とか、『この仕事によって誰が喜ぶのか』とか、日常ではあまり考えることができないことを考えることができたので、よかったです。ただ、最初にMVVを作成した後、高校生の授業で仕事内容や仕事を通して得たものについて話をさせていただく機会があったのですが、話をしてみて、さらに自分の考えていることを深く掘り下げることができたんです。なので、MVVの言葉を少し変えることにしました。より深く、濃い内容にしました」」

Q.あらためて、水戸におけるマネージャー業務を具体的に説明していただけますか?
「ざっくり言うと、用具管理です。野中宏光主務がグラウンド関係の調整や遠征の手配など事務的な業務を担当しています。私は現場の用具の管理を行っています」

Q.水戸に来て4年目。だいぶ仕事にも慣れて、視野が広くなったところがあるのでは?
「本当にそうですね。昨年まではいろいろ試行錯誤しながら仕事してきたのですが、今年はもう一つ上のステップにという意識で仕事をできるようになってきたので、いい機会になりました」

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Q.まず、MISSIONについて話を聞かせてください。「選手にとって必要不可欠な存在になる」とありますが。
「このチームは毎年移籍する選手が多いんですよね。選手が移籍した後でも連絡を取り合って必要とされるマネージャーを目指したいと思っています。今のポジションはチームの中で唯一無二の立場かもしれませんが、このチームで出会うことも大切な縁だと思うので、離れても頼られる存在でありたいなという思いがあります」

Q.伊藤さんがマネージャーとしてこだわっていることは?
「選手と積極的に話をすること。サッカーの話はコーチ陣がすると思うので、僕は雑談をするようにしています。そういう話をしながら、選手の様子を見るようにしています」

Q.選手から頼られていると感じる時はどんな時ですか?
「一つ挙げるとしたら、スパイクの加工を任されたときですね。スパイクのスタッドを固定式から取替式に変えてほしいという要望が来ることがあるので、改造してあげるようにしています。それはこのチームでは僕しかできないことなので、頼られていると感じています」

Q.その技術はマネージャーなら身につけているものなのでしょうか?
「自分の強みだとは思っています。一昨年、ある選手が取り返し式に変えたいと言っていたのを聞いたことがありました。その時は僕もその技術がありませんでした。それで、その選手が『他のチームのマネージャーでできる人いないかな?』ということを言っていたんです。他のチームのマネージャーにお願いされるのは、僕としては悔しかったので、そこから勉強して技術を身につけました」

Q.「選手にとって不可欠な存在になりたい」という思いがあるからこそ、選手が求める技術を身につけようと思ったのでは?
「それはありますね。『できない』というのは嫌なので。その時も本当はできなかったのですが、『できる』と言ってしまったので、必死に勉強しました(苦笑)」

Q.今はいろんな選手がお願いしてくるようになった?
「今年も数人からお願いされています」

Q.他に身につけたい技術はあるのでしょうか?
「シューズに関する知識や技術をもっと極めたいですね」

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Q.VISIONについて聞かせてください。「自分自身の持ち味が発揮できる世の中になる」とあります。
「チームの中にはそれぞれ1人しかいないポジションがあり、それぞれその業務のプロフェッショナルが集まって組織が作られています。そういったプロ意識が社会全体に浸透してほしいと思うんです。どんな職業でも、たとえアルバイトだとしても、仕事をしている以上はプロだと思うんです。どんな仕事でもその人しかできない業務だというプライドを持つことが大切だと思っています」

Q.伊藤さんならではの持ち味は何だと思いますか?
「先を読む力だと思っています。たとえば、週末の試合がはじまる前に次の週の初日の練習の準備をしておく。試合が終わって帰ってくると、片づけをするだけで精一杯なんですよね。そこで余計な仕事を残しておきたくない。先を読んで仕事をするようにしています」

Q.コロナ禍でマネージャー業務はさらに難しくなったと思います。たとえば、飲水用のドリンクは選手個別で準備するようになりました。
「最初は気が遠くなる作業でした。練習する前、ドリンクの準備だけで2時間ぐらいかかりましたから。選手全員用のペットボトルとペットボトルを入れるためのバケツを準備するようになりました。ただ、やっていくうちに少しずつ慣れていき、無駄なことを減らすことを覚えるようになっていきました」

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.VALUEについて話を聞かせてください。1つ目は「先ずは自分が動く(行動で示していく)」について、お願いします。
「性格上、人に頼りたくないということがあります。あと、マネージャーという仕事なので、誰よりも早く気づかないといけない。言われて動いているようではダメなんです。早く気づいて行動することによって、誰もがストレスなく練習できる環境を作ることを心がけています」

Q.2つ目は「良い加減に仕事をおこなう」。
「僕は几帳面な性格なので、すべてにおいてきっちり仕事をしたいんです。でも、突き詰めてしまいすぎて、精神的にまいってしまうマネージャーさんの話を聞いたことがあるので、雑になってはいけませんが、不備がなければ、あとは自分のこだわり次第だと思うんです。そのこだわりで行き詰らないようにすることを心がけています」

Q.3つ目は「3つ先を見た段取り」とあります。これはVISIONでも出た話ですね。
「3つでも、4つでも、先を見た方が、最終的に自分が楽になるんです。仕事の中でそういった小さな幸せを自分で作り出すことが大切だと思っています」

Q.4つ目は「現状維持の怖さを忘れない」
「仕事を事務的にこなしてはいけないと思っています。そう思うようになったのは、2019年のあるアウェイ戦。セカンドユニフォームで試合をしたのですが、対戦相手のユニフォームとの色合いの問題で、パンツはファーストを着用することになっていました。セカンドのユニフォームとファーストのパンツを準備してアウェイに乗り込んだのですが、準備したスパッツがセカンド用だったんです。スパッツとパンツの色は統一しなければならないので、選手たちにはスパッツを太ももギリギリまで上げてもらって、パンツから出ないようにしてもらいました。『これで大丈夫だろう』と深く考えずに準備してしまった自分がいました。冷静に考えることができていれば、そんな問題を起こすことはなかったと思います。でも、事務的になってしまうとそういうミスが起きてしまうということを痛感した出来事でした。あと、現在はトレーニング用のドリンクは水の入ったペットボトルをバケツに入れて準備しているのですが、バケツの底やペットボトルのキャップの部分にカビが生えやすいんですよね。ただ準備しているだけではそういう部分に気づかなくなってしまうので、常にチェックするようにしています。日々の仕事においてルーティン的な業務も多いですが、そういう部分をおろそかにしないように気を付けています」

Q.次は「自分色を出し続ける(良い意味で周りに合わせない)」。
「先ほど話をしたところでもあるのですが、自分の性格を大事にしたいと思っています。他のチームを見ていると、いろんな発見があります。ただ、そのマネをしているだけでは自分の仕事ではなくなってしまうような気がするんです。もちろん、いいものは採り入れるようにはしていますが、結局は自分の意志と判断が大切なんだと思っています。周りにアドバイスを求めることもありますが、その答えをそのまま実行するだけではダメなんです。学生の時、僕はそういうタイプでした。今はアドバイスを受けても、そこに自分の色を加えて、実行するようにしています。他の方が行った成功例をそのまま行うのではなく、常に自分の中でのトライをするようにしています」

Q.最後は「オンオフの切り替えをきっちり」。
「やろうと思えば、いつまでも終わらない仕事なんですよ。ナイターの日は泊りがけで仕事をすることもあります。すると、ずっと仕事をしているような感覚になってしまうんです。なので、業務に追われる中でもいかに気晴らしになることを考えるかも大切だと思っています。アツマーレは自然豊かな環境なので、夏場はクワガタを捕りに行くこともありました(笑)。いい気分転換になりましたね。作業が長時間続いたとしても、自分の中で工夫をすれば、気晴らしになる。そして、次の日に影響が出ないようにしていきたいと思っています」

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Q.そして、スローガンの「チームを超えても頼られる、唯一無二への挑戦」についての説明をお願いします。
「マネージャーの仕事は資格や免許がいらないんです。言ってしまえば、やる気があれば誰にでもできる仕事なんです。だからこそ、毎日の業務の中で自分の強み、自分にしかできないことを見つけて実行することが大切だと思っています。そうすれば、自ずと選手からの信頼を得られるようになると思っています。そこを極めていきたいと思っています」

Q.実際、移籍した選手から連絡が来ることはありますか?
「連絡をくれる選手もいます。サッカーの話というより、日常の会話をする方が多いですかね。それだけ話しやすい相手になれたのかなという思いになれます。そういう連絡もうれしいですけど、『〇〇をやってほしい』という要望が増えるとうれしいですね」

クラブ名
水戸ホーリーホック
クラブ説明文

Jリーグ所属の水戸ホーリーホックの公式アカウントです。 1994年にサッカークラブFC水戸として発足。1997年にプリマハムFC土浦と合併し、チーム名を水戸ホーリーホックと改称。2000年にJリーグ入会を果たした。ホーリーホックとは、英語で「葵」を意味。徳川御三家の一つである水戸藩の家紋(葵)から引用したもので、誰からも愛され親しまれ、そして強固な意志を持ったチームになることを目標にしている。

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