バルサアカデミーとは?:ラ・リーガ・コース第4回

ラ・リーガ公式
チーム・協会

【(C)LaLiga】

 ラ・リーガがスペイン政府の文化機関インスティトゥト・セルバンテス東京と共同で開催するオンライン講座「Curso de LaLiga #PLAYLaLigaSantander(ラ・リーガ・コース #プレイ・ラ・リーガ・サンタンデール)」。10月18日に行われた第4回はバルサアカデミージャパンのテクニカルディレクター2人がFCバルセロナの育成方針やスクール事業について語ってくれた。

奈良校テクニカルディレクターのラウール・コシアルス氏 【(C)LaLiga】

 バルサアカデミーはFCバルセロナのアイデンティティーであるプレースタイルや練習メソッド、「クラブ以上の存在」といった価値観を世界中の子供たちに普及しているスクール事業だ。現在は世界各国に59校を展開し、6歳から18歳まで、4万5千人以上の選手を抱えている。

 バルサアカデミージャパンは2009年に設立された福岡校を筆頭に、現在は葛飾校、奈良校、横浜校の4校を展開している。今回の講義を担当したのは奈良校テクニカルディレクターのラウール・コシアルス氏と、横浜校テクニカルディレクターのコテ・イグレシアス氏。2人はいずれもUEFA発行のプロライセンスを持つスペイン人指導者で、ラウールは5年前、コテは4年前からバルサの育成事業に携わっている。

横浜校テクニカルディレクターのコテ・イグレシアス氏 【(C)LaLiga】

 バルサアカデミージャパンは先述の通り福岡校、葛飾校、奈良校、横浜校の4校を展開しているだけでなく、様々なアクティビティーを行っている。全国各地で春、夏、冬に開催している短期合宿「バルサアカデミーキャンプ」では、MVPに選ばれた選手が現地バルセロナのスクール「FCBエスコラ」の練習に参加できる特典もある。久保建英がバルサの下部組織に加入したのも、2009年のバルサアカデミーキャンプでMVPとなったことがきっかけだった。

 他にも日本国内では各校が外部のチームを招いて主催する大会「バルサアカデミーカップ」、年1回開催される全国大会「バルサアカデミージャパンカップ」、アカデミー生以外の選手も参加できる「バルサアカデミークリニック」といった活動がある。

 さらにコロナ禍前は現地スタッフによる指導や練習試合、トップチームの試合観戦などを経験できる1週間のバルセロナ遠征、世界中のアカデミーチームがバルセロナに集まる年に1度の大会「バルサアカデミーワールドカップ」、アジア地区のアカデミーチームが集まって交流を深める「バルサアカデミーアジアパシフィックカップ」なども行われていた。

現在、世界各国で4万5千人以上の選手がバルサのフットボールを学んでいる 【(C)LaLiga】

 講義は観光都市バルセロナとカタルーニャの土地柄や文化などの紹介からスタート。FCバルセロナの歴史とアイデンティティーについての説明を経て、アカデミーの紹介へと移った。後半には豊富なビデオ映像を交えてバルサアカデミーならではの練習内容や育成方針が紹介された。

 2010年の卒業生である日本代表DF冨安健洋を筆頭に、これまでバルサアカデミージャパンは5人以上のプロ選手を輩出してきた。ただアカデミーの最大の長所はプロを目指すような選手だけでなく、あらゆるレベルの選手がバルサのフットボールを体験できる門戸の広さにある。対象年齢も始動時は小学生年代のみだったが、近年はU13〜15のクラスも増えつつあり、女子選手やGKに特化したクラスもできている。

 今やスペインから遠く離れた日本の子供たちも、バルサのフットボールを体験できる時代となった。近い将来このような環境から第2、第3の久保建英が現れることを願うばかりだ。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ラ・リーガ公式サイトです。最新ニュース、各クラブの情報やデータをご覧ください。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント