異次元が再び 勝みなみー自然体の63

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第46戦『富士通レディース 2021』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円)が10月15日、千葉県千葉市・東急セブンハンドレッドクラブ(6,679ヤード/パー72)で開幕した。秋晴れ、微風のゴルフ日和。好スコアが続出し、大混戦となった。大会第1日、9アンダーで首位に立ったのは勝みなみ。2打差の2位タイに古江彩佳、西村優菜がつけた。2週連続優勝を狙う、注目の渋野日向子は稲見萌寧、原英莉花などと並んで5アンダー、5位タイ発進。
(天候:曇り時々晴れ 気温:23.0℃ 風速:2.6m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:24mm》

 好調持続。18番では吉兆を予告するプレーが飛び出す。チップインである。「いい流れが来ていると思います。そういえばー」と明かしたのは、「優勝する時って私は、チップインがある。あくまで結果論ですけど、日本女子オープンでもそうでしたね」。

 右手前ラフからの、残り13ヤードの第3打を見事にチップインで締めた。9バーディー、ノーボギーの63で2位グループへ2打差をつけ、ホールアウト。「欲をいったら切りがないけど、もっとスコアを伸ばすことができたかもしれない。でも、ノリノリのラウンドかといわれると、実はそうでもない。終わったら9アンダー。そんな感じです」と不思議な感覚を味わった。

 2週前、圧倒的な強さで初の公式競技制覇。異次元のプレーといっていいほどだ。「あの時から、少しずつ私のレベルが上がったというか、ちょっと違うぞ。そんな感じになってきた」と変化を言葉にした。

 なるほど、スイングがしなやかで滑らかになっている。「上半身の動きが自然になってきた。筋肉の動きがようやく感覚と一体になったのでしょうね」と説明。こんな経緯がある。連戦に負けない強じんな体を求め、パワー系のトレーニングを熱心に行ってきたのは周知のとおり。

ただし、弊害もあったのだ。「筋肉がつきすぎた。おかげで、スイングが変わって、クラブを振るスピードも変わって、タイミングにズレが生じて…。もう、しっちゃかめっちゃか…。そこで動画などをみて一度、私の体と話し合った。確かに、飛距離はアップしたけど、上半身の筋肉がすごい。そこで少しトレーニングを抑えるようにした」という。

 それが5月で、下旬のリゾートトラストレディスで優勝を飾った。とはいうものの、自身で体のベストを探りながら、試行錯誤を繰り返す。やっとフィットしてきたのは、秋を迎えてなのだ。

 「トライしなければわからないことがある。(トレーニングを)やりすぎた反省もあるけど、仕方がありません。ただ、今はうまく筋肉をつかえる気がする。特に100ヤード以内がいい。おかげでチャンスがたくさんつくれます」。チップインは当然ながら、バーディー量産は、体づくりをしながらクラブを振り続けた賜物なのだ。

 すでに残りシーズンで、最低で1勝。自身初のシーズン3勝以上を公約に掲げている。今大会を含めて、残りは7試合。上方修正を宣言することができるか。ロケットスタートで、大いに気分を良くしたことは間違いない。

(鈴木 孝之)
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