早大競走部 辻が1万m自己ベスト 山口も28分台の好タイムで伊勢路に弾みをつける

チーム・協会

【早稲田スポーツ新聞会】

第12回早稲田大学競技会 10月13日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場

早稲田スポーツ(記事 戸祭華子、写真 及川知世)

時折雨が激しく振るタフなコンディションの中、第12回早大競技会が行われた。全日本大学駅伝対校選手権(全日本)を前に、2人が1万メートルで自己ベストを更新した。

男子1万メートル第2組に出場し、前を追う室伏 【早稲田スポーツ新聞会】

1万メートル第2組には、河合陽平(スポ4=愛知・時習館)、室伏祐吾(商4=東京・早実)、安田博登(スポ3=千葉・市船橋)が出場。室伏と安田は、創価大の選手が入れ替わりながら引っ張る先頭集団の中でレースを進めた。8000メートルあたりで二人はその集団からは離れ、室伏と安田の間の差も広がっていく。最後は室伏が早大勢トップの全体8着でフィニッシュした。また、一度は前を行く室伏にも離された安田だったが、最後の1周で粘りを見せ、室伏と約2秒差の9着に。自己ベストを約25秒更新する、29分49秒85をマークした。

先頭集団の中で走る辻 【早稲田スポーツ新聞会】

続いて行われた1万メートル第3組には、山口賢助(文4=鹿児島・鶴丸)、鈴木創士(スポ3=静岡・浜松日体)、辻文哉(政経2=東京・早実)と昨年の全日本出走メンバーが登場。レースはGMOアスリーツの選手たちが集団を引っ張るかたちでスタートし、1周68〜69秒のペースで進んだ。

山口は序盤から2、3番手に、鈴木と辻も集団の中ほどに位置取り、隊列に大きな変化はないまま進んでいく。しかし、4000メートル手前で鈴木が集団から遅れ始めると、そこからは単独走を強いられた。4800メートル過ぎには、先頭集団がGMOアスリーツ2人と千葉大の今江勇人、山口、辻の5人に絞られる。最後は「内容をとにかく重視するレースにしたい」と語っていた山口が、倉田翔平(GMOアスリーツ)に次ぐ、学生トップとなる28分42秒77の全体2着でフィニッシュした。「タイムよりは、駅伝の1区みたいな意識で集団に余裕を持ってついていく」ことを目標として臨んだ辻も、7000メートル付近で先頭集団から離されたが、自身初の28分台となる28分54秒74で自己ベストを更新した。

 昨年の1区と最終8区でそれぞれ区間6位の辻、山口が、ともに28分台を出す走りで全日本に向けて弾みをつけた。出雲全日本大学選抜駅伝は悔しい6位に終わったが、下を向いてはいられない。3冠を達成した2010年以来の伊勢路制覇へ。3週間後に向けて、準備は整いつつある。

結果

▽男子5000メートル
濱本寛人(スポ2=熊本・宇土) 14分35秒66(4着)自己新記録
菅野雄太(教1=埼玉・西武文理)14分45秒47(7着)自己新記録
白井航平(文構3=愛知・豊橋東)14分48秒83(8着)
草野洸正(商1=埼玉・県浦和)  15分00秒34(13着)自己新記録
和田悠都(先理1=東京・早実) 15分18秒41(14着)
佐藤皓星(人4=千葉・幕張総合)15分43秒70(15着)
伊福陽太(政経1=京都・洛南) 棄権
日野斗馬(商1=愛媛・松山東) 棄権

▽男子1万メートル
 ▽2組
室伏祐吾 29分47秒91(8着)
安田博登 29分49秒85(9着)自己新記録
河合陽平 31分05秒72(15着)

 ▽3組
山口賢助 28分42秒77(2着) 
辻 文哉 28分54秒74(5着)自己新記録
鈴木創士 30分19秒23(19着)

コメント

山口賢助(文4=鹿児島・鶴丸)

――前回走ったあとから、調子を上げることはできていましたか

6月下旬から立ち上げていって、夏合宿が終わってからずっと調子は上がってきていました。前回はトラブルもあったのですが、今回は調子は良かったと思います。

――今日の目標は

あまりタイムにこだわらず、内容をとにかく重視するレースにしたいと思っていました。ラストの3000(メートル)なり2000なりでしっかり前に出て、ペースを上げて勝ち切るレースをしたいと思っていました。

――残り5周を過ぎたとき先頭に立ちましたが、最後は勝負を意識していましたか

2000メートルを過ぎてからとりあえずどこかで出ると決めていたなかで、結果としてあの位置で出ました。本当は余裕もあったので、さらにペースを上げたかったのですが、単独走が苦手という自分の課題が出てしまい、上げ切れませんでした。その点で目標の走りには届かなかったと思っています 。

――長い間ケガをされていましたが、そこからの復帰は理想通りでしたか

夏合宿は三次からAチームに上がりたかったのですが、なかなか調子が上がり切らず、ここまでBチームでやってきたことは想定外でした。しかし、結果として前回の5000メートルと1万メートルをある程度のかたちにすることができたので、順調にはきていると思います。

――課題点や今後への意気込みがあればお願いします

レースで後ろについて走る分には、ある程度、地力がついてきたことが今回確認できました。あとは駅伝になって求められるのは、単独走と、ラスト勝ち切って少しでも前で次の走者に渡すことだと思うので、今回見えた単独走とラストの切り替えという課題をしっかり意識して練習していきたいです。

辻文哉(政経2=東京・早実)

――出雲を走らないと決まってからはどのような目標で過ごしていましたか

出場しない人が今日の1万メートルを走ることは決まっていたので、そこに切り替え、出雲は選手をしっかりサポートしようと考えてやっていました。

――今日の目標は

タイムよりは、駅伝の1区みたいな意識で集団に余裕をもってついて行き、ラスト800メートルほどで勝負できればなと思っていました。目安としては28分45秒を切るくらいで走りたいなと考えてました

――レースプランはどのように考えていましたか

69秒くらいで行くとGMO(アスリーツ)の方々が話していらしたので、そこにひたすら余裕を持ってついて行って、ラスト勝負して組トップなどを狙えたらと考えていました。

――残り7周以降先頭から徐々に離されましたが、その時の状況は

4000メートルくらいから、「前が開いたら上げるのはきついな」という感じでした。6000メートルくらいまで耐えていて、そこで前が開いてしまったところで前を詰めようと思って前に出たのですが案の定きつくて。きついなりに体を動かして耐えようと、何とか踏ん張っていました。

――レース展開含め、今日の走りはご自身ではどのように評価されますか

3大駅伝優勝という目標を考えると、最後までしっかりいかなくてはならなかったと思いますが、久しぶりに、今季初めて自己ベストを更新できて、やっとかたちにはできてきているのかなと感じます。今日の力は出し切れたのかなと思うので、ここからまた作り直してやっていければなと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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