秋深き隣は何をする人ぞ

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「秋深き隣は何をする人ぞ」

松尾芭蕉、晩年の句である。
元禄7年(1694年)9月、亡くなる14日前に詠まれたといわれている。
大坂の俳席に送った句は、体調悪化で参加できないと考え書いたものだ。
臥せる病床に届く物音に、何をしているんだろうと隣人の暮らしぶりを思う気持ちが表現されているという。そこには暮らす人と病める人の対照性がある。

一方、「秋深し隣は何をする人ぞ」と覚えている人は多いのではないだろうか。
「秋深き」ではなく「秋深し」である。

マンションの隣人でさえ顔を合わせることのない都会の孤独を表す常套句としてよく用いられている。
そのような孤独はどこにでもあるのだが、ボートレース界にも同様のことがある。
プロペラ修正室【写真上】がそれだ。

いま開催中の児島ピットのプロペラ修正室は常に人が多い。
複数あるゲージをもとに、大きな音を立ててガンガンたたく者がいれば、ささやくように優しくハンマーを入れる選手もいる。
いずれにしても、求めているカタチに近づけようとしているのだ。

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その場合、同期や同県同士で情報交換するケースがないわけではないが、ほとんどが自分の世界に入り込み集中している。つまり、「隣は何をする人ぞ」状態だ。
それはそのままプロフェッショナルとしての「矜持」である。

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人にもよるが、プロペラが水中でどんな動きをするのか、また水流がどうなるのか想像するのが選手だという。
想像やイメージは頭や心の中にある。イメージをすり合わせるといっても限界があるだろう。
だからこそ、自分の世界に入るのである。
周囲に振り回され右往左往していては記念戦線で対等以上に戦うことはできない。
あえて「秋深し隣は何をする人ぞ」…となるのである。
あす13日の児島は5日目。深まる瀬戸内の秋の空に、人の思いはどこまで映り込むのだろうか。
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