新スタイル「バズソー」で昨季王者を撃破 飛躍を狙うスサマジの明るい兆し
【島根スサノオマジック】
開幕戦を100点ゲームで好発進
2021-22シーズンのBリーグ開幕戦で昨季王者の千葉ジェッツを100点ゲームで下した直後、島根スサノオマジックに新加入したキャプテンの安藤誓哉は爽快感を漂わせながら会見場にやって来た。
「僕らのスタイルは『バズソー』と言って、チェーンソーみたいにオフェンスからディフェンスと回り続けるようなスタイルです。これからも僕がバズソーのモーターになれるようにやっていきたいと思っています」
攻撃から守備のトランジションを素早く行い、コート上の全員が最初から最後まで走り切る。今季から島根スサノオマジックを率いるニュージーランド人指揮官、ポール・ヘナレHCが植え付けたバスケットはまさに「Buzzsaw」=「丸鋸(まるのこ)」で相手を圧倒するようなスタイルだった。
10月2日の開幕戦で強敵ジェッツに対して司令塔の安藤が得意のドライブなどから24得点を重ねれば、もう一人の新戦力、金丸晃輔は試合序盤から3ポイントを決めてチームを勢いづけた。シーホース三河から加わった日本最高峰のシューターは第1クオーターに今季のチーム初得点を決めた瞬間、自身の決断が改めて正しかったと感じたという。
「会場の雰囲気が最高でした。最初の3ポイントを決めた時の歓声がすごく気持ちよくて、島根スサノオマジックに来て良かったなと思いました」
【島根スサノオマジック】
昨季王者のジェッツはスサノオマジックと同じくトランジションが持ち味で、この日も激しい追い上げを見せた。なぜ、振り切ることができたのだろうか。そう問われた安藤は、力強く答えた。
「逆に僕たちも足を止めなかった。僕たちのスタイルでやり切りました。相手にやられても、インバウンドで下を向いている暇がないので。逆にプッシュしていくのが僕たちのスタイルです。それをブレずにやる。これからも、どっちが充電切れになるかという試合運びをしていきたいです」
【島根スサノオマジック】
B1トップのエンタメ性と演出力
ティップオフ前の開幕セレモニーでは暗転した場内が6本の炎とブルーのレーザーライトで鮮やかに照らされ、今季オープニングマッチをホームで迎える高揚感が高められた。天井から吊り下げられた4面ビジョンでは、未来型アイドル「ミライ小町」が踊る姿に子どもたちが見惚れ、思わず体を動かすファンもいた。アリーナの内外にはガンダムやパックマンのイラストが飾られ、大人たちは童心をくすぐられたかもしれない。
Bリーグでもトップクラスと評価されるエンタメ性の高さは、今季さらにパワーアップしている。アリーナを訪れた観客はただ試合を見物するだけでなく、老若男女が参加して楽しめるように練られているのだ。
【島根スサノオマジック】
「アイドルマスター SideM」とコラボした応援フラッグ企画 【©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.】
チームと観客が文字通り「一丸」に
そのすぐ隣では、スサノオノミコトが描かれた絵馬にメッセージを書き込み、必勝祈願を行うコーナーもあった。新加入で今季のキーマン、ニック・ケイが「Stay healthy and WIN the Championship!(健康に気をつけて優勝する!)と願えば、北川弘は「ハッスル」、阿部諒は「バズソー!!」とシンプルに気持ちを込めた。ブースターからも「私をチャンピオンシップに連れてって!!」「Buzzsaw Basketballで頂点へ!!」などの願いが寄せられ、まさにチーム一丸となって戦っている様子が感じられるスポットだ。
会場内にあるスサマジ神社 【島根スサノオマジック】
島根スサノオマジックのオフィシャルチアパフォーマンスグループ「アクア☆マジック」 【島根スサノオマジック】
注目された千葉ジェッツとの開幕カードは1勝1敗。島根スサノオマジックは「バズソー」という今季のテーマを見事に体現し、2日続けてソールドアウトになった会場のブースターたちも大いに盛り上がった。
ニュージーランド人指揮官を迎え、大型補強を施した新生スサマジ。飛躍を見据えるチームにとって、明るい予感を感じられる幕開けだった。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ