秋のG1シリーズの幕が上がる! スプリンターズSを分析
【2021/9/12 中京11R セントウルステークス(G2) 1着 8番 レシステンシア】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
枠番別成績
■表2 【枠番別成績】
牡牝・年齢別成績
■表3 【牡牝・年齢別成績】
年齢別では4歳が頭ひとつ抜けた好走率を記録しており、近2年をとっても19年に1〜3着、昨年も1、3着に入っている。次いで好走が多いのは5歳だが、出走数も多いため好走率では4歳に及ばない。6歳になると好走率がダウンするものの、15年1着のストレイトガール、17年1着のレッドファルクスとG1馬なら侮れない。3歳は勝ち馬を出しておらず、やや不振の印象も。なお、3歳で好走した2頭はいずれも牝馬となっている。
同年の実績別成績(中央馬のみ)
■表4 【同年の実績別成績(中央馬のみ)】
では、同じ年にどんな重賞を勝っているといいのか。そこで、重賞1着実績をさらに距離別に分けたところ興味深いことがわかった。1200m重賞1着実績を持つ馬の成績も優秀ではあるのだが、同一年に1400mや1600mの重賞を勝っていた馬の好走率が非常に高いのだ。また、当然かもしれないが、同じ年にG1を勝っていた馬も有力な存在となるだろう。
前走レース別成績
■表5 【前走レース別成績】
この2レースを除いて出走例が最多となっているのは前走北九州記念。この組は、北九州記念で1、2着だった馬が【0.0.0.8】と苦戦しており、むしろ3、4着だった馬が【0.1.1.0】と好走を果たしていることに注目したい。
そのほか、前項で有力と述べた前走G1出走馬は、具体的には安田記念、ヴィクトリアマイル、高松宮記念から直行した馬に好走例がある。そのほか、G3のCBC賞、オープン特別の朱鷺S(19年以降はリステッド競走)から臨んだ馬の好走もあるが、今年は該当する馬がいない。
前走セントウルS出走馬の各種データ
■表6 【前走セントウルS出走馬の各種データ】
前走キーンランドC出走馬の各種データ
■表7 【前走キーンランドC出走馬の各種データ】
【結論】
この3頭のうち、今回のデータ分析においてもっとも有望とみなせるのはレシステンシア。好走率の高い4歳で、前走セントウルSにおける「1番人気」「1着」「4角2番手」は、この組の好走条件にすべて合致。阪神JF以来のG1勝利に向けて、今回は大きなチャンスとなりそうだ。
ピクシーナイトはやや苦戦傾向の見える3歳ではあるが、この馬も前走セントウルSの「2番人気」「2着」「4角6番手」は好走条件をすべて満たす。一方、メイケイエールは前走キーンランドCで7着に敗退。桜花賞に続いて本来の実力を発揮できなかった印象で、巻き返しはあるだろうか。
今年1200m重賞を勝っているのは、前述したレシステンシアを除いて5頭。そのなかで注目となるのは、昨年の2着馬にして、今年の高松宮記念勝ち馬であるダノンスマッシュだろう。好走率が少し下がる6歳ではあるが、この年齢で勝った2頭がいずれもG1馬であることは表3の項で述べた通り。前走の香港戦は6着と案外な結果に終わったものの、前走G1という臨戦自体は結果を出している。
そのほか、今年の1200m重賞を勝った馬にはシヴァージ(シルクロードS)、ビアンフェ(函館スプリントS)、ファストフォース(CBC賞)、ヨカヨカ(北九州記念)と4頭いるが、このうちヨカヨカは故障のため引退することが先日報じられた。熊本産馬として注目を集めていただけに残念至極である。
また、ファストフォースはCBC賞の次走・北九州記念で2着に好走したのだが、これはあまり歓迎すべき着順でないことを表5の項で述べた。北九州記念組は3、4着のほうがスプリンターズSで結果を出しており、今年は3着のモズスーパーフレアが出走予定。この馬は6歳だが、G1馬として好走資格はあるだろう。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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