ダート1800mと1900mの成績差がある騎手、厩舎、種牡馬を調べる

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【2019/1/20 中京11R 東海ステークス(G2) 1着 4番 インティ】

今年もダート重賞のシリウスSは中京での開催。条件はダート1900mで、中央競馬では中京と京都だけの比較的レアな距離だ。どちらも同場のダート1800mからゲートの位置が100m後方に下がっただけでよく似たレイアウトと言えるが、では「ダート1800mは得意だけれど、1900mは苦手(あるいはその逆)」といった騎手や厩舎、種牡馬は存在するのだろうか。そこで今回は、中京・京都の1800mと1900mで一定以上の出走回数があり、好走率の差が大きい騎手や厩舎、種牡馬を調べてみた。集計期間は2018年1月6日〜2021年9月20日。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

ダート1800mのほうが好成績の騎手

■表1 【ダート1800mのほうが好成績の騎手】

表1は、ダート1800mのほうが好成績の騎手5人をまとめたもの。集計対象が中京と京都ということもあって、5人とも関西所属のジョッキーとなった。これは後述する表2や、厩舎を取り上げる表3、4も同様である。川田将雅騎手は関西を代表するジョッキーのひとりとあって1900mの好走率もかなり高いのだが、どちらがより得意かといえば、勝率、連対率、複勝率すべての数値で上回る1800mのほうだろう。藤岡康太騎手は今回の集計期間において1900mでは1勝もできず、勝率で大きな差がついている。そのほか、太宰啓介騎手、西村淳也騎手、松若風馬騎手も1800mを得意としているようだ。

ダート1900mのほうが好成績の騎手

■表2 【ダート1900mのほうが好成績の騎手】

表2は、ダート1900mのほうが好成績の騎手5人をまとめたもの。ただし、藤岡佑介騎手、浜中俊騎手、中井裕二騎手の3人は1800mでも単複どちらかの回収率が100%以上、武豊騎手も複勝回収率が90%と、むしろ好成績と呼べるだけの数字を残している。もうひとりの池添謙一騎手にしても1800mが苦手というほどではない。この5人に関しては、それ以上に1900mの成績が優秀で、1800mとの差がついたかたちとみなしたい。

ダート1800mのほうが好成績の厩舎

■表3 【ダート1800mのほうが好成績の厩舎】

表3は、ダート1800mのほうが好成績の6厩舎をまとめたもの。1800mの好走率が非常に高い藤原英昭厩舎は、一転して1900mは【1.1.0.12】。1番人気5回、2番人気4回と有力馬が多く含まれることも考慮すると、数字以上の苦戦とも考えられる。今年ダービー2勝目を挙げた関西屈指の名門といえども、すべての距離で同じように走るというのは容易ならざることのようだ。野中賢二厩舎は19年東海Sを制し、20年チャンピオンズCでも10番人気3着と好走したインティなどの活躍によって1800mで文句なしの好成績を収めている。同様に森田直行厩舎、橋口慎介厩舎、昆貢厩舎あたりも1800mのほうが優勢だ。

ダート1900mのほうが好成績の厩舎

■表4 【ダート1900mのほうが好成績の厩舎】

表4は、ダート1900mのほうが好成績の6厩舎をまとめたもの。武英智厩舎は1900mの勝率が抜群に高い。5勝をすべて異なる馬で挙げていることからも、厩舎としてこの距離を得意としている様子が垣間見える。同様に松永幹夫厩舎も1900mの4勝を異なる4頭の馬でマーク。藤岡健一厩舎ではアメリカンシードが印象的で、中京1900mの犬山特別を5馬身差で圧勝し、重賞の平安Sでも2着に好走。1800mもなかなかの成績ではあるが、やはり1900mのほうが狙いやすそうだ。

ダート1800mのほうが好成績の種牡馬

■表5 【ダート1800mのほうが好成績の種牡馬】

表5は、ダート1800mのほうが好成績の種牡馬6頭をまとめたもの。いずれも成績の差がかなり大きく、エスポワールシチー、ヨハネスブルグ、エピファネイアは集計期間内に1900mでは1回も好走できなかった。タートルボウル、マジェスティックウォリアー、シニスターミニスターにしても1800mと1900mの差は歴然で、これらの種牡馬の前には距離の壁が立ちはだかっている様子が見て取れる。

ダート1900mのほうが好成績の種牡馬

■表6 【ダート1900mのほうが好成績の種牡馬】

表6は、ダート1900mのほうが好成績の種牡馬4頭をまとめたもの。ただ、前項の表5とは異なり、こちらの4頭では1800mと1900mの成績差がそこまで大きくない。というのも、1900mを得意とする種牡馬にとって、1800mに距離的な問題があるとは考えにくく、1900mを走ることができれば1800mでも一定の成績を収めて不思議はないだろう。そうしたことを踏まえたとき、意外な印象を受けるのはロードカナロアだ。自身と同じく産駒も短距離を中心に活躍しているが、中京および京都のダート1800mと1900mでは、より距離が長い後者のほうが好走率は高い。

文:出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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