【浦和レッズスペシャルインタビュー】レッズのバンディエラが5年ぶりに『帰還』。鈴木啓太がビジネスで実現する浦和への恩返し
【AuB提供】
浦和レッズのファン・サポーターには有名な企業かもしれない。
企業名でピンと来なかった方たちも、代表取締役の名前を聞けば分かるはずだ。
鈴木啓太。高校卒業後から現役を退くまでの16年間、レッズでプレーし続けたレジェンドが立ち上げた、アスリートの腸内環境の解析を手掛けるスタートアップ企業だ。
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「というと、レッズのみなさんからは『おい、まだ現役じゃないか』と言われることもあるかもしれません」
そう言って笑った啓太さんだが、2015年当時は創業者であり、現役引退後の2016年から代表取締役を務めることになった。
啓太さんは現役時代から、引退後に進む道から指導者や現場スタッフの可能性を排除していた。決して指導者に興味がないわけではない。だが、啓太さんは現役時代からもっと多角的に将来をイメージしていた。
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その思いが強くなったのは、2007年ごろに遡る。啓太さんも主力として活躍し、日本勢として初めてAFCチャンピオンズリーグを制したその年。浦和レッズの営業収入は約80億円に上った。リーグのトップというだけではなく、リーグ2位の横浜F・マリノスの営業収入が約50億円だったことを考えれば、ダントツの数字だったと言っていい。
だが、世界のサッカークラブ、あるいは日本の大企業と比較すると、決して大きな数字ではない。啓太さんはそこに疑問を抱いた。
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そしてその『何か』である腸内細菌の研究には、まるで導かれるかのようにさまざまなことが重なり合いながらたどり着いた。
子供のころから「人間は腸が一番大事だ」と母親に言われ続けていた。アスリートとしては当然かもしれないが、コンディショニングに気を使っていた。便の記録アプリを作っている人がいると知り、会いに行くと、特徴的な被験者で調べていると聞いた。
研究拠点の香川大学。検体採取第一号は松島幸太朗選手 【AuB提供】
当初はアスリートに便の提供を依頼しても「何を言っているの?」と訝しまれた。それでも丁寧に説明し、協力してくれるアスリートは増えていった。自身がアスリートであったことも、説得力を増したはずだ。そしてその数は33競技、1700に上っている。
その研究の成果の一つとして、独自開発した菌素材『アスリート・ビオ・ミックス』を配合したサプリメントとプロテイン、『AuB BASE』と『AuB MAKE』の販売を開始した。
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ビジネスでレッズと関わることは目標の一つだった。そして、元所属選手としてだけではなく、1人のビジネスマンとしてレッズとパートナーを結んだ目的の一つに、『啓蒙活動』がある。
「最近は『腸活』という言葉がありますが、『聞いたことはあるけど実際はどういうことなの?』という方が結構いらっしゃいます。便に関しても、1日に何回するとか、人それぞれですが、それが本当に正しいのか。栄養に関して気を使っている方は多いと思いますが、入口は気にしても出口はあまり気にしない。『今は健康だから』ではなくて、自分が好きなことを長くやってもらいたいし、長くチャレンジしてほしいんですよね」
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「どうやったら浦和レッズに恩返しできるんだろう、と考えたときに、浦和レッズは誰のために、何のためにやっているんだろう、と考えました。ファン・サポーターの方々、地域の方々、サッカーを愛する人たち、スポーツを愛する人たち、子供たち…そこに貢献できるのが一番だと思っています。
たとえばファン・サポーターの方々にはいつまでも元気にスタジアムに通ってほしいと思っています。そのためには健康でなければいけませんよね。僕はアスリートとして経験してきたコンディショニングが、街の人たち、ファン・サポーターの人たちの健康に必ず役に立てると思っています」
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そして商品を販売するだけでなく、23日には啓太さんが講演を行う予定だ。これまでの取り組みや腸内環境の大事さなどを浦和の街の人やレッズのファン・サポーターに直接伝える機会になる。
「『啓太は何をやっているんだ?』という話は時々耳にしますので、こういうことをやっていますということをお伝えするいい機会になればと思っています。最近の浦和レッズを見ていても、時代の流れもすごく感じていますし、サッカー界自体が大きく変革している時期だと思っていますが、そういう時代において新しいことにチャレンジしていくということでも、一緒に進んでいけたらと思います。まずはこのイベントでみなさんにAuBを知っていただいて、私たちの活動を見ていただければなと思っています」
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