テクノロジーと自転車競技のコラボレーションが描く、スポーツの拡張性。「INNOVATION LEAGUE 2021」説明会開催レポート

SPORTS TECH TOKYO
チーム・協会

【INNOVATION LEAGUE 】

 2021年3月に発足した自転車・ロードレースの国内リーグ「ジャパンサイクルリーグ」。東京オリンピックでは、女子オムニアムの種目で梶原悠未選手が銀メダルを獲得したことは記憶に新しい。今回コラボレーションパートナーとして「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」に参画するにあたり、ジャパンサイクルリーグはどのような課題感や狙いを持っているのか。「制限は設けずに考えたい」と言い切る登壇者2名の言葉から、日本国内における自転車競技の可能性と社会的意義が見えてきた。

 8月11日(水)に、昨年度に続く開催となる「INNOVATION LEAGUE 2021」のプログラム説明会が行われた。「INNOVATION LEAGUE」はスポーツ庁が目指すスポーツオープンイノベーションプラットフォーム構築の推進を目的としたプログラムであり、昨年度よりスポーツ庁とSPORTS TECH TOKYOが共同で開催している。

「INNOVATION LEAGUE 2021」説明会全体の開催レポートはコチラ
https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/202108260055-spnaviow

自転車競技は競技力向上だけでなく、モビリティとして社会に貢献する

 アクセラレーションプログラムの実証の場を提供するコラボレーションパートナーとして、ジャパンサイクルリーグ チェアマンの片山右京氏および理事長の犬伏真広氏が登壇。 
 オリンピックでは梶原選手が銀メダルを獲得したものの、自転車・ロードレースは日本ではまだまだ発展途上。地域に根付いて沢山の方に応援してもらえる環境を作ることや強い選手を育てること、そして日本代表としてより多くの選手を海外のレースに送り込むことを通じて、自転車競技を国内でメジャースポーツにすることを目標に、日々運営を進めている。

 ジャパンサイクルリーグ は、自転車が環境問題や健康促進のみならず、人の生活に必要とされるような存在になることを目指している。競技力向上だけでなく、モビリティとしての側面から社会のエコシステムに貢献する自転車競技は、まさにスポーツの拡張性を感じさせてくれる種目だ。

ジャパンサイクルリーグ 発起人・チェアマン 片山右京氏 【INNOVATION LEAGUE】

 「あなたの街がスタジアムに!」というスローガンのもと、地方創生をミッションに掲げるジャパンサイクルリーグは、9つのトップチームが年間20戦程のレースを日本各地で戦っている。公道を試合会場とするロードレースは、日本全国の地域をお祭り化できることも魅力のひとつだ。コロナ禍においても、十分な感染対策を行いレースを開催している。

ロードレースは日本各地の公道を使って開催される 【INNOVATION LEAGUE】

機材スポーツとテクノロジーの相性の良さを活かしたい

 また、自転車競技は機材スポーツであり、選手の身体や車体にカメラや機器を取り付けることができる点も特徴のひとつだ。選手のパワーや心拍数、スピードなどのデータを臨場感を持ってリアルタイムで観客に届けられたり、中継映像以外の視点から試合の様子を配信することも可能である。日本におけるサイクリング、サイクルスポーツの競技人口は卓球やバドミントンよりも多く、またDAZNにおいても人気種目になっていることから「する」「見る」の両面でまだまだ伸びしろがあることが垣間見える。

ロードレースとテクノロジーの掛け合わせが、新たな魅力を生み出す 【INNOVATION LEAGUE】

競技の卓越性が視聴者に伝わりづらいことが課題

 その一方で、ジャパンサイクルリーグ 理事長の犬伏氏は具体的に提供可能なアセットは以下の3つを挙げながら「スピードや戦略性が視聴者に伝わりづらいこと」が課題であると説明。

1、ロードレース・競輪場を使ったバンクリーグにかかるLiveレース映像
2、プロ選手たちの走行中の身体データ・機材データ
3、レース開催地の自治体や地元チームとの新しい地域創生イベント

 自転車競技の迫力やテクニック、戦略性をわかりやすく伝え、視聴者の方が見て楽しい、語って楽しい競技に語りやすい競技になるためにテクノロジーの導入を進めていきたいと考えだ。レース中の競技データを活用した新しい観戦体験や、選手たちが実行している戦略の複雑性を解説するコンテンツなどを通じて、よりわかりやすく、より奥深い競技の魅力を届けていきたいと犬伏氏は語る。

競技者層以外にその面白さを広く伝えるアプローチが課題 【INNOVATION LEAGUE】

ジャパンサイクルリーグ 発起人・理事長 犬伏 真広 氏 【INNOVATION LEAGUE】

 機材スポーツならでは、また地域密着を謳うジャパンサイクルリーグならではのアセットとテクノロジーが掛け合わさることで、自転車競技の新しい見方・愉しみ方は何倍にも膨れ上がるのではないか。新設されたばかりの団体ゆえに、ジャパンサイクルリーグも新しいチャレンジに対して貪欲かつ寛容であり、スタートアップ企業やイノベーターにとってはこれ以上にない協業機会だ。「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」のプログラムを通じて、これからどのようなコラボレーションが見られるのか、非常に楽しみである。

「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」への応募を希望される企業担当者の方は以下のURLよりご応募ください。
https://innovation-league.sportstech.tokyo/acceleration/



執筆協力:五勝出拳一

『アスリートと社会を紡ぐ』をミッションとしたNPO法人izm 代表理事。スポーツおよびアスリートの価値向上を目的に、コンテンツ・マーケティング支援および教育・キャリア支援の事業を展開している。2019年末に『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』を出版。

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著者プロフィール

SPORTS TECH TOKYO

スポーツテックをテーマにした世界規模のアクセラレーション・プログラム。2019年に実施した第1回には世界33カ国からスタートアップ約300社が応募。スタートアップ以外にも国内企業、スポーツチーム・競技団体、スポーツビジネス関連組織、メディアなど約200の個人・団体が参画している。事業開発のためのオープンイノベーション・プラットフォームでもある。現在、スポーツ庁と共同で「INNOVATION LEAGUE」も開催している。

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