【東京パラPREVIEW】メダル候補が多数! 東京パラリンピック新競技のバドミントン
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【東京パラPREVIEW】メダル候補が多数! 東京パラリンピック新競技のバドミントン
金メダル筆頭候補は車いすの里見!
単複ともに東京パラリンピックを争う世界ランキング(以下、ランキング)1位をマークする里見紗李奈(WH1・車いす)は、頂点へ誰よりも熱い気持ちを寄せている。現在、23歳。パラバドミントンを始めてまだ約4年だが、2019年のパラバドミントン世界選手権シングルスで頂点に立ち、いまや世界中から追われる存在だ。
里見は「車いすでのけぞって打つプレーを見てほしい」とアピール 【photo by X-1】
このタイのエースに、里見は2019年、世界選手権の決勝で初めて勝った。長いラリーを避けたいスジラットに対し、里見が我慢強くクリアーを打ち込んだ結果だった。東京大会でも「いかに長いラリーに持っていけるか」が勝敗のカギを握ると里見は分析する。
「負けるときはいつもファイナルゲームなので、東京ではストレートでしっかり勝ちたい。最後の対戦では負けているので、その悔しさを忘れずにこれまで練習してきました」(里見)
WH1シングルスは、ランキング2位のバレシカ・クノブラウ(ドイツ)、同4位のイン・モンルー(中国)も里見の前に立ちはだかりそうだ。
里見&山崎はコンビネーションで勝ちに行く
山崎は、「動きの速い中国ペアに対し、立ち位置をうまく変えながらコートの穴をなくしていくのが私たちの戦い方なんです」と解説する。
シングルスでもメダルを狙える位置にいる山崎。バドミントン経験者であり、ショットの正確性も高い 【photo by X-1】
中国のイン・モンルー&リュウ・ユートン組ほか、タイのテクニシャン、スジラット・ポッカム&アムノイ・ウェドヴィタ組も日本の優勝に待ったをかけてくるはずだ。
また、山崎はシングルスでもランキング4位と上位に座る。「決勝に進出してメダルを獲りたい」と思いを明かす山崎は、若いリュウ・ユートンをライバル視している。2016年にリュウと初対戦したとき、「こんな強い子がいるのか」と衝撃を受けた山崎は、その後、いっそうバドミントンに本気で取り組むようになった。「トントン(リュウ)は強い。でも当たったら私も全力で向かって行く」と山崎は気を吐いている。
鈴木亜弥子は中国選手と頂上決戦か
一度は競技を辞めた鈴木だが、バドミントンのパラ競技入りで2016年に競技生活を再開した 【photo by X-1】
戦績は、鈴木が3勝5敗と負け越している。だが、最後に2人が戦った2019年のヒューリック・ダイハツ JAPAN パラバドミントン国際大会2019の決勝では、21-19 、22-20と鈴木が接戦を制しており、両者の実力は拮抗。東京パラリンピックでは、どちらの手に金メダルが渡るか、予測が難しい。
もちろん、コロナ禍で鈴木はヤンに勝つことだけを目標に取り組んできた。とくに強化してきたのはフットワーク。動きの速いヤンと渡り合うため、歩数の効率化に努めた。また、自身の強みについてこう説明する。
鈴木の宿命のライバルである中国のヤン・チウシャ 【photo by X-1】
クレバーな配球力と強い精神力を武器に鈴木はパラリンピック初代女王に挑む。なお、日本からは、2019年世界選手権で銅の亀山楓、2013、2015年同大会で銀の杉野明子もメダルを狙いに行く。
村山&梶原のライバルは中国と韓国
野球経験で培った、がむしゃらさが持ち味の梶原 【photo by X-1】
なお、中学時代、軟式野球で全国クラスのチームのピッチャーだった20歳の梶原は、シングルスで伸び盛りの強さを発揮できるか。ランキング4位で、これまで目立った戦績はないが、チェアワークに磨きをかけており、大舞台で一気に化けるかもしれない。
長い間、競技普及に尽力してきた長島理(WH1)は、シングルスのみ出場。誰よりも執念は強いことは多くの人が知るところで、41歳のベテランの奮闘にも着目してほしい。
村山(写真)も梶原)も野球経験者。ともに野球で培った強肩によるクリアーに自信を持つ 【photo by X-1】
藤原、今井はメダル争いに絡めるか
藤原は「今までは相手のミスを誘うプレーだったが、いまは自分で点を取りに行くプレーも強化している」と明かす 【photo by X-1】
このクラスは金を目指す選手層も厚い。ランキング上位のインドネシアやマレーシアの選手には、健常のジュニアナショナルチームに所属した猛者もいる。パラバド界きっての技巧派・ランキング2位のチー・リクハウ(マレーシア)、同3位のアタッカー、スーリョ・ヌグロホ(インドネシア)といった華やかな面々だ。
しかし、今井はひるんでいない。3月までインカレの上位常連で、オリンピアンを多数輩出してきた日体大に在籍し、厳しい練習を積んできた。
「僕も日本トップの強い先輩・後輩と練習し、本物のバドミントンを学んできました。彼らに負けているとは思いません」(今井)
実際、日本のエースが上位を突き放すことは簡単ではないが、ホームの利を生かし、一気に突き抜けてほしいところだ。
以前、「熱くなりすぎて、プレーが単調になりがちなのが課題」と語っていた今井。東京大会では緩急あるラリーを築けるか 【photo by X-1】
text by TEAM A
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