【新日本プロレス】「初めてのケンカをしたい」3K完全分裂後のYOH選手に直撃!

チーム・協会

【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

衝撃の分裂劇……! 8.16後楽園、エル・デスペラード&金丸義信組との『SUPER Jr. TAG LEAGUE』公式戦でSHO選手がパートナーのYOH選手を見殺しの末に、決別のショックアロー! ファンを震撼させたこの事件に関してYOH選手に直撃インタビュー!

※なお、同じくインタビューを申し込んだSHO選手はインタビュー取材を拒否、取材が実現しませんでした。

撮影/中原義史

★YouTubeではインタビュー動画を緊急アップ!関連リンクから!

3Kは……、永遠だと思ってたんで。いつからなんだろ? いつから亀裂が入ったんだろうなって、ボクでも理解できませんね。

【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

――じつは今回、渦中のSHO選手にもROPPONGI 3Kのチーム分裂についてインタビューをお願いしたのですが、取材を拒否されてしまいました。まず、それについて思うことは?

YOH うーん……(熟考)。まだ、彼が何をするのか、どこに行くのか一個もわかってないんで。ただ、拒否するということは彼なりの思惑があってやってることだと思うし。まあ、「早く表に出てこいよ」って言いたいですけど、そこはスルーで。とくに何とも思ってないですね。

――では、ここであらためて8.16後楽園、エル・デスペラード&金丸義信組との『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2021』公式戦での問題のシーンを映像でご覧いただき、お話を伺えれば。

YOH ……。

※試合終盤、SHOが救出に入らず、最後は見殺しにされるシーンを神妙な顔で見つめる。

【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

YOH フー……(映像が終わると深い溜息)。

――同期としてデビュー前から切磋琢磨し、2017年10月以降はROPPONGI 3Kとして共に活躍してきた盟友に裏切られたかたちですが、率直にどう捉えていますか?

YOH 3Kは……、永遠だと思ってたんで。いつからなんだろ? いつから亀裂が入ったんだろうなって、ボクでも理解できませんね。

――あの試合終盤、YOH選手はデスペラード選手に攻め込まれる中でSHO選手の救出を待っていたわけですよね?

YOH タッグなんでパートナーを信頼して、本当だったらあそこはSHOくんが助けに来てくれると思ったんですけど……。だから、頭は混乱しましたね。

――YOH選手がいたぶられる光景を、SHO選手は非常に冷酷な表情で見つめていたというか。

YOH ボクでも見たことない表情ですよ。「こんな顔、できるんだ」って。

試合に全力で集中できない自分がいたんですよね。「これって、一体なんなんだろうな?」っていう違和感を抱えながら試合をしていて、

【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

――いつもの好青年のSHO選手とは思えない姿でした。振り返るとYOH選手は今年の4.4両国で、約10カ月にわたる長期欠場からの復帰戦でSHO選手と共にデスペラード&金丸組を下し、IWGPジュニアタッグ王座を奪取しました。しかし、6.23後楽園で石森太二&エル・ファンタズモ組に敗れ王座陥落。その後のYOH選手は敗北を喫する場面が増えましたが、この不調の原因というのは?

YOH ボクだけがずっと感じてた、“違和感”というものがあって……。それは自分が復帰したときから、徐々に強くなっていて。それで『SUPER Jr. TAG LEAGUE』、その前ぐらいから確実に「なんか違う」っていう。いつもの3Kなんだけど、いつもの3Kじゃなくて。でも、周りは誰も気づいていなくて、ボクだけが感じているもので。もっと言ったら、いつものSHOくんじゃなくて、どこかが違くて。でも、それがわかんなくて苦しくて。

【新日本プロレスリング株式会社】

――原因がわからないと。

YOH こう言ったら失礼かも知れないですけど、試合に全力で集中できない自分がいたんですよね。「これって、一体なんなんだろうな?」っていう違和感を抱えながら試合をしていて、結果的にボクがフォールを取られるかたちになって。それが気持ち悪くて……。だから、「わかんない、わかんない」ってなってたんですけど、いまとなっちゃ、「わかりたくなかった」ですよね。

――感じていた違和感の正体は、SHO選手に対してだったと。

YOH ウン。「それだったんだ」って。

――こういうかたちでROPPONGI 3Kの歴史にピリオドが打たれるのは、まさに衝撃の展開というか。

YOH 3Kになる前も、「どんなことがあっても、二人でやっていこう。誰に何を言われても、二人で乗り越えていきましょう」って、SHOくんが言ってくれて。で、二人で支えあって……。だから、こんな結末……、「そんなに俺のこと、信用できなかったの?」って。まあ、不甲斐ないパートナーだったかも知れなかったですけど、それでも俺が一番念頭に置いてたのって、3Kをよくすることしか考えてなかったんで。(SHOが写ってる画面を観て)この表情だったり、ボクがショックアローを受けてる姿は観たくないですね。

(ヤングライオン時代の対戦と違って)“これ”に関しては潰し合いになるんじゃないかなって思います

【新日本プロレスリング株式会社】

――こうしたSHO選手の“変化の兆し”が、どこで生まれたのか気になるところです。

YOH ボクが欠場してるときに、彼がシングル戦線に参入していって、その時点で何かを思ってたのかも知れないですね。そこで“ひずみ”が……、考えの違いや、すれ違いが起こってたのかも知れないですし。

――『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2021』が開幕し、ROPPONGI 3Kが黒星を重ねてしまう中でも、SHO選手はYOH選手に励ましの言葉を送っていましたが、あまりご自身には響かなかったですか?

YOH リーグ戦が始まったときはもう、(SHOも)決めてたと思うので……。

――すでにSHO選手の中で決心してたんじゃないかと。そして、8.16後楽園でSHO選手は決別のショックアローのあと、YOH選手に対し「オメー、もう終わりだろ? 引退しろや!」とマイクで罵声を浴びせました。

【新日本プロレスリング株式会社】

YOH コレを言われた瞬間はもう、何も覚えてないですよ。(頭が)空っぽっていうか、空洞だったんで。まあ、「そこまでか、引退までか」と。

――この非情のメッセージに対し、いまの心境は?

YOH いまはもう、沸々とベクトルが怒りのほうに向いてますね。

――もう、修復は不可能と?

YOH あのショックアローはそういう意味だと思ってるんで。一番大切にしていたタッグ、「もう一回浮上しようぜ」っていうリーグ戦の途中で、SHOくんのあの行動。あれは彼の“覚悟”だったんだなって思ってます。

――YOH選手のほうはかつての盟友に対し、気持ちの切り替えは?

YOH 完全にスイッチが変わったわけじゃないですね。整理しようにも「いつからなんだ? どこからなんだ?」っていう、考えれば考えるほどって感じなんで。

――まだ、混乱している部分があると。

YOH ただ、ボクもプロレスラーなんで。過去のことを考えずに、彼と対戦したい。初めての“ケンカ”をしたい、そう思ってます。

――一騎打ちとなれば、ヤングライオン時代以来となりますね。

YOH もうお互いが、昔バチバチやってたヤングライオンではないですし。あの頃はバチバチやり合いながら、「俺らで上を目指していこうね」っていう戦いだったんですけど、“これ”に関しては潰し合いになるんじゃないかなって思います。

――いまのシングルプレイヤーとしてのSHO選手を、どのようにご覧になっていますか?

YOH いや、スゲー強いと思いますよ。彼がどのユニットを選択するかわからないですけど、それによって彼の色も変わると思うので。彼のパワーやスピード、それは素晴らしいなと思います。ただ、ボクにもテクニックはあるし、正面からぶつかりたいという気持ちもあるし……、負けないですよ。

ボクはずっとCHAOSにいます。裏切るつもりもないですし、ほかのユニットに行こうなんて一回も思ったことないですね

【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

――YOH選手の欠場中、SHO選手は昨年の『NEW JAPAN CUP』一回戦で鷹木信悟選手を撃破し、その勢いを駆って7.12大阪城では鷹木選手のNEVER無差別級王座に初挑戦しました。そうした活躍を見ていて、どんな気持ちでしたか?

YOH ボクは純粋に背中を押してもらったんですよ。左ヒザの前十字靱帯を断裂して、復帰までに一年くらいかかるっていうときに、鷹木選手との試合を観て「SHOくん、スゲーなあ!」って思って。

――いい刺激を受けたと。

YOH そのとき、彼に言ったんですよね。コメントなり何なりで「YOHさんのぶんまで戦います」とか、「YOHさんが復帰するまでがんばります」とか、そういうのは凄くうれしいですけど、「いまはSHOくんはSHOくんのことだけ考えてくれれば、俺はそれでいいからね」っていう風なやりとりはしていて。SHOくんの試合を観て元気をもらったし、もちろんジェラシーもありましたけど、それをしっかりリハビリの力に還元できたんで、ボクはリングに戻って来れたんじゃないかって思ってます。

――SHO選手は昨年の『BEST OF THE SUPER Jr.』公式戦では、高橋ヒロム選手からも初勝利を収めました。

YOH ボクはヒロム選手に勝ってないですし、「どんどん差をつけられてるな、置いてかれてんな」って思いましたよ。その頃から「俺、前みたいに戻れんのかな?」って気もして。ただ、そんなうしろ向きなこと考えてもしょうがないんで、やれることを最大限やっていこうと思ってきましたけど……。まあ、彼のシングルプレイヤーとしての活躍を観て、アセりはありました。

――先ほどのお話にあったように、SHO選手はユニット離脱の可能性が非常に高いというか。

YOH ボクはずっとCHAOSにいます。裏切るつもりもないですし、ほかのユニットに行こうなんて一回も思ったことないですね。3Kで戻ってきた時点で、SHOくん、ロッキー(・ロメロ)さんの3人でずっとやっていこうと思ってたんで。

――今回の件に関して、CHAOS内でも動揺が走ってる模様です。矢野通選手も自身のYouTubeチャンネルで、衝撃を受けたと心境を明かしていました。

YOH ボク、(いまは)誰とも連絡を取ってなくて、矢野さんのコメントも観てなくて。で、この試合(SHOに裏切られた試合)も観てなくて。観たくもなくて。 現時点ではもう、自分の中にこの状況を落とし込んでいく作業というか、それで精一杯ですね。ほかの声なんてもう、聞きたくないです。

――憤りが伝わってきますが、それを晴らすには落とし前をつけなければというお気持ちでしょうか?

YOH そうですね、ケンカですよね……。そもそも俺ら、不器用なんですよ。そういう二人が3Kを結成した当初、どうしたらいいかなと思い、ボク的にはチームは対比が重要じゃないかって考えて。

――パワーのSHO選手、テクニックのYOH選手という役割分担ということですよね。

YOH でも、もうそんなの取っ払っていいから、ひたすらぶつかり合いたいです。潰し合いですよ。

――あらためて最後にSHO選手に対してメッセージをいただければ。

YOH ……SHOくん、ケンカしようぜ。

【新日本プロレスリング株式会社/中原義史】

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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