2位Tの金田久美子『まだ、やれる』を猛アピール

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

ニトリレディスゴルフトーナメント 小樽カントリー倶楽部(北海道)第1日

 時が経つのは、はやい。かつて天才少女と呼ばれたプロ10年目の金田久美子が、久々に2位タイと好スタート。しかも、4バーディー、ノーボギーのラウンドに満足そうな表情を浮かべた。

 「ノーボギーがうれしい。完ぺきでした」といい、続いて、「ピンチ? あったのかなぁ。しいてあげれば18番のパーセーブぐらい。1.5メートルでした」と笑顔が弾ける。2週前の14日、32歳の誕生日を迎えた。ただし、その週のNEC軽井沢は59位Tで、前週は左足首痛で棄権。「練習ラウンドで、芝に隠れて見えないマンホールに足をとられ、ねんざをした。棄権するのはイヤだったし第1日、頑張ったけど、フィニッシュがとれない。痛くて…。ごめんなさい」と、すまなそうに状況を説明した。

 まだ、万全とは言い難いものの、そこは経験がカバーする。「今は、失うものがない。そんな気持ちでプレーできる。成績が悪くても前向きに次はーと思う。気楽という表現は的確ではないけど、せっぱつまった感じがしません。だって、ゴルフは楽しいでしょう」と話した。体力を温存するため前日、ラウンドは行わず、練習場でボールを打ちこみ、パッティングを入念に行う。一方で、この日は人生初の2ボールタイプのパターを使用した。

 「今まで、怖くて新しいギアが使えない。でも、最近はパッティングがいまひとつだったから今回からチャレンジしました。感触がとてもいい。私には合っています」と、チャレンジをアピール。この勇気が8番で、15メートルのバーディーをアシストしたのだ。頑張る人には、ごほうびがあるもの。ということで、以前は25歳で引退を匂わせていたが、「できるところまで、しっかりやりたい。まだ、やれると思います」と可能性を見出した。

 完全リモートの公式会見は、初体験。ちょっと特殊な雰囲気に好奇心がくすぐられた。カメラに近づいたり、離れたりしながら表情を確かめ、モニターへうつる顔見知りのメディアへ、気さくに声をかける。素晴らしいムードをつくりあげ、親しみのわくキャラクターは相変わらず。

 「すごい。リモートだ。新しい時代を感じます。感動ー」と、スマートフォンで記念撮影まで行った。人生は発見の毎日だ。ゴルフもまた、同じー。(中山 亜子)
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